ケアハウスとは?入居条件や費用感、種類(介護型・自立型)を解説!

ケアハウスとは、簡単にいえば家庭での生活が困難な高齢者向けの公的施設のことです。しかし一口にケアハウスといってもいくつか種類が存在し、それぞれ入居条件が異なるため、実情がよく分からないという方もいるのではないでしょうか。


そこでこの記事では、ケアハウスの種類や入居条件、費用感について詳しく紹介します。有料老人ホームやサ高住など他の高齢者向け施設との違いについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ケアハウスとは?入居条件や費用感、種類(介護型・自立型)を解説!

ケアハウスとは?

 ケアハウスとは、家庭での生活が困難な60歳以上の高齢者が、低料金で食事や洗濯などの介護サービスを受けられる施設です。ケアハウスは、基本的に自立した生活を送ることができる高齢者を対象としていますが、必要に応じて介護サービスも提供されます。

 

ケアハウスは軽費老人ホームC型とも呼ばれる

実はケアハウスは通称で、正式名称は「軽費老人ホームC型」といいます。軽費老人ホームとは、老人福祉法に基づく公的な高齢者向け施設の一種です。自宅での生活が難しい高齢者を保護することが主たる目的で、民間施設よりも安価に利用できるため、経済的に困窮している方でも利用できます。また、軽費老人ホームにはA型・B型・C型の3種類があり、それぞれ次のような違いがあることも知っておきましょう。

比較項目

A型

B型

C型(ケアハウス)

食事提供

あり

なし

あり

介護

なし

なし

一般型:なし

介護型:あり

※A型・B型・C型の一般型においても、外部の居宅サービス事業者から介護を受けることは可能

軽費老人ホームA型・B型はともに、独立した生活に不安がある高齢者を対象としています。一方で軽費老人ホームC型(ケアハウス)は自立した日常生活を営むことについて不安があり、さらに、家族による援助を受けることも難しい方を対象とした施設です。
ただし、今後は軽費老人ホームA型・B型はなくなり、ケアハウスへ統合されていくことが決定しています。そしてケアハウスは、さらに介護の有無によって「一般型」「介護型」に分けられることが特徴です。

ケアハウスの種類

一般型(自立型)ケアハウスと介護型ケアハウスには、それぞれ次のような特徴があります。

比較項目

一般型(自立型)ケアハウス

介護型ケアハウス

対象入居者

比較的自立した生活が可能な高齢者

一人暮らしに不安がある要介護度1以上の高齢者

提供サービス

給食・日常生活に必要なこと

給食・日常生活に必要なこと

介護・機能訓練

通院時の付き添い

看取り

費用

初期費用:0~30万円

月額費用:7万円~

(入居者の収入状況によって変動)

初期費用:数十万〜数百万円

月額費用:16万円~

(入居者の収入状況によって変動)

それぞれの特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。

一般(自立)型ケアハウス

一般型(自立型)ケアハウスは、比較的自立した生活が可能な高齢者を対象とした施設です。このタイプのケアハウスでは、入居者が自分で日常生活を送ることができるように、必要最低限のサポートが提供されます。

一般型ケアハウスの特徴として、入居者が自分のペースで生活できる自由度の高さが挙げられます。自室でのプライバシーが確保されており、共同スペースで他の入居者と交流することも可能です。また、施設内には医療機関やリハビリ施設が併設されていることが多く、健康管理もサポートされています。

介護型ケアハウス

介護型ケアハウスは、日常生活において介護が必要な高齢者を対象とした施設です。一般型ケアハウスと異なり、介護サービスが充実しているため、身体的なサポートが必要な方でも安心して生活を送ることができます。介護型ケアハウスでは、食事の提供や入浴、排泄の介助など、日常生活のあらゆる場面で介護職員がサポートを行います。

また、介護型ケアハウスは、医療機関との連携も強化されており、定期的な健康チェックや緊急時の対応が迅速に行われる体制が整っています。これにより、入居者は安心して生活を続けることができます。

 

 

ケアハウスの入居条件

一般型(自立型)ケアハウスと介護型ケアハウスは、それぞれ入居条件も異なります。

比較項目
一般型(自立型)ケアハウス
介護型ケアハウス
年齢
60歳以上
65歳以上
要介護度
自立~要介護
要介護
所得制限
なし

軽費老人ホームA型・B型は月34万円以上の所得があると入居対象外とされますが、ケアハウスには所得制限がありません。ただし年収が310万1円以上の方は、徴収される「事務費」に優遇がなく、全額自己負担する必要があります。その他の入居条件の違いについても、それぞれ詳しく見ていきましょう。

