要介護1とは?身体状態、認定基準、利用できる介護サービスを紹介

要介護1とは

要介護1とは、基本的な日常生活動作は問題なく行うことができますが、運動機能や認知機能の低下によって一部の動作に介助や見守りが必要な状態を指します。たとえば、食事や排泄・入浴は自分でできる人も多くいますが、準備や確認などの支援が必要な状態です。要介護区分の中で一番軽い認定となります。
要介護1の身体状態や必要な支援の例
● 歩くことはできるが、一人での歩行に不安があるため、杖や歩行器などの支えが必要
● 立ち上がる際に手すりや人の支えが必要
● 包丁を使うのが難しいため、調理や食材調達に支援が必要
● 入浴時に浴槽をまたぐことができないため、スライドボードなどの福祉用具や介助が必要
上記のように要介護1の認定を受けた方には、部分的な介助や支援が必要です。また、身体的な状態だけでなく、病気などによっては精神的に不安定な状態や認知症の症状などにも支援が必要な場合もあります。
要介護1の認定基準
要介護認定において「1日に必要な介護の時間が32分以上50分未満」に該当した方が、要介護1の認定を受けます。要介護認定は居住区の地域包括支援センターや役所で申請し、認定調査や主治医の意見書を基に算出する仕組みです。
認定調査では、全74項目の基本調査と特記事項・環境などの聞き取りや動作確認を行います。その後、コンピューターによる一次判定を行い、主治医の意見書・認定調査の特記事項などを加味して要介護判定が決定します。
要介護認定基準とは?
1日に必要な介護の時間のことを「要介護認定等基準時間」といいます。5種類の基準(直接生活介助・間接生活介助・BPSD関連行為・機能訓練関連行為・医療関連行為)にあてはめて要介護認定等基準時間を算出し、介護サービスの必要度がどのくらいか算出することがポイントです。なお、介護区分別の要介護認定基準時間は次のように定められています。
認定区分 | 要介護認定等基準時間 |
自立 (非該当) | 25分未満 |
要支援1 | 25分以上32分未満 |
要支援2 | 32分以上50分未満 |
要介護1 | |
要介護2 | 50分以上70分未満 |
要介護3 | 70分以上90分未満 |
要介護4 | 90分以上110分未満 |
要介護5 | 110分以上 |
ここに痴呆性高齢者の指標を加味して、要介護度が判定されるのです。なお、要介護認定基準時間はあくまでも介護の必要性を分かりやすく示す目安であるため、実際の介護時間と必ずしも一致するものではありません。
要介護1の主な原因
要介護1は「部分的な介護が必要な状態」とされており、具体的な症状としては次のような例が挙げられます。
● 要支援と比べると日常生活の複雑な動作が難しい
● 立ち上がり・歩行が不安定で支えが必要
● トイレ・入浴で一部介助が必要
● 薬の内服などでサポートが必要
● 認知機能の低下が見られる
基本的には一人で日常生活を送れるものの、上記のような症状が見られる場合には要介護認定を受けられる可能性があるため、地域包括支援センターや自治体、もしくは居宅介護支援事業所などに相談してみてください。
要介護1と「要支援2」「要介護2」との違い

「要介護1」より一つ軽い等級が「要支援2」、一つ重い等級が「要介護2」です。これらは何が違うのか、要介護認定の目安や日常生活における状態について比べてみましょう。
比較項目 | 要支援2 | 要介護1 | 要介護2 |
要介護認定等基準時間 | 32分以上50分未満 | 32分以上50分未満 | 50分以上70分未満 |
認定の目安 | 日常生活における基本動作はほぼ一人で行えるものの、要支援1より見守りが必要 | 基本動作はほぼ一人で行えるものの日常生活に必要な機能が低下し、部分的な介護が必要 | 基本動作についても部分的な介護が必要 |
食事 | 一人で可能 | 一人で可能 | 部分的な介護が必要 |
入浴 | 一人で可能 | 部分的な介護が必要 | 部分的な介護が必要 |
トイレ | 一人で可能 | 部分的な介護が必要 | 部分的な介護が必要 |
立ち上がり・歩行 | 一部サポートが必要 | 一部サポートが必要 | 一部サポートが必要 |
身の回りのこと (家事・掃除など) | 見守り・手助けを要する | 手助けを要する場面が増える | 全般的に手助けが必要 |
それぞれの違いについて、さらに詳しく解説します。
要支援2との違い
「要介護1」と「要支援2」の違いとしては、次の3つが挙げられます。
● 認知機能の状態
