住宅型有料老人ホームの費用相場は?内訳や費用を抑える方法を紹介

基本的には自立して生活できるものの、バリアフリーの施設で暮らしたいという場合、まず選択肢に挙がるのが「住宅型有料老人ホーム」です。住宅型有料老人ホームは自立した高齢者を対象としていますが、支援・介護が必要になった場合も直ちに退去する必要はないため、長期にわたって暮らし続けられます。

この記事では住宅型有料老人ホームへの入居を検討している方のために、費用相場や内訳を紹介します。費用を抑える方法もお伝えするので、ぜひ参考にしてみてください。

住宅型有料老人ホームの費用相場は?内訳や費用を抑える方法を紹介
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住宅型有料老人ホームの費用相場


住宅型有料老人ホームへの入居に必要な費用は、「入居一時金」と「月額利用料」の2つに大別されます。それぞれの相場は次のとおりです。

入居一時金

月額利用料

0~46.0万円

13.4~31.5万円

入居一時金は、家賃の前払い的な性質を持つ費用です。介護付き有料老人ホームでは数百万円、健康型有料老人ホームでは数千万円〜1億円程度かかることもありますが、平均的な住宅型有料老人ホームでは0〜46万円程度が相場であるため、比較的負担は少ないでしょう。(設備が平均以上に豪華な施設の場合、相場より高くなることもあります)
一方、月額利用料は、家賃・食費・光熱費・管理費などに該当する費用です。老人ホームの立地・設備などによって変動しますが、13.4〜31.5万円の範囲なら適正価格といえます。住宅型有料老人ホームを探すときは、入居一時金・月額利用料それぞれの額を料金表で確認してみてください。


住宅型有料老人ホームの費用内訳

それでは住宅型有料老人ホームの費用内訳を、さらに詳しく見ていきましょう。

入居一時金

入居一時金は住宅型有料老人ホームの入居時にかかる初期費用の一種で、前払い家賃としての性質を持ちます。(ただし全額が家賃に相当するわけではなく、その一部は入居に伴う手数料として扱われることも特徴です)入居一時金を多く支払えば、毎月の家賃に充当される金額も多くなるため、月額費用を安く抑えられます。
なお、入居一時金はあくまでも「前払い家賃」として支払うものであるため、未払いなどに備えて預ける「敷金」とは異なる費用であることは覚えておきましょう。そして入居一時金を支払う場合、別途敷金も請求されるケースは多くありません。
一方、入居一時金が0円の施設では、保証金や敷金を設定していることがあります。敷金は毎月の家賃に充当されるものではないため、敷金を支払ったからといって、月額費用が安くなることはありません。入居時に費用を支払う場合、それが入居一時金(前払い家賃)なのか、敷金(保証金)なのか、確認しておきましょう。

月額費用

月額費用は、住宅型有料老人ホームでの暮らしにかかる各種費用の総称です。「月額費用」として一括請求されますが、その内訳としては次のような要素が挙げられます。

●     居住費

●     管理費

●     食費

●     水道・光熱費

●     その他費用

それぞれどのような費用が請求されているのか、詳しく見ていきましょう。

居住費

月額費用の大部分は、居住費(家賃)に相当します。居住費は周辺の賃貸住宅の家賃相場をもとに決められるため、都市部に位置する施設や、公共交通機関へアクセスしやすい施設だと高額になりやすいことは知っておきましょう。
また、設備が充実している住宅型有料老人ホームも、居住費が高くなりやすいです。たとえば娯楽室・シアタールームなどが備わっているホームは、周辺施設より月額費用が高めに設定されているでしょう。

管理費

管理費は「施設の維持メンテナンス」「事務作業」「生活支援サービス」など、住宅型有料老人ホームを運営していくために必要な費用です。スタッフが多い施設は管理費が高めに設定されていますが、それだけサービスが充実しています。

食費

住宅型有料老人ホームの中には、食事提供も実施している施設があります。このような施設は、食材費・厨房維持管理費・人件費なども月額費用の一部として請求されるため、あらかじめ確認してみてください。

水道・光熱費

施設での生活に必要な水道・光熱費も、月額費用に含まれます。ただし、管理費の一部として請求されることも多いです。なお、居室ごとに個別のメーターがついていない施設の場合、毎月固定で一定額が請求されます。

