老人ホームの入居条件は?年齢・介護度・認知症の有無、医療依存度など
老人ホームは高齢者であれば誰でも入居できるわけではありません。この記事では老人ホームへの入居条件のうち、とくに知っておきたい6つのポイントについて解説します。入居者にとって最適な施設を選ぶためにも、ぜひ最後までご覧ください。

老人ホームの入居条件ポイント6つ
多くの老人ホーム・介護施設では、「原則要介護3以上」「認知症の方入居可能」のように、様々な入居条件が設けられています。入居条件をポイントごとに分けて、詳しく解説します。
1.要支援・要介護度

要介護認定とは、介護や支援が必要な度合いを「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の8段階で数値化したものです。要介護認定を受けると、介護保険制度が適用されます。要支援・要介護度ごとに、利用できる介護サービスの種類や回数・介護サービスの利用における支給限度額などが異なります。
自立
日常生活における基本的動作を自分で行うことが可能であり、介護サービスや生活支援などのサポートが必要のない身体状況です。
要支援1~2
介護は必要ないが、日常生活を送るうえで何らかの支援を必要とする身体状況です。認定されると、生活支援サービスや介護予防サービスが受けられるようになります。
要介護1~5
日常生活における基本動作を自分で行うことが難しく、介護を必要とする身体状況のことです。認定されると、介護サービスが受けられるようになります。
介護付き有料老人ホームが原則「要介護1以上」を入居条件としているように、介護施設の中には、要介護認定を受けている人を入居対象としているところもあります。
以下に、老人ホーム・介護施設別に対象となる要支援・要介護度をまとめて紹介します。
【各施設の介護度別の入居条件】
特別養護老人ホーム | 要介護3以上(原則) |
養護老人ホーム | 自立 |
軽費老人ホーム | 自立~要介護(介護型ケアハウスは要介護1以上) |
介護医療院 | 要介護1以上 |
グループホーム | 要支援2、または要介護1以上 |
介護付き有料老人ホーム | 要介護1以上(原則) |
住宅型有料老人ホーム | 自立~要介護 |
健康型有料老人ホーム | 自立 |
このように、施設の種類によって、入居できる要支援・要介護の基準が異なります。施設を選ぶ際は、まずは要介護認定を受けることが大切です。
要介護認定の受け方
要介護認定は、以下のような手順で受けましょう。
1.お住まいの市区町村・地域包括支援センターの窓口で申請する
2.認定調査を受ける
3.結果の通知が届く
市区町村が要介護認定を行うため、まずは市区町村や地域包括支援センターの窓口に申請書を提出します。申請の際は、介護保険被保険者証(65歳以下の場合は健康保険被保険者証)と、かかりつけ医による主治医意見書が必要です。申請はご本人、あるいはご家族が行うことが原則です。困難な事情がある場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者・介護保険施設などに申請の代行を依頼することもできます。
認定調査では、市区町村や地域包括支援センターの職員による訪問調査が行われます。様々な事項をご本人・ご家族からヒアリングし、コンピューターが「一次判定」を行います。その後、かかりつけ医による意見書や、訪問調査時の特記事項などをもとに、保険・医療・福祉の有識者による「二次判定」が行われます。
申請から結果の通知までは、1ヶ月を基本としていますが、市区町村によっては1〜2ヶ月かかる場合もあるため、余裕をもって申請しましょう。
2.入居時の年齢

介護サービスの提供が前提の施設の場合、介護保険法に従って「原則65歳以上」が入居の対象となります。介護を前提としない住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームでは、「60歳もしくは65歳以上」と定めていることが多いです。しかし、40歳以上65歳未満であっても、特定疾病により介護が必要であると認定された場合、入居が認められるケースもあります。
特例規定もありますが、基本的には以下のように整理すると良いでしょう。
● 介護サービスの提供が前提の施設:原則65歳以上
● 介護サービスの提供を前提としない施設(住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅など):60歳以上
老人ホーム入居の平均年齢は?
多くの施設で60歳もしくは65歳以上が入居条件とされていますが、健康寿命の伸びた現代社会において、65歳を過ぎても元気な方は少なくありません。そのため実際に老人ホームへ入居するのは、80〜85歳程度の方が多いです。たとえば80歳前後になり、自立して生活を送れるものの、万が一の場合に備えて誰かに見守ってもらいたい場合には、「住宅型有料老人ホーム」への入居を検討してみてください。
また、85歳近くなると、介護の必要性も出てくるでしょう。もし介護の必要性が高ければ特養への入居が望ましいですが、入居待ちが発生している施設がほとんどです。そのような場合は、特養へ入るまでの間「介護付き有料老人ホーム」へ入居してもいいでしょう。
60歳未満で入れる老人ホームもある
60歳未満で引退し、早いタイミングで有料老人ホームへ入居するライフプランを考えている方も一定数いるでしょう。そのような方のために、60歳未満で入れる老人ホームも存在します。また、老人ホームではなく、高齢者向けマンション(シニアマンション)への入居を検討している方もいるかもしれません。しかし高齢者向けマンションにも、50歳以上・55歳以上といった年齢制限が設けられています(具体的な年齢は施設ごとに異なります)
いずれにしても各施設ごとに定められた年齢は異なるため、早期に施設へ入りたいと考えている方は、有料老人ホーム・高齢者向けマンションの双方を視野に入れてみてください。
3.医療依存度