● 6か月程度以内に心身の状態に変化がみられるか
● 受けられるサービス
それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。
違い1:認知機能の状態
認知機能の状態は、「要介護1」と「要支援2」で大きく異なります。まず、認知機能に低下が見られない方は「要支援2」に認定され、適切な予防に努めれば要介護状態になることを防げる可能性が高いです。食事・入浴・トイレなどの日常生活は一人でも問題なく送ることができ、立ち上がり・歩行・家事などで部分的にサポートを受ければ一人でも暮らせるでしょう。
一方、すでに認知機能の低下が見られ、要支援状態への回復が難しいと判断された場合には「要介護1」と認定されます。入浴・トイレなどでも手助けを必要とする場面が増え、薬の内服などに支障をきたすこともあるため、一人暮らしをするためには一定の介護サービスを受ける必要があるでしょう。
違い2:6か月程度以内に心身の状態に変化がみられるか
厚生労働省の定めによると、「6か月程度以内に心身の状態に変化がみられるか」が「要介護1」と「要支援2」の判断基準とされています。(この「状態」とは症状などのことではなく、必要な介護・介助の量のことです)
要介護度が短期的(6か月程度以内)に重度化する可能性がある場合には、たとえ判定時点では認知機能の低下が見られないとしても、「要介護1」と認定されるケースもあります。一方、6か月以内に介護の必要性に変化が生じないと考えられる場合には、「要支援2」と判定される可能性が高いです。6か月程度以内に心身の状態に変化がみられるかどうかについては、認定調査員が総合的な情報により判断することも覚えておきましょう。
違い3:受けられるサービス
「要介護1」と「要支援2」では、受けられるサービスにも差があります。「要介護1」に認定された場合には、ケアマネジャーの作成するケアプランに基づき、上限単位内でさまざまな介護サービスを受けられます。代表例は次のとおりです。
● 居宅サービス(訪問介護・訪問リハビリテーション・訪問看護など)
● 地域密着型介護サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護など)
一方、「要支援」に認定された場合に受けられるサービスは、「介護サービス」ではなく「介護予防サービス」や「地域密着型介護予防サービス」です。たとえばヘルパーさんに料理や掃除を手伝いに自宅へ訪問してもらったり、デイサービスに通ってリハビリしたりするなど、要介護状態にならないために必要なサービスを受けられるようになります。(たとえば要介護1の場合に受けられるデイサービスの回数は週に2~3回程度です)
判定基準は、要介護1と要支援2は同じ
「要介護1」と「要支援2」はどちらも要介護認定等基準時間が32分以上50分未満と同じであるため、似ていると思う方も多いかもしれません。しかし先述したとおり、認知機能や6か月程度以内に心身の状態に変化がみられるかどうかには大きく差があり、受けられるサービス区分もまったく異なります。
要介護認定等基準時間は同じであるものの、「要介護1」と「要支援2」のどちらに認定されるかは、具体的な症状によって変わることを覚えておきましょう。
要介護2との違い
「要介護1」と「要介護2」の違いとしては、次の2つが挙げられます。
● 日常の全般的な手助けが必要か
● 受けられるサービス
それぞれの違いについて、詳しく解説します。
違い1:日常の全般的な手助けが必要か
「要介護1」に認定されている方は、生活の中で一部介護が必要になるものの、日常生活全般は自立して過ごすことができます。入浴・排泄などでサポートを必要とし、認知機能にも低下が見られるため家事・掃除などの補助も必要ですが、自分でできることも少なくありません。
一方「要介護2」に認定されている方は、日常生活全般で介護が必要です。自分だけで立ったり歩いたりすることが難しく、着替えなどにもサポートを要します。また、食事をしたこと自体を忘れてしまうなど、認知症の初期症状が見られることも珍しくはありません。
違い2:受けられるサービス
「要介護1」と「要介護2」で受けられるサービス区分そのものに大きな違いはありません。しかし要介護区分ごとに定められた区分支給限度額が異なるため、受けられるサービス量に差があります。
要介護度 | 区分支給限度額 | 自己負担額(1割) |
要介護1 | 16,765単位(167,650円) | 16,765円 |
要介護2 | 19,705単位(197,050円) | 19,705円 |