その他費用

ここまで紹介した各費用の他に、歯ブラシ・ティッシュ・トイレットペーパー・おやつなどを施設から提供してもらうことも可能です。この場合、それぞれの実費がその他費用として請求されます。

 

介護サービス費の自己負担額

住宅型有料老人ホームは介護施設ではないため、介護サービスを提供していません。そのため入居者は自宅に暮らしている場合と同じく、外部の訪問介護・訪問看護サービスを利用することになります。入居者が外部事業所と直接契約することになるため、住宅型有料老人ホームへの月額利用料とは別に、介護サービスを利用した分だけ介護費用がかかることは覚えておきましょう。

なお、介護サービスを利用する際は、介護保険が適用されます。自己負担額が1割の場合の「支給限度基準額」と「自己負担限度額」はそれぞれ次のとおりです。(それぞれ1か月あたり)

 

支給限度基準額

自己負担額

要支援1

50,320円

5,032円

要支援2

105,310円

10,531円

要介護1

167,650円

16,765円

要介護2

197,050円

19,705円

要介護3

270,480円

27,048円

要介護4

309,380円

30,938円

要介護5

362,170円

36,217円

参考:サービスにかかる利用料|厚生労働省

この限度額の範囲内なら、1割の自己負担で介護サービスを利用できます。ただし限度額を超えてサービスを使用する場合、超過分は全額自己負担となるため注意してください。なお、住宅型有料老人ホームには介護支援専門員(ケアマネージャー)などの専門家が在籍していることも多く、自己負担限度内でどのように介護サービスを利用すべきかアドバイスしてもらうことも可能です。入居後に介護が必要になった場合に備えたい方は、ケアマネージャーの在籍している住宅型有料老人ホームを選ぶと安心でしょう。

 

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住宅型有料老人ホームの入居一時金は「あり」「なし」がある

記事冒頭でも少し触れましたが、入居一時金はすべての老人ホームで請求されるわけではありません。入居一時金を設定している施設もあれば、0円の施設も多く存在します。ここからは入居一時金の有無によるメリット・デメリットについて見ていきましょう。

入居一時金ありのメリット・デメリット

まずは入居一時金ありの住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

デメリット

毎月の支出を抑えられる

(全額前払いの場合)想定居住期間を超えても追加で家賃を支払う必要がない

入居時にまとまった資金が必要

入居時にまとまった資金が必要になることはデメリットといえますが、最初に家賃を先払いするため、月々の支払い額を抑えられることは大きなメリットだといえるでしょう。また、想定入居期間分の家賃全額を前払いする方式の場合、たとえ想定居住期間(5〜15年程度)を超えて暮らし続けたとしても、追加で家賃を支払う必要はありません。そのため長期にわたって同じ住宅型有料老人ホームに住み続ける場合には、一時入居金を支払ったほうが支払総額を低く抑えられます。

入居一時金なしのメリット・デメリット

つづいて入居一時金なしの住宅型有料老人ホームのメリット・デメリットを紹介します。

メリット

デメリット

入居時にまとまった資金を用意する必要がない

毎月の支出は多くなる

家賃を前払いしないため、毎月の支出が多くなることはデメリットです。しかし入居時にまとまった資金を用意する必要がなく、手元に現金を残しておけることは大きなメリットといえるでしょう。

入居一時金の償却とは?

入居一時金について理解を深めるためには、「償却」について知らなければなりません。「償却」とは使用期間に応じて、まとまった資金を分割して費用化していくことです。入居一時金は10〜30%程度が初期償却され、残額が5〜15年かけて償却されていきます。言葉だけではかりづらいため、具体的な数字を使って例を見ていきましょう。

たとえば入居一時金が500万円、初期償却費用が100万円(初期償却率20%)、償却期間が8年の施設があるとします。この場合、400万円を8年間にわたって費用化、つまり1年間に50万円ずつ費用として計上していくのが償却です。(なお償却方法にもいくつか種類が存在しますが、この例では一般的によく採用されている「均等償却」で計算しています)

なお、初期償却の額(初期償却率)や償却期間、償却方法はそれぞれの施設によって異なるため注意してください。入居一時金がどのように費用として計上されていくかは、契約書や重要事項説明書に記載されています。

