食事形態が充実している施設特集

食事形態が充実している施設特集

高齢者の食事で注意すること

嚥下機能の低下で考えられるリスク

「食べること」は私たちが生活するうえで、非常に大切で、大きな楽しみの1つだと言われています。
しかし高齢になると、筋力や認知機能が低下したり、歯の調子が悪くなることから、咀嚼力(噛む力)と嚥下(食べ物を飲み込み、胃に送り込む)機能が弱くなります。

嚥下機能の低下が続くことで、以下のようなリスクがあります。

  • 食べる意欲や体力の低下
  • 経口摂取(口からの食事)ができなくなる
  • 栄養不足
  • 脱水症状
  • 誤嚥性肺炎
  • 窒息
このようなリスクを最小限に抑える方法の一つとして、介護食(嚥下機能の状態にあわせた様々な食事形態)があります。

介護食とは、通常の食事よりも食べやすく飲み込みやすい食事で、嚥下機能が低下している状態であっても、十分な栄養を補える工夫をされた食事のことを言います。

その他に、食べる時の姿勢や食事前の嚥下リハビリを行うことで、低下した嚥下機能を維持し、いつまでも食べることの楽しさを感じながら、生活することができます。

施設で提供される食事形態

噛み、飲み込む力に合わせた施設の対応

施設で提供される食事形態は、主に5種類あります。

普通食(常食)

私たちが普段食べる食事。

刻み食

普通食を食べやすい大きさに刻んだ食事。
噛み砕く力が弱かったり、義歯が合わない、または歯が少ない方に向いています。

軟菜(なんさい)食

普通食と同じ食材を、長時間煮たり茹でて柔らかくした食事。
噛む力は弱いが、歯茎でつぶせる方に向いています。

ソフト食(ムース食)

普通食をペースト状にし、舌や歯茎でつぶせるくらい柔らかく加工した食事。
噛む力と飲み込む力が弱い方に向いています。

ミキサー食

一度調理したものを、ミキサーにかけた食事。
口腔内ですりつぶす力がほとんどなく、飲み込みも難しい方に向いています。

施設では、このような食事形態を入居者一人ひとりの嚥下機能、咀嚼力(噛む力)に合わせて選んでいます。

食事形態は、入居者の状態に合わせて適宜変更することがあります。
変更する場合は、施設と提携している訪問歯科や、言語聴覚士(ST)による、飲み込みの診断を経て、どの食事形態が良いか、介護職員や看護職員をはじめ、多職種で検討されます。
ご本人ご家族の希望も踏まえて、最終決定となります。

また、施設によっては、糖尿病や腎臓病、高血圧症などに合わせた代替え食を提供しています。(運営会社ごとに、名称が異なります。)
例えば、減塩食、糖尿病食、アレルギー食などです。施設により、細かな塩分制限やカロリー制限に対応できない場合がありますが、通常提供する量を半量で提供したり、副菜の数を調整することで、柔軟に対応しています。
施設検討時点で普通食を召し上がっている方であっても、入居後に対応可能な食事形態を知っておくことで、安心して施設探しを進めることができます。

見学時のポイント

施設でどのような食事形態に対応しているか、別途費用は必要かどうか確認しましょう。
介護食への取り組みは施設ごとに異なるため、実際に試食することをお勧めしています。試食が難しい場合は、食事の写真を見せてもらい、どのような食事形態・代替え食が可能なのか、見た目や彩りなども確認しましょう。

誤嚥のリスクを最小限に抑えることはもちろんですが、入居者が毎日の食事を美味しく、楽しんで召し上がれるような工夫や取り組みがあるか質問されることで、施設の食事への考えや姿勢も知ることが出来ます。

その他に、食事の環境(食べるときの姿勢や嚥下リハビリ、介護職員の食事介助の仕方)についても確認されることをお勧めします。

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