施設によって、対応できる疾患や医療行為は異なります。そのため、基礎疾患のある方や、それに伴って何らかの医療行為や医療的ケアが必要な方は、施設で受け入れ可能かどうかがポイントです。
胃ろうや人工透析など、医療行為・医療的ケアが必要な場合は、それに対応可能な医療体制であるかを確認しましょう。医療行為・医療的ケアは、看護師でなければ行えないもの、研修を受けた介護福祉士なら実施できるもの、介護福祉士全員が行えるものなど、実施できる職種が異なります。
例えば、水銀体温計・電子体温計による体温測定や自動血圧測定器による血圧測定、自己導尿を補助するためのカテーテル準備などは介護職員が行えますが、インスリン注射やカテーテルの交換などは看護師が担当します。また、診察や処方箋の交付、人工透析などは医師が行う医療行為です。
特に、夜間にも医療行為が必要な場合は、24時間看護師が常駐している施設を選ぶ必要があります。
受け入れ可能か確認すべき医療行為の例を次項で紹介します。
人工呼吸器
人工呼吸器は、肺への空気の出入りを補助して呼吸を助けるもので、命に関わる重要な器具です。そのため、医師や看護師による適切な管理が必要です。また、人工呼吸器を使用する際は、チューブの交換やたんの吸引・皮膚のケアといった様々な医療行為・医療的ケアも必要です。
人工呼吸器には、自宅で扱える在宅人工呼吸器(HMV)もありますが、こちらも同様に医師や看護師のもとでの適切な管理が推奨されています。
インスリン注射
インスリンは、血糖値を下げる働きをもつホルモンのことです。糖尿病を患うと、インスリンの分泌が不足したり、効きが悪くなります。インスリンを投与して、血糖値を適切な水準に保つサポートをするのがインスリン注射です。
ご本人や、病院で指導を受けたご家族であれば、インスリン注射を行うことができます。しかし、認知症や麻痺など、身体状況によって自身で注射ができない場合は、医師の指示を受けた施設の看護師が行います。インスリン注射は医療行為に該当し、介護職員が行うことは禁止されています。
1日に複数回の注射が必要な場合は、日中・あるいは24時間看護師が常駐している施設を選ぶ必要があります。インスリン注射は食前に行うことが多いため、その時間帯に看護師が勤務しているかも確認しましょう。
また、糖尿病を患っている方にとって、継続してインスリン注射を行うことはもちろん、食事や運動管理も重要です。糖質・カロリー制限食や、運動療法にも対応している施設であれば、安心して生活できます。
たん吸引
たんを自力で吐き出せない方は、喉や気管に溜まったたんを、チューブを使って定期的に吸引する必要があります。吸引しないと肺炎や窒息のリスクとなるからです。たん吸引は医療行為に該当するため、医師や看護師が実施します。しかし、2012年から、研修を修了した介護職員による対応も可能になりました。そのため、医師や看護師・たん吸引に対応可能な職員が在籍しているかどうかを確認しましょう。
人工透析
人工透析とは、腎臓の機能が低下している方に対し、透析器で老廃物や余分な水分の除去を行うことです。人工透析は、老人ホームや介護施設ではなく、病院・クリニックで行います。そのため、人工透析が必要な方は、施設周辺の、人工透析に対応した病院やクリニックに定期的に通う必要があります。
施設によっては、透析クリニックを併設しているところや、透析病院と提携して無料送迎を行っているところがあります。定期的に通う負担を考えて、人工透析への対応が手厚い施設を選ぶことが重要です。
中心静脈栄養(IVH)
中心静脈栄養とは、口から食事ができず消化器の機能が低下している方に対して行う点滴のことです。栄養や水分などを豊富に含んだ高カロリーの点滴を施し、栄養補給をサポートします。中心静脈栄養では、心臓に近い大きな静脈に点滴を施します。点滴のセットは看護師が行いますが、針やカテーテルの交換などは医師が行います。感染症や合併症のリスクがあり、点滴や時間の管理・状態観察など、細心の注意が必要な医療行為です。そのため、中心静脈栄養に対応している施設は多くはありません。また、長時間点滴を受けることは、ご本人にとってストレスのかかる行為です。医療体制はもちろん、精神的負担を和らげるような配慮をしてくれる施設を選ぶと安心です。
4.認知症の有無