入居一時金は返還制度がある

入居一時金はただちに費用化されるわけではないため、もし償却期間中に退去する場合には、償却しきれていない残額が返還されます。計算式は次のとおりです。

入居一時金×(1ー初期償却率)÷償却期間 ×(償却期間ー入居期間)=返還金

先ほどの例で考えてみましょう。入居一時金が500万円、初期償却費用が100万円(初期償却率20%)、償却期間が8年の施設を、3年経過時点で退去したとします。初期償却後の残額は「入居一時金×(1ー初期償却率)」で求められるとおり400万円です。これを償却期間8年で割ると、1年あたりの償却額は50万円であるとわかります。
つまり「償却期間8年ー入居期間3年」で求められる5年分の償却額250万円(1年あたりの償却額50万円×5年)は、まだ費用化されていません。この250万円については、退去に伴い返還してもらえるのです。
なお、入居一時金を設定しているすべての有料老人ホームにおいて、2021年4月以降は「保全措置」を講じることが義務付けられています。そのため、たとえ償却期間中に施設が倒産してしまったとしても、保証限度額である500万円までの入居一時金は返還されるため安心してください。

 

入居一時金はクーリングオフの対象

何らかの事情により、契約後90日(3か月)以内に退去することになった場合には、クーリングオフ制度(短期特例解約)が適用されます。クーリングオフが適用される場合は初期償却はされず、初期費用から「日割り賃料」「食事代」「水道光熱費」「管理費」を差し引いた額が返還されることが特徴です。初期償却が適用されないため、入居一時金の大部分が返還されることは覚えておきましょう。


 

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住宅型有料老人ホームの支払い方法


住宅型有料老人ホームの費用の支払い方法は、入居一時金の扱い方によって次の3種類に分けられます。

比較対象

メリット

デメリット

全額前払い

入居後にかかる月額費用を減らせる

想定入居期間を超えても追加家賃は必要ない

まとまった資金が必要

月払い

(入居一時金0円)

まとまった資金が必要ない

手元に資金を残せる

長期的な支払い総額はもっとも高い

一部前払い

(併用)

入居一時金0円と比べると、月額費用を抑えられる

全額前払いと比べると、総額が高い

それぞれの支払い方法のメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。

全額前払い方式

家賃全額を前払いする方式の場合、入居一時金を多めに支払うことになりますが、その後の月額費用には家賃相当分が含まれません。管理費・食費などに相当する月額費用のみを支払うことになるため、入居後の月額費用を大きく減らすことができます。
また、たとえ想定入居期間を超えたとしても、追加の家賃相当額を支払う必要がありません。結果として、老後資金の見通しを立てやすいこともメリットだといえるでしょう。

月払い方式

月払い方式はいわゆる入居一時金0円プランのことで、家賃の前払いはせず、家賃相当額をすべて月額費用に含めて支払っていきます。入居に伴ってまとまった資金を用意する必要がないことや、手元に資金を温存できることはメリットだといえるでしょう。ただし長期にわたって住み続ける場合、他の方式と比べると、支払い総額はもっとも高くなります。

併用方式

入居一時金として想定居住期間分の家賃の一部のみを支払い、残りは月額費用として支払うのが併用方式です。入居一時金が0円の月払い方式と比べれば、月額費用を抑えられます。一方、全額前払い方式と比べると、併用方式のほうが支払い総額が多い点はデメリットといえるでしょう。

支払い方法はどれがお得?

支払い方法が多く、どれがお得なのか迷ってしまう方もいるでしょう。ここからは、どの方式がどのような人におすすめかなのか、ここまで紹介したポイントをふまえて紹介します。まず、有料老人ホームへ支払う費用だけを単純に比べた場合、もっとも総額を抑えられるのは全額前払い方式です。想定入居期間を超えたとしても追加の家賃相当額を支払う必要がないため、長期にわたって暮らし続ける場合は非常にお得だといえます。
しかし数年以内に特養などの介護施設へ転居することも視野に入れている方は、手元に資金を残すためにも、入居一時金が0円の月払い方式を選んだほうがいいでしょう。また、定期預金や債権などで資金を運用したい方も、入居一時金を支払わないプランを選ぶべきです。
そして全額前払い方式と月払い方式、双方のメリットを得たいという方は、併用方式を選んでみてください。いずれにしても、その入居者の置かれた状況によって、どの支払い方法がお得なのかは異なります。老後資金の計画を建てるためにも、それぞれの方式で一度シミュレーションしてみてください。