「要介護1」の方が1日1回程度の介護サービスを利用できるのに対し、「要介護2」の方は1日1〜2回程度利用できることは知っておきましょう。

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要介護1で利用できる介護サービス
要介護1で利用できる介護保険サービスは、以下の通りです。
サービスの種類 | 利用できるサービス |
訪問型サービス | 訪問介護(夜間対応型含む) 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 居宅療養管理指導 |
通所型サービス | 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 地域密着型通所介護(デイサービス) 認知症対応型通所介護(認知症デイ) 療養通所介護 |
短期入所型サービス | 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(療養型ショートステイ) |
公的施設サービス | 介護老人保健施設 軽費老人ホーム 養護老人ホーム 介護療養型医療院 介護療養院 |
民間施設サービス | 有料老人ホーム サービス付き高齢者住宅 認知症対応型共同生活介護 |
複合型サービス | 小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護 |
その他 | 福祉用具貸与 特定福祉用具販売 住宅改修 |
【訪問型サービス】
訪問型サービスでよく利用されるのは、訪問介護(ホームヘルパー)です。日常生活で必要な家事(掃除、洗濯、調理、買い物など)の支援や、入浴、排泄など身体的な支援を受けることが出来ます。
【通所型サービス】
通所型サービスでは、通所介護(デイサービス)や通所リハビリ(デイケア)を利用する方が多い傾向です。回数としては、週3~4回の利用が多いです。デイサービスでは日常生活の支援やアクティビティをメインに、デイケアではリハビリをメインに提供しています。
最近では短時間(2~3時間)の利用ができる事業所もあります。長い時間利用したい・お風呂や食事、レクリエーションに参加したい人はデイサービス、短時間でリハビリに集中したいなど利用目的によって選択可能です。
【短期入所型サービス】
短期入所型サービス(ショートステイ)は、宿泊を目的としたサービスで最大30日まで連続して利用可能です。要介護1の区分支給限度額の範囲で利用すると、15日前後利用できます。
※宿泊する事業所のサービスによって必要な単位数が異なるため、詳しくは担当のケアマネジャーに確認すると良いでしょう。
主な利用目的は以下の通りです。
● 介護している者が体調不良
● 介護している者が不在
● 介護している者が精神的・肉体的に疲労を感じている
● 一人暮らしで時折孤独を感じる
● 本人の状態が悪化したため家族での介護が難しくなった
● 突然の施設入所だと抵抗があるのでイメージをつかむために利用
このように、様々な理由でショートステイは利用されています。
【公的施設サービス】
病気やケガで入院した後、在宅復帰するためにリハビリを受けられる介護老人保健施設(老健)や継続して医療的ケアが必要な場合に利用する介護医療院などがあります。
【民間施設サービス】
民間の施設サービスでは、要介護度の認定が不要な施設もありますが、必要な場合、要介護1以上としていることがほとんどです。例えば、居住を移して利用する有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などがあり、利用条件に関しては、希望する介護施設に確認すると良いでしょう。
【複合型施設】
複合型施設は、小規模多機能型居宅介護と看護小規模多機能型居宅介護があります。
小規模多機能型居宅介護とは、通い(デイサービス)・訪問(訪問介護)・泊まり(ショートステイ)の3つのサービスを組み合わせて利用できるサービスです。看護小規模多機能型居宅介護は、上記3つのサービスに加えて、訪問看護サービスを提供しています。
1つの事業所で3つのサービスを提供するため、契約は1度だけです。
【その他】
その他、要介護1で利用できるサービスや制度を紹介します。
福祉用具貸与
要介護1の場合、手すり・歩行器・歩行補助杖・スロープ・自動排泄処理装置(排尿に限る)の5つがレンタル可能です。車椅子や特殊寝台(介護用ベッド)はレンタル対象外になります。しかし、医師が必要性を認めた場合や適切なケアマネジメントにより必要性が認められた場合に限り、例外的にレンタルが認められるケースもあります。