認知症と診断されている方への対応は、施設によって異なります。認知症を理由に入居を断る施設も存在しますが、自立して生活できる場合には受け入れ可能とする住宅型有料老人ホームも少なくありません。また、介護付き有料老人ホームの場合、多くの施設で認知症患者の受け入れにも対応しています。認知症患者の入居先を探している場合は、まず受入可否を条件に検索してみるといいでしょう。
なお、老人ホームに入居後に認知症になったとしても、ただちに退去しなければならないわけではありません。たとえば少しサポートしてもらえれば自立して生活できる程度の症状なら、認知症になったとしても住宅型有料老人ホームで暮らし続けることも可能です。
ただし、自立して生活できない程に認知症が進行してしまった場合には、住宅型有料老人ホームを退去する必要があります。この場合は認知症患者を受け入れている介護付き有料老人ホームや、認知症の高齢者支援を専門とするグループホームへの転居を考えてみてください。
5.収入や資産

老人ホームや介護施設では、必要な費用の支払い能力があるか、入居前に収入の確認が行われます。資産を含めた収入や、年金収入額を参考にし、審査が行われることが多いです。老人ホームや介護施設にかかる費用相場は以下のとおりです。
①施設の種類別
| 種類 | 費用相場 | |
入居金 | 月額利用料 | ||
公的 | 特別養護老人ホーム (特養) | 0円 | 4.9~15万円 |
介護老人保健施設 (老健) | 0円 | 6.7~16.2万円 | |
介護医療院 | 0円 | 6.8~17万円 | |
軽費老人ホーム (ケアハウス) | 0~30万円 | 9.3~22万円 | |
民間 | 介護付き有料老人ホーム | 0~630万円 | 15~35.1万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0~46万円 | 13.4~31.5万円 | |
健康型有料老人ホーム | 0~1億円 | 10~40万円 | |
サービス付き高齢者向け住宅 (サ高住) | 0~22.1万円 | 11.3~23.9万円 | |
グループホーム | 0~15.4万円 | 12.4~19.7万円 | |
シニア向け分譲マンション | 2,300~4,350万円 | 10~29.2万円 |
②関東圏
関東圏 | 費用相場 | |
入居金 | 月額利用料 | |
東京都 | 404.5万円 | 24.9万円 |
千葉県 | 90.3万円 | 17.3万円 |
埼玉県 | 71.5万円 | 16.3万円 |
神奈川県 | 180.8万円 | 19.6万円 |
群馬県 | 15万円 | 12.2万円 |
茨城県 | 40.5万円 | 12万円 |
栃木県 | 24.2万円 | 13.7万円 |
このように、施設の入居には決して安いとは言えない費用がかかります。そのため、施設への入居を検討している方は、手持ちの資産と今後の収入を把握し、希望する施設の入居時費用と月額利用料をもとに資金計画を立てることが大切です。
また、生活保護を受けているから必ず入居できない、ということはありません。負担減額制度を利用できる場合もあるため、事前に確認しましょう。例えば、介護付き有料老人ホームの場合、自己負担額を減額できる制度が2つあります。
自己負担額を減額できる制度
● 高額介護サービス費制度
介護保険の自己負担額が上限限度額を超えた際、超過分が「高額介護サービス費」として返還される制度のことです。上限限度額は所得などに応じて設定されます。
● 高額医療・高額介護合算制度
年間で支払った医療保険と介護保険の合計額が自己負担限度額を上回った場合に、超過分が払い戻される制度のことです。限度額は年額56万円を基本とし、所得などに応じて設定されます。
生活保護を受けていても入居できるのか
たとえ生活保護を受けているとしても、老人ホームに入居することは可能です。公的施設である「特別養護老人ホーム」に入居することはもちろん、民間が運営する「有料老人ホーム」にも生活保護受給者を対象にした料金プランを用意している施設があるため、一度スマートシニアで検索してみてください。
ただし、有料老人ホームに支払う費用は、生活保護受給額の中で賄わなければなりません。そして有料老人ホームの費用の中には家賃相当分も含まれますが、生活保護で「住宅扶助」として支払われる額は地域ごとに上限が決められています。生活保護を受けながら有料老人ホームへ入居する場合には費用面の条件を満たした施設を探す必要があるため、一度ケースワーカーや自治体担当者に相談してみてください。
6.保証人・身元引受人の有無