 

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住宅型有料老人ホームと他の高齢者施設との費用比較

高齢者向けの施設としては、住宅型有料老人ホーム以外にも次のような例が挙げられます。

●     サービス付き高齢者向け住宅

●     介護付き有料老人ホーム

●     特別養護老人ホーム

それぞれの施設ごとの特徴や、入居にかかる費用・月額費用の違いについて見ていきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅との違い

​サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住)とは、高齢者が安心して暮らせるための機能やサービスを備えた賃貸住宅です。施設はバリアフリー構造となっており、見守り・生活相談などのサービスを提供してくれますが、あくまでも賃貸住宅として貸し出されています。それぞれの費用を比べてみましょう。

比較項目

入居一時金

(入居にかかる費用)

月額費用

住宅型有料老人ホーム

0~46.0万円

13.4~31.5万円

サービス付き高齢者向け住宅

0~22.1万円

11.3~23.9万円

住宅型有料老人ホームとサ高住は提供サービスが似ていますが、住宅型有料老人ホームには職員が常駐しており、より見守り体制が充実していることが特徴です。


介護付き有料老人ホームとの違い

介護付き有料老人ホームは厚生労働省の定める基準を満たした老人ホームで、介護の必要性が高い高齢者も受け入れていることが特徴です。そのため住宅型有料老人ホームと比べると、介護付き有料老人ホームのほうが費用が高い傾向にあります。

比較項目

入居一時金

(入居にかかる費用)

月額費用

住宅型有料老人ホーム

0~46.0万円

13.4~31.5万円

介護付き有料老人ホーム

0~630万円

15.0~35.1万円

なお、介護付き有料老人ホームは「特定施設入居者生活介護」の認定を受けているため、介護保険が適用されることもポイントです。

 

特別養護老人ホームとの違い

特別養護老人ホーム(特養)は、「要介護3」以上の認定を受けた高齢者向けの公的施設です。公的施設であるため有料老人ホームと比べると低価格で入居でき、入居一時金もかかりません。

比較項目

入居一時金

(入居にかかる費用)

月額費用

住宅型有料老人ホーム

0~46.0万円

13.4~31.5万円

特別養護老人ホーム

0円

4.9~15.0万円

 


住宅型有料老人ホームの費用負担を軽減する制度


住宅型有料老人ホームに入居し、さらに外部の居宅介護サービスも利用するとなると、毎月の費用負担が重くなってしまいます。少しでも費用負担を軽減するために、次の3つの制度をぜひ活用してみてください。

●     高額介護サービス費

●     高額医療・高額介護合算療養費制度

●     医療費控除

それぞれ詳しく解説します。

高額介護サービス費

1か月間の介護保険サービス費の合計額が、所得区分ごとに定められた負担限度を超えた場合に使えるのが「高額介護サービス費制度」です。自己負担の上限額が次のように定められており、超過分が払い戻されます。

区分

毎月の負担上限額

課税所得690万円以上

(年収約1,160万円以上)

140,100円(世帯)

課税所得380万円以上690万円未満

(年収約770万円以上1,160万円未満)                  

93,000円(世帯)

市町村民税課税~課税所得380万円未満

(年収約770万円未満)

44,400円(世帯)

世帯全員が市町村民税非課税

24,600円(世帯)

世帯全員が市町村民税非課税

前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下

24,600円(世帯)

15,000円(個人)

生活保護受給者等

15,000円(世帯)

参考:厚生労働省

なお、この上限額は世帯単位で計算します。

高額医療・高額介護合算療養費制度

1年間(8月1日〜翌年7月31日まで)の医療保険・介護保険の自己負担合算額が高額だった場合に使えるのが「高額医療・高額介護合算療養費制度」です。介護費だけではなく医療費もかかっている場合には、上限を超えていないか確認してみてください。収入と年齢に応じた上限額は次のとおりです。