特定福祉用具販売
特定福祉用具販売は、1年間(4月から翌年3月まで)で購入金額10万円を上限に介護保険を利用できるサービスです。特定福祉用具販売は以下の5種類になります。
● 腰掛便座
● 自動排泄処理装置の交換可能部品
● 入浴補助用具(入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内いす・入浴台・浴室内すのこ・浴槽内すのこ・入浴用介助ベルト)
● 簡易浴槽
● 移動用リフトのつり具部分
これらは、介護保険を利用して購入金額の1〜3割の費用で購入できます。
※購入した代金を全額支払ったのちに、申請を行うことで保険費用分の返金を受けることができます。(償還払い)
住宅改修
在宅生活を継続するために、不便な箇所に対して住宅改修を行うことができます。住宅改修の内容は以下の通りです。
● 手すりの取り付け
● 段差の解消
● 滑り防止や移動を円滑にするため床や通路面の材料変更
● 扉を引戸へ取替
● 洋式便器へ取替や位置・向きの変更
● 上記の各工事に付帯して必要と認められる工事
これらの住宅改修費の支給上限は20万円です。利用は一人1回が基本ですが、20万円までであれば、複数回に分けることができます。また、介護度が3段階以上上がった場合や引っ越しした際には、再度、20万円まで利用可能です。
介護保険を利用するため、支払いは負担割合によって1〜3割で利用できます。また、償還払いと受領委任払のどちらかを選んで利用できます。
要介護1の区分支給限度額
要介護度により、介護保険から給付される1ヶ月あたりの上限額(区分支給限度額)が決まっています。要介護1の区分支給限度額は、16,765単位です。つまり、1ヶ月間で16,765単位分の介護保険サービスを受けられることを意味します。
介護度別の区分支給限度額は以下の通りです。
介護区分 | 区分支給限度額 |
要支援1 | 5,032単位 |
要支援2 | 10,531単位 |
要介護1 | 16,765単位 |
要介護2 | 19,705単位 |
要介護3 | 27,048単位 |
要介護4 | 30,938単位 |
要介護5 | 36,217単位 |
要介護1の区分支給限度額を金額に換算すると以下の通りです。
要介護区分 | 介護負担割合 | 自己負担額 |
要介護1 | 1割負担 | 16,765円 |
2割負担 | 33,530円 | |
3割負担 | 50,295円 |
区分支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超過分が全額自己負担となるため注意が必要です。
要介護1で必要な介護サービス費用の目安

要介護1で必要な介護費用はどのくらいかかるかを解説します。ポイントは、在宅介護と施設介護では、同じ介護度でも必要となる費用は大きく変わるところです。それぞれの目安を紹介します。
【在宅介護費用の目安】
要介護1の在宅介護費用は、大きく分けると「介護サービス費」と「介護サービス費以外」に分けることができます。
種類 | 内訳 |
介護サービス費 | 訪問介護やデイサービスなどの介護サービスを利用した費用 |
介護サービス費以外 | 医療費 介護に関する用品購入費(おむつ・パットなど) 介護タクシー利用費 など |
平成30年度生命保険に関する全国実態調査では、要介護1の方を在宅介護した場合、1ヶ月に介護費用として45,000円が必要と公表されています。介護費用以外にも、居住費・食費・光熱費・消耗品費などが必要です。
参照:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(P165図表Ⅱ-64介護費用)
また、在宅介護を始める際、環境を整えるため住宅改修や介護用ベッド・車椅子などの必要な介護用品を準備する費用がかかります。要介護1ではその費用の平均が約51万円という調査結果があります。
参照:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」(P164 (e)介護費用)
【施設利用時の費用目安】
介護施設には様々な種類がありますが、今回は要介護1の人が利用できる公的施設の「介護老人保健施設」と民間企業が運営している「介護付き有料老人ホーム」について紹介します。
介護老人保健施設の場合