一般型は「自立」している方が対象

一般型(自立型)ケアハウスは原則として自立している高齢者が対象です。健康状態に問題はないものの、万が一のことを考えると自宅での生活は不安だという方が入居できます。ただし一般型ケアハウスは介護サービスを提供していないため、介護の必要性が高い方は入居できません。
外部の居宅サービス事業者と契約し、訪問介護などを受けながら生活することは可能ですが、基本的には自立して生活する必要があることは覚えておきましょう。

介護型は「要介護1」以上の条件となる

介護型ケアハウスは、65歳以上かつ要介護1以上の高齢者を対象としています。介護保険の給付対象である「特定施設入居者生活介護」を提供しているため、他の介護施設と同じく、少ない自己負担で介護サービスを受けられることが特徴です。看取りに対応しているケアハウスなら、亡くなるまで同じ施設に住み続けられます。

介護や医療体制が必要になると退去になる場合もある

介護型ケアハウスは要介護度が高い方も受け入れている介護施設であるため、入居後に介護レベルが上がったとしても、原則として退去を求められることはありません。しかし認知症が進み、他の入居者への迷惑行為などが発生してしまった場合には、退去を求められる可能性があります。
また、介護型ケアハウスはあくまでも介護施設であり、医療機関ではありません。介護型は看護師の配置義務があるため、一定範囲の医療行為(喀痰吸引や経管栄養など)には対応してもらえますが、さらに高度な医療ケアが必要になった場合には退去を求められます。また、肺炎など病院での長期治療が必要な疾病にかかった場合も退去を求められるケースが多いです。

ケアハウスの費用目安

さて、ケアハウスを利用する場合の費用目安は次のとおりです。

初期費用

月額利用料

一般型:0~30万円(保証金)

介護型:数十万〜数百万円(入居一時金)

9.3~22万円

(所得や介護レベルによる)

それぞれどのような費用なのか、詳しく紹介します。

入居時にかかる費用

一般型ケアハウスへの入居時には「保証金」が、介護型ケアハウスへの入居時には「入居一時金」がかかります。保証金は不動産賃貸契約における敷金に相当するものです。退去時には室内清掃・修繕費などに充当され、残額が返還されます。
一方、入居一時金は前払い費用としての性質を持つものです。施設ごとに定められた償却期間・償却率に基づき、利用料として徐々に充当されていきます。償却期間内に退去する場合は未償却残高が返還されますが、期間後に退去する場合は返還されません。なお、初期費用は必ず請求されるものではありません。まとまった資金を用意することが難しい場合には、初期費用が設定されていないケアハウスを選ぶといいでしょう。

月額利用料

ケアハウスの月額利用料は、施設の種類によって異なります。

一般型ケアハウス

介護型ケアハウス

サービス提供費

生活費

居住費

サービス提供費

生活費

居住費

介護サービス費

このうちサービス提供費については応能負担とされており、入居者の年収によって左右することが特徴です。収入区分は17階層に分けられていますが、いくつか例を見てみましょう。

階層

年収

サービス提供費

1

~150万円

10,000円

7

200万1円~210万円

30,200円

12

250万1円~260万円

57,500円

17

300万1円~

90,100円

なお、生活費(4.5万円程度)・居住費(1.5万円程度)は全階層定額です。すべてを合計すると、もっとも低い年収階層の方なら7万円程度、年収200万円の方でも月額9万円程度で利用できます。民間の有料老人ホームに入居するとなると月額15万円以上かかるケースが多いですが、一般型ケアハウスなら月額10万円以下で利用できる可能性もあることは大きなメリットだといえるでしょう。(ただし居宅サービスを利用する場合、別途外部事業者にサービス費用を支払わなければなりません)
さて、介護型ケアハウスの場合、上記の費用に加えて介護サービス費(特定施設入居者生活介護の費用)がかかります。介護レベルに応じた特定施設入居者生活介護の自己負担額は次のとおりです。

介護レベル

自己負担額(30日あたり)