所得区分

75歳以上

70~74歳
70歳未満

介護保険+後期高齢者医療

介護保険+被用者保険または国民健康保険

-
-

年収約1,160万円~

212万円

212万円
212万円

年収約770万円~約1,160万円

141万円

141万円
141万円

年収約370万円~約770万円

67万円

67万円
67万円

~年収約370万円

56万円

56万円
60万円

市町村民税世帯非課税等

31万円

31万円
34万円

市町村民税世帯非課税

(年金収入80万円以下等)

19万円(※)

19万円(※)
-

※介護サービス利用者が世帯内に複数いる場合は31万円

参考:内閣府

医療費控除

1年間の医療費が10万円(総所得200万円未満の場合は総所得額の5%)を超えた場合、超過分を所得控除できます。これが医療費控除です。実は介護保険適用の介護サービスは、その多くが医療費控除の対象です。ただし、医療費控除の対象となるのは医療と関係のある介護保険サービスのみとされています。対象となるサービス・ならないサービスは細かく定められているため、一度税理士へ相談してみてください。



住宅型有料老人ホームの費用を抑えるポイント 

住宅型有料老人ホームの費用負担をなるべく安く抑えたい場合は、以下の方法を検討してみてはいかがでしょうか。

施設の条件や特徴にこだわりすぎない  

通常の賃貸と同様に、交通の便が悪いところや居室が狭いところ、築年数が経っている場合などは賃料が安くなります。立地や居室の広さなどの条件にこだわると、その分費用も高くなります。

もちろん、費用が安いからといって必ずしもよいとは限りません。老人ホームは「終のすみか」とも呼ばれ、入居者ご本人が快適に過ごせる施設を選ぶことが大切です。希望する条件や特徴と費用を勘案しながら、最適な老人ホームを探しましょう。

個室ではなく相部屋にする  

老人ホームの居室タイプには個室と相部屋があり、相部屋の方が費用は安い傾向にあります。ただし、同室に入居者がいることに抵抗があったり、他の生活音が気になる方にはストレスになる場合もあります。長期の生活となることを考慮して選ぶことが大切です。

地価の安い地方で探す  

老人ホームの月額利用料は都道府県により変動があります。地価の高い首都圏に比べ、地方の老人ホームであれば費用を抑えることができる場合もあります。自然が豊かな場所でゆったりと暮らしたい、あるいは入居したら外出する機会は少なくて良いと考えている方は、地方での入居を検討してもいいかもしれません。

 

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住宅型有料老人ホームの入居中に費用が支払えなくなった場合は?  


 

住宅型有料老人ホーム入居中に、何らかの都合で費用が払えなくなった場合、まずは配偶者やお子さんなどの身元引受人に請求されます。身元引受人も支払えない場合は、定められた猶予期間の後に退去となります。

そのため、費用が払えないからといってすぐに退去になるわけではなく、猶予期間も3〜6ヶ月と比較的余裕がある場合が多いです。猶予期間は施設によって異なり、契約書や重要事項説明書に記載されているため、入居時に必ず確認してください。

また、このようなことを防ぐためには、事前に入念な資金計画を立てることが大切です。資金計画については以下の記事をご覧ください。

住宅型有料老人ホーム生活保護を受けていても入居できる?

もし生活保護を受けているとしても、住宅型有料老人ホームに入居することも可能です。生活保護を受けている方を対象にした料金体系を用意している施設もあるため、希望するエリアで探してみてください。ただし基本的には、生活保護を受けている方は費用負担がより少ない特別養護老人ホーム(特養)への入居を検討するべきでしょう。特養への入居待ち期間にのみ、住宅型有料老人ホームで暮らすのも選択肢の一つです。

住宅型有料老人ホームの費用以外で注意したいポイント

住宅型有料老人ホームを選ぶ際、費用以外に注意したいポイントとしては次の3点が挙げられます。

●     生活支援サービスが十分に受けられるか

●     レクリエーションやイベントが充実しているか

●     入居者本人が希望する生活とマッチしているか

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

生活支援サービスが十分に受けられるか

住宅型有料老人ホームの強みは、入居者への見守りや居室の掃除・洗濯などの「生活支援サービス」を提供していることです。しかし一口に「生活支援サービス」といっても、具体的なサービス内容は施設ごとに差があります。希望するサービスが十分に受けられるのかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