在宅復帰を目的にリハビリを行いながら、一定期間入所できる施設です。費用面は、民間施設よりも安価に利用できます。また、非課税世帯で一定の要件を満たしていれば、介護負担限度額認定を受けることができるため、さらに安価に利用できます。費用の目安は以下の通りです。
| 多床室 | 従来型個室 | ユニット型個室 |
介護サービス費 | 23,640円 | 21,420円 | 23,880円 |
居住費 | 11,310円 | 50,040円 | 60,180円 |
食費 | 43,350円 | ||
合計 | 78,300円 | 114,810円 | 127,410円 |
※1ヶ月30日で計算、自己負担割合1割の場合
※老健タイプ:基本型、「地域加算」を含む各種加算は含めないもの
また、上記以外にも、医療費(他科受診分)・日常生活費(洗濯代・理美容代など)が必要となります。公的施設には初期費用(入居一時金など)は一切かかりません。また、おむつや尿とりパットなども施設負担です。
介護付き有料老人ホームの場合
同じ介護付き有料老人ホームでも、施設によって費用が大きく異なります。初期費用として0〜数千万円以上かかる施設もあるため、事前に確認が必要です。
介護付き有料老人ホームでは、介護保険を利用した介護サービスを受けることができます。ひと月に必要な介護費用の目安は以下の通りです。
費用項目 | 詳細 |
家賃 | 利用する居室や共用部分の利用料金 ※周辺の地価や居室のグレードによって異なる。 |
管理費 | 一般的に光熱費・水道代・設備管理費など ※施設によって金額や内容が異なる。 |
介護サービス費 | 16,140円(要介護1・自己負担割合1割の場合) |
食費 | 提供される食事を利用した場合 |
日用品費 | おむつや個人で使う洗面用具・洗剤・ティッシュペーパーなど |
医療費 | 訪問診療・訪問歯科・病気などで受診した際の医療費・内服薬など |
施設によって費用は様々ですが、ひと月に15〜30万円程度必要な施設が多い傾向です。民間施設の場合、立地条件や提供されるサービスによって設定されている料金が大きく異なるため、事前に確認し毎月の支払いが継続できるか検討する必要があります。

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要介護1で利用できる介護施設
介護度の低い要介護1の状態で施設利用を検討する場合は、費用を抑えつつ自由度の高い施設や、住宅型の施設がおすすめです。
1.サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、60歳以上の自立した高齢者を対象としており、施設内は個室・バリアフリーで過ごしやすい環境が整っています。賃貸型の住宅で比較的安価に利用でき、基本的には自由に生活できます。
安否確認や生活相談などが義務付けられているため、万が一体調が急変しても安心です。生活支援や食事の提供などは、施設によっては対応していない場合があるため注意しましょう。介護サービスが必要な際には、外部の事業所と契約して利用できます。

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2.住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立〜介護度の低い方を対象とした施設です。食事の提供・生活支援・健康管理・見守り・生活相談のサービスを提供しています。入居一時金や保証金が必要となる施設もあるため、事前に確認が必要です。介護サービスが必要な際には、外部の事業所と契約して利用できます。
どちらも民間の施設のため、費用設定は様々です。見学や相談を通して十分に検討することをおすすめします。

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3.介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、自立した人から介護の必要性が高い人まで、高齢者を幅広く受け入れている施設です。洗濯・掃除などの生活支援サービスはもちろん、排泄・入浴・食事などの身体介護サービスも施設として提供しています。介護スタッフが24時間常駐しているため、介護度が高い方でも安心して暮らせることが特徴です。
サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームの場合、要介護1と認定されている方も入居できますが、将来的に介護の必要性が高くなると退去・転居を求められる可能性もゼロではありません。しかし介護付き有料老人ホームなら、たとえ介護レベルが上がったとしても、同じ施設で暮らし続けられます。看取りケア(終末期介護)を提供している施設もあるため、終の住処を探している場合には、ぜひ介護付き有料老人ホームを選んでみてください。

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4.グループホーム
グループホームとは、認知症の高齢者を対象とした少人数制ユニット型施設のことです。原則65歳以上で、要支援2・要介護1以上と認定されており、なおかつ認知症と診断を受けている高齢者が入居対象とされています。
認知症の方が5〜9人のユニットを組んで生活することが、グループホームならではの特徴です。専門職員も常駐していますが、日常生活で必要なことは入居者同士が役割分担して暮らしています。自分でできることは自分で行い、他人と協力しながら暮らすことで、認知症の進行を緩やかにする効果が期待できることがポイントです。認知症の診断を受け要介護1と認定されているものの、自分でできることもある場合には、心身の状態を維持するためにもグループホームへの入居を検討してみてください。

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要介護1に関するよくある質問
それでは最後に、「要介護1」に関するよくある質問について紹介します。
● 要介護1で一人暮らしはできる?
● 要介護1認定を受けたら必ずサービスを利用する必要がある?
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
要介護1で一人暮らしはできる?
要介護1は、要介護区分の中でも比較的軽度な状態で、基本的に身の回りのことを自身で行うことができるため、部分的なサポートで十分一人暮らしが可能と考えられます。
部分的なサポートとは、例えば家族の支援や訪問系サービスの利用です。定期的に見守りできる環境があれば、急な体調変化にもすぐに対応できるでしょう。在宅で一人暮らしをする場合は、担当のケアマネジャーと相談の上、必要なサービスを検討して安心できる環境を整えていきます。
できること・できないことを明確にして、何に困っているのかをケアマネジャーに伝えましょう。そのうえで、介護保険制度や社会資源を活用しながら一人暮らしの準備を進めます。
要介護1認定を受けたら必ずサービスを利用する必要がある?
要介護1と認定されたからといって、必ず介護サービスを利用しなければならないわけではありません。要介護認定はあくまでも「サービスを利用する資格」を得るものであるため、本人・家族の判断により、サービスを受けるかどうか自由に決められます。自分でできることは自分でしたいという場合には、無理にサービスを受ける必要はありません。
ただし要介護1に認定されたということは、客観的には介護が必要と判断されていることを意味します。そのため、必要になったときにすぐ介護サービスを受けられるよう、あらかじめケアマネジャーと相談しておくと安心でしょう。本人や家族の負担が増えすぎないよう、無理をせず適切にサービスを受けることが重要です。
まとめ
今回は、要介護1の状態や利用できるサービス、介護サービスにかかる費用などについて解説しました。
要介護1は、要介護度の中では比較的軽度な状態で、日常生活全般において自立している方も多く、在宅生活の継続は十分に可能と言えるでしょう。しかし、身体が動く分、転倒のリスクが高い、あるいは認知症の症状によっては外出から自宅に帰って来られなくなることもあります。そのため、将来に備えて介護施設の検討を始める人もいます。
在宅生活を送るにあたっては、本人のできることや心身の状態、性格に合わせて必要な介護サービスを選択していくことが大切です。また、費用面や生活の希望、受けたいサービスについてもしっかりと話し合い、本人にとって安心して過ごすことができる生活環境を目指すと良いでしょう。
今回の記事内容が、最適な介護サービスを選択する手助けになれば幸いです。
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介護福祉士として10年以上現場経験があり、現在は介護老人保険施設の相談員として従事。介護資格取得スクールの講師やWEBライターとしても活動中。家族の声を元にした介護ブログを通じ、2019年3月、NHKの介護番組に出演経験もある。