多くの老人ホームが、契約時に身元保証人を必要としています。身元保証人は、以下のような役割を担います。
● 経済的問題が発生した際に保証する
● 病気やケガの際に、本人の代わりに治療方針の判断・手続きを行う
● 緊急時や定期的な連絡の窓口になる
● 入居者が亡くなった際のの退去手続きを行う
保証人は重要な役割を担うため、誰でもなれるわけではありません。特に、金銭面での保証を担うため、保証人契約時に収入や資産を証明する書類の提出が求められることが多いです。また、施設によっては、保証人を原則親族と定めているところや、高齢でないことを条件にしているところもあります。
多くの場合、入居者ご本人の配偶者やお子さんが保証人になります。しかし、条件を満たしていることを前提に、友人・知人が保証人になることも可能です。保証人の条件は施設によって異なるため、事前に確認しましょう。
保証人が立てられない場合
様々な事情で保証人をつけられない方もいらっしゃいます。しかし、保証人が立てられないからといって、老人ホームに入居できないわけではありません。保証人が立てられない場合の対策として、以下の3つが挙げられます。
● 保証人不要の老人ホームを探す
● 成年後見人制度を利用できる老人ホームを探す
● 保証会社を利用する
老人ホームの中には、保証人を必要としない施設もあります。施設選びの選択肢は限られてしまいますが、保証人不要の老人ホームを探すのも1つの方法です。また、「高齢者家賃債務保証制度」を利用できる施設の場合、保証人を立てなくても入居できる場合があります。高齢者家賃債務保証制度とは、高齢者住宅財団が連帯保証人の役割を担う制度のことで、高齢者住宅財団と基本約定を締結している施設であれば、制度を利用できます。
老人ホームによっては、保証人がいなくても成年後見人がいることで入居できるところもあります。そのため、保証人が立てられない場合は、成年後見人を選任したうえで成年後見制度が利用できる施設を探すのがおすすめです。成年後見制度については、地域包括支援センターや各自治体の相談窓口に問い合わせてみてください。
そのほか、保証会社を利用する方法もあります。保証会社は、民間企業やNPO法人が運営しており、弁護士や司法書士などと提携して身元保証や連帯保証などのサービスを行う会社のことです。保証会社の利用にかかる費用は、会社や利用サービスによって異なり、生涯で負担する費用総額は100万円前後になることが多いです。しかし、プランによって数百万円に達することもあるため、利用する際は注意が必要です。
老人ホームの施設別、入居基準一覧
それでは老人ホームの種類別に、入居基準を一覧表で見てみましょう。
種類 | 入居基準 |
有料老人ホーム | 施設により異なる
住宅型:60歳または65歳以上で、自立しているか要介護度が低い人
介護付き:65歳以上で自立している方から要介護5までの人
健康型:60歳以上の自立している高齢者 |
特別養護老人ホーム | 要介護3~要介護5に認定され、日常的に介護が必要となる65歳以上の人(原則) |
介護老人保健施設 | 要介護1~要介護5に認定され、リハビリテーションによる機能回復を目的とする65歳以上の人(原則) |
介護療養型医療施設 | 要介護1~要介護5に認定され、長期の療養が必要な65歳以上の人(原則) (2023年度末に廃止) |
介護医療院 | 要介護1~要介護5に認定され、長期の療養が必要な65歳以上の人(原則) |
認知症高齢者グループホーム | 認知症の診断を受け、要支援2または要介護1以上に認定されている、ホームのある市町村に住民登録をしている人 |
入居者の状況に応じ、適している施設は異なります。どの施設に入居すべきか分からない方は、一度スマートシニアへご相談ください。
老人ホームの入居の際にやるべきこと
ここまで紹介した各種条件をふまえると、老人ホームへ入居する際にやるべきこととしては次の3つが挙げられます。
● 身体状況の確認
● 入居後の生活のイメージ
● 費用の用意・資産計算
それぞれ詳しく見ていきましょう。
身体状況の確認
まずは入居者の身体状況を確認しましょう。基本的にすべての老人ホームはバリアフリーで設計されています。しかし、必ずしも介護に対応しているとは限りません。たとえば住宅型有料老人ホームは自立した方の入居を前提としているため、一人で入浴するための設備しかない可能性があります。
入浴・トイレなどで介護が必要な場合は、介護付き有料老人ホームや特養など、介護を前提とした施設に入居しなければなりません。身体状況によって入居すべき施設が異なることは覚えておきましょう。
入居後の生活のイメージ
施設に入居後の生活をイメージすることも重要です。たとえば、老人ホームといえばレクリエーション・イベントが開催されると思っている方もいるでしょう。しかし、このような入居者同士の交流は、必ずしもすべての施設で開催されるとは限りません。もし入居後も他者と積極的に交流したいと考えている場合には、イベント開催が盛んな施設に入居するのがおすすめです。
また、居室が個室だとしても、必ずしもトイレ・お風呂が備わっているとは限りません。プライベートを確保して生活したい場合には、居室にトイレ・お風呂が完備された施設を選ぶべきです。このように入居後の生活をイメージすることで、選ぶべき施設の姿が明確になります。
費用の用意・資産計算
いずれの施設に入居するとしても、少なからず費用が発生します。そのため入居に備えた費用を用意することはもちろん、老後資産を計算しておくことが重要です。たとえば有料老人ホームに入居する場合、入居一時金を多く支払えば、その後の月額費用負担を軽減できます。一方、まとまった資金が用意できない場合は、入居一時金0円の施設を選ぶことも可能です。資産状況にあわせて、最適な施設を選ぶようにしましょう。
老人ホームの入居条件以外にチェックするポイント
老人ホームを選ぶときは入居条件を確認することも重要ですが、それ以外にもチェックすべきポイントが存在します。主なチェックポイントは次の3点です。
● 入居目的に合わせた施設かを確認
● 面会がしやすい場所にあるか
● 介護度が上がった場合の対応
それぞれ詳しく紹介します。
入居目的に合わせた施設かを確認
入居目的にあった施設サービスが整っているかどうか、施設のホームページなどで確認しましょう。なお、施設によっては実際に提供されているサービスがホームページに反映されていないこともあります。そのため施設に問い合わせて、入居前に施設に見学へ訪れてみるといいでしょう。
面会がしやすい場所にあるか
老人ホームへ入居後も、家族と面会することは可能です。しかし、あまりに家族が住む場所から遠いエリアの施設を選んでしまうと、なかなか面会できないかもしれません。施設を選ぶときは、面会がしやすい場所にあるかどうかも意識してみてください。家族が車を持っていない場合、公共交通機関からのアクセスも重視したほうがいいでしょう。

