入居対象者の認知症症状に合わせた施設選び
一人ひとりに合わせた施設の対応
認知症の症状というと、食事をしたことを忘れてしまったり、「家に帰る」と玄関から出ようとしたり、入浴や排泄の介助を避ける行動が見られることが良くあります。自宅で一人暮らしの方や、在宅介護をされている家族にとっては、終わりの見えない毎日に疲れ果てることもあるでしょう。
一方で、身内を施設に入れることに後ろめたさを感じる家族がいることも事実です。施設の職員は、そのような家族の葛藤の声を多く聞いています。
認知症には、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症など、いくつか種類があり、原因と症状も様々です。一人ひとり性格が違うように、認知症の症状も、落ち着く環境も一人ひとり違います。
そのため、施設では様々な趣味や娯楽サービスと合わせて、職員が認知症の介護・看護について学び、入居者に適切なケアを提供しています。
介護職員が24時間常駐している施設であれば、夜なかなか寝付けなくても、トイレの回数が多く心配な方にとっても、「何かあったら来てくれる」安心感があります。新しい環境で刺激も多い分、慣れるか不安に感じるかもしれませんが、脳には良い刺激になると言われています。
もちろん、いくら良い刺激になるからと言って、入居者の性格・趣味・嗜好に合わせており、職員が何かを無理強いすることはありません。
その上で、「なぜ帰りたいと言っているのか」職員同士考えたり、食事をしてないという方には「今、準備をしていますよ」「何が食べたいですか」など、入居者の言動を受け止めて、少しでも安心できる環境作りを行っています。
認知症の方も楽しみのある生活を
認知機能、身体能力を低下させない施設の工夫
認知症の進行を緩やかにするには適度な運動、脳活性、社会や地域といった人との交流、達成感・充実感を感じることが重要と言われています。
認知症の方を受け入れている施設の多くでは、レクリエーションやイベント、地域交流が盛んに行われています。
朝のラジオ体操で体を動かし、男性の場合、囲碁や将棋・麻雀、女性の場合には、園芸や手芸などのレクリエーションを通して、入居者同士コミュニケーションを取る機会が増え、脳活性にもつながります。
また季節のイベントや地域ボランティア活動、近隣の子供達との交流など、地域社会との交流をも積極的に行われいています。
こういった活動を通じて、入居者が毎日の生活に楽しみを見つけることが出来たり、充実感を感じられる機会が多くあります。
また認知症の方は、なじみのない作業を苦手とするため、施設の中には国家資格を持ったリハビリ職員(理学療法士(PT)・作業療法士(ST)・言語聴覚士(OT))を配置し、より日常生活に近い形でのリハビリを兼ねた作業を行うことで、認知機能の低下を抑えたり、今できていることを継続して行えるような環境があります。
レクリエーションの一例
囲碁、将棋、麻雀園芸、手芸、習字、脳トレ、音楽観賞、映画観賞
イベント・地域交流の一例
クリスマス会、お正月、誕生日会、お遊戯会
見学時のポイント
認知症の入居者に、施設職員がどのように対応しているのか、言葉のかけ方や視線の合わせ方、介助の仕方を具体的に見せてもらう、あるいは聞いておくと良いでしょう。
また、入居対象となる方の認知症症状をお伝えいただくことで、同じような症状の方の施設での生活も知ることが出来ます。
入居後どのようなことが想定されるのかも、確認しておくと安心です。「認知症症状が強く、退去と言われたらどうしよう」と心配される家族も少なくありませんが、多くの入居者は入居後3ヶ月~半年をかけて、ゆっくりと新しい環境に慣れていきます。
その間、どのようなタイミングで家族に連絡が入るのか、もし退去となった入居者がいた場合はどのような理由か確認することで、安心して施設を検討することができます。
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