要介護1

16,260円

要介護2

18,270円

要介護3

20,370円

要介護4

22,320円

要介護5

24,390円

介護サービス費は毎月定額であるため、たとえば年収150万円未満、要介護1の方が介護型ケアハウスに入居する場合、月額8.6万円程度で生活支援も介護サービスも受けることが可能です。

ケアハウスの設備基準


一般型と介護型の2種類に分けられるケアハウスですが、どちらも居室の基準は同様で、1人用の居室は21.6㎡以上(洗⾯所・便所・収納設備など除いた⾯積は14.85㎡以上)、1人用の居室は31.9㎡以上の床面積が必要とされています。また、緊急連絡のためのブザーなどの設置も義務付けられていることも特徴です。
また、浴室も身体が不自由な方でも入りやすいように設計されており、食堂や機能訓練室も完備されているため、身体能力に衰えが見られる高齢者でも安心して生活できるでしょう。

ケアハウスの人員基準

人員配置基準については、一般型ケアハウスと介護型ケアハウスで差があります。

比較項目
一般型ケアハウス
介護型ケアハウス
管理者・施設長
1名
生活相談員
入居者が120人ごとに1名
入居者が100人ごとに1名
介護スタッフ
入居者が30人以下:1名 入居者が31人~80人:2名 入居者が81人以上:2名+適当数
要介護者3人に対して1名
栄養士
1名以上
調理師
必要数
事務員
1名以上
看護師
配置規定なし
要介護者30人まで:1名 要介護者30人以上:50人ごとに1名
機能訓練指導員
配置規定なし
1名以上
ケアマネジャー
配置規定なし
介護支援専門員1名以上

それぞれの役割についても詳しく見ていきましょう。

管理者・施設長

管理者・施設長は、ケアハウスの責任者です。施設運営や人員マネジメントなどの管理業務を担当し、施設に必ず1名は配置するよう定められています。施設管理に支障がない場合、他の職務と兼務することも可能です。なお、役職の呼び方については定めがないため、他の名称で呼ばれていることもあります。

生活相談員

生活相談員は、入居者や家族からケアハウスでの生活にまつわる悩みを聞き取り、適切な対処方法を伝える役割を担っています。社会福祉士・介護福祉士・ケアマネジャーなどの資格を持っているケースが多く、介護にまつわることだけではなく、人間関係や将来の不安などさまざまな悩みを相談できることが特徴です。
家族が相談する場合には、入居者の普段の様子なども教えてくれます。また、相談内容によっては、行政手続きをサポートしてくれることも覚えておきましょう。一般型ケアハウスでは入居者が120人ごとに1名、介護型ケアハウスでは入居者が100人ごとに1名が配置されています。

介護スタッフ

介護スタッフ(介護職員)はその名のとおり、入居者の介護に携わる人員です。一般型ケアハウスは自立した高齢者を対象としているため、入居者が30人以下なら1名、入居者が31人〜80人なら2名、入居者が81人以上なら2名+適当数と、配置数は限られます。

一方で介護型ケアハウスは特定施設入居者生活介護の規定に準拠し、要介護者3人に対して1名の介護スタッフが配置されていることが特徴です。なお、介護職員になるための資格要件は存在しないことも知っておきましょう。

栄養士・調理師

ケアハウスでは食事も提供しているため、栄養士・調理師も配置されています。人員基準は栄養士が1名以上、調理師は必要数です。ただし栄養士については、入居者数が40人以下の場合や、ほかの介護施設などの栄養士と連携しても効果的に運営できる場合には、配置しなくても構わないとされています。また調理師についても、ほかの介護施設の人員と連携する場合や、調理業務をすべて外部委託する場合には配置する必要がありません。

事務員

ケアハウスの事務員の役割は、主に請求業務です。介護型ケアハウスの場合には、介護保険の適用となる介護報酬の計算も必要なため、専門的な知識も求められます。そのため基本的には、一般型ケアハウス・介護型ケアハウスともに1名以上の事務員が配置されているケースが多いです。ただし入居者数が60人以下の場合や、入居者へのサービスに支障がない場合には、配置されないこともあります。

看護師

介護型ケアハウスは、看護師の配置も義務付けられています。入居者数が30人以下の場合は原則として日中1名以上、さらに入居者が50人増えるごとに追加で1名の看護師が必要です。(なお、看護師の配置数は、在籍している介護スタッフの数にも組み込まれます)
看護師がいれば、先述した喀痰吸引や経管栄養など一定の医療ケアを受けることも可能です。手厚くサポートしてもらいたい場合は、最低人員基準よりも看護師が多めに配置されているケアハウスを選ぶといいでしょう。