関連記事
老人ホームの希望条件①立地条件のポイント
介護度が上がった場合の対応
先述したとおり、すべての老人ホームが介護に対応しているわけではありません。たとえば住宅型有料老人ホームは、原則として自立した高齢者を対象としています。介護が必要となった場合は居宅介護サービスを利用して住み続けることも可能ですが、あまりにも介護度が上がった場合は退去しなければなりません。自立した方を対象とした老人ホームへ入居する場合は、介護度が上がった場合の対応についても考えておきましょう。
まとめ
老人ホームの入居条件として、とくに意識すべきポイントは次の6つです。
● 要支援・要介護度
● 入居時の年齢
● 医療依存度
● 認知症の有無
● 収入や資産
● 保証人・身元引受人の有無
これら条件は老人ホームの種別によって異なることはもちろん、それぞれの施設によって変わることもあります。ある程度の条件を絞っていくつか候補先をピックアップしたら、詳細な条件についてそれぞれの施設に問い合わせてみてください。
スマートシニアでは施設種別やエリアはもちろん、費用の上限下限・各種入居条件でソートして老人ホームを検索できます。多岐にわたる施設を掲載しているため、老人ホームを探している方はぜひ一度検索してみてください。
この記事を読んだ方によく読まれています

高級老人ホームの需要とは?どのような人におすすめか解説!
2024.10.05

高級老人ホームの実態は?失敗事例や失敗しないためのポイントを解説
2025.06.21

自立型老人ホームとは?費用や入居するメリット・デメリットを紹介
2025.06.21
有料老人ホームで介護士として約12年勤務した後、社会福祉士を取得。急性期病院の医療ソーシャルワーカーとして、入退院支援に携わる。現在は、スマートシニア入居相談室の主任相談員として、多数のご相談に応じている。