レクリエーションやイベントが充実しているか

「見守り」「生活支援」だけを必要としている方は、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に入居してもいいかもしれません。しかしサ高住はあくまでも高齢者向けの「賃貸住宅」であるため、入居者同士が交流する場があるとは限りません。
一方、住宅型有料老人ホームに入居すれば、レクリエーションやイベントを通じて他の入居者と交流を持つことも可能です。しかしレクリエーション・イベントも、施設によって開催状況に差があります。入居者との交流を重視する方は、開催内容・開催頻度などを確認しておきましょう。

入居者本人が希望する生活とマッチしているか

入居先候補の住宅型有料老人ホームでの暮らしが、入居者本人が希望する生活とマッチしているかどうかも重要です。たとえば料理を面倒に感じている方なら、食事つきの施設に入ったほうがいいでしょう。反対に料理が趣味・生きがいという方は、食事提供がない施設に入ったほうが充実した暮らしを送れます。
また、水回り設備が共同となっている施設も珍しくはありません。プライベートを確保して生活したい場合には、居室にトイレ・お風呂が備わっている施設を選んだほうがいいでしょう。入居先を選ぶときは、入居後の生活スタイルも想像してみてください。

 

 

住宅型有料老人ホームに入居するまでの流れ


住宅型有料老人ホームに入居するまでの流れは、おおむね次のとおりです。

●     希望条件の洗い出し・施設探し

●     見学

●     体験入居

●     入居申し込み・必要書類の提出

●     面談・入居審査

●     契約・入居

「入居一時金の有無」や「月額費用の水準」を条件に探すと、希望にマッチする施設をすぐに見つけられるでしょう。スマートシニアでも入居一時金・月額費用はもちろん、エリアや入居条件別に施設を検索できるため、ぜひ活用してみてください。

 

 

住宅型有料老人ホームに関するよくある質問

それでは最後に、住宅型有料老人ホームに関するよくある質問とその答えを紹介します。

介護度が高くなった場合は退去になるの?

住宅型有料老人ホームは基本的に自立して生活できる方を対象としていますが、外部の介護サービスを利用して住み続けることも可能です。ただし介護度が高くなり、施設内での生活が難しくなった場合には退去しなければなりません。介護の必要性が高くなった場合は、「介護付き有料老人ホーム」などへの転居を検討しましょう。(なお、介護度が高くなり、償却期間中に退去しなければならなくなった場合でも、入居一時金の一部は返還されます)

費用は誰が払うの?

住宅型有料老人ホームの費用は、原則として契約者である「入居者本人」が支払います。しかし、たとえば妻の入居費用を、生活費の一部として夫が支払うことも可能です。生計を一にしていない親族(独立した子など)が支払うこともあります。住宅型有料老人ホームの費用は決して安くはないため、誰が支払うのか、あらかじめ親族間で話し合っておくといいでしょう。
なお、入居者と費用負担者が異なり、支払う費用が通常の生活費の範囲を超えると判断される場合、贈与税の課税対象となる可能性もあります。相場より著しく高い住宅型有料老人ホームに入居するときは、課税対象となるかどうかも確認してみてください。

まとめ

住宅型有料老人ホームにかかる費用相場は、入居一時金が0〜46万円、月額費用が13.4〜31.5万円程度です。入居一時金を多く支払えば、それだけ月額費用の負担を減らすことができます。長期にわたって住み続ける場合には、入居一時金を支払ったほうがお得だといえるでしょう。一方、手元に資金を残しておきたい場合は、入居一時金が0円の施設を選ぶことも可能です。
住宅型有料老人ホームはさまざまな施設が存在し、それぞれ入居一時金・月額費用の水準はもちろん、提供サービス・設備・開催されるレクリエーションなどが異なります。希望に合う住宅型有料老人ホームを効率よく見つけるためにも、ぜひスマートシニアを使って検索してみてください。

 


この記事の監修

すぎもと ゆりこ

杉本 悠里子

有料老人ホームで介護士として約12年勤務した後、社会福祉士を取得。急性期病院の医療ソーシャルワーカーとして、入退院支援に携わる。現在は、スマートシニア入居相談室の主任相談員として、多数のご相談に応じている。

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