機能訓練指導員

機能訓練指導員とは、入居者の身体状況に合わせたリハビリプランを作成し、リハビリテーションを実施する役割を担うスタッフです。介護型ケアハウスでは施設ごとに1名以上の配置が義務付けられています。なお、機能訓練指導員として勤務するために必要な資格は次のとおりです。

●   看護師

●   准看護師

●   理学療法士

●   作業療法士

●   言語聴覚士

●   柔道整復師

●   あん摩マッサージ指圧師

●   はり師

●   きゅう師

ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、介護保険の給付対象となるサービスを利用するために必要な「ケアプラン」を作成するスタッフです。介護福祉士・社会福祉士などとして5年以上の実務経験を積んだ後、「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要がある職種で、介護保険のスペシャリストとされています。

入居者100人に対して1名の配置が義務付けられていますが、小規模施設では管理者や介護スタッフがケアマネジャーも兼務しているケースが多いです。

 

 

ケアハウスで受けられるサービス内容


それでは一般型ケアハウスと介護型ケアハウスで受けられるサービスについて、さらに詳しく見ていきましょう。

一般(自立)型

一般型ケアハウスは自立した高齢者を対象としているため、提供されるサービスは給食・日常生活に必要なことに限られます。入居者同士が交流するアクティビティなども開催されるため、孤独感を抱かずに生活できることがポイントです。
なお、記事前半で紹介したとおり、一般型ケアハウスは介護サービスを提供していません。そのため介護が必要な場合は、外部の居宅サービス事業者と入居者が直接契約を結ぶ必要があります。居宅サービス定額制ではなく、利用した分だけ費用を払う必要があるため注意してください。

介護型

介護型ケアハウスでは給食・日常生活に必要なことに加えて、介護や機能訓練、通院時の付き添いなどさまざまなサービスが提供されます。介護サービスは介護保険給付の対象で、なおかつ毎月定額です。追加費用を気にすることなく生活できる点は、介護型ならではのメリットといえるでしょう。また、看取りに対応している施設もあるため、終身利用することも可能です。

ケアハウスのメリット

さて、ケアハウスに入居するメリットとしては、次の4点が挙げられます。

●   他の老人ホームと比べて費用が安い

●   個室のためプライバシーが確保される

●   レクリエーションが豊富

●   介護型であれば退去の必要がない

これらのメリットに魅力を感じる方は、ぜひケアハウスへの入居を検討してみてください。それぞれのメリットについて詳しく紹介します。

他の老人ホームと比べて費用が安い

ケアハウス最大のメリットは、他の老人ホームと比べて費用が安いことです。代表的な高齢者向け施設の費用と比較してみましょう。

種類

入居金

月額利用料

ケアハウス

0~30万円

9.3~22万円

特別養護老人ホーム(特養)

0円

4.9~15万円

介護付き有料老人ホーム

0~630万円

15~35.1万円

住宅型有料老人ホーム

0~46万円

13.4~31.5万円

健康型有料老人ホーム

0~1億円

10~40万円

サービス付き高齢者向け住宅

0~22.1万円

11.3~23.9万円

グループホーム

0~15.4万円

12.4~19.7万円

シニア向け分譲マンション

2,300~4,350万円

10~29.2万円

それぞれの入居金・月額利用料相場を比べると、ケアハウスは特別養護老人ホーム(特養)に次いで安価なことが分かります。なお、特養も公的な介護施設の一種ですが、原則として要介護3以上の高齢者しか入居できません。そのため要介護2以下の高齢者が入居できる施設としては、ケアハウスがもっとも安価だといえるでしょう。

ケアハウスはなぜ安いの?

ケアハウスは安価に利用できることがメリットですが、その分サービス内容が劣っているのではないかと不安に感じている方もいるかもしれません。しかしケアハウスが安価なのは、国や都道府県などから助成を受けており、なおかつ所得に応じた費用軽減制度が整備されているためです。そのためサービス品質が劣ることもなく、安心して利用できます。
民間の有料老人ホームには所得に応じた負担軽減措置などはないため、低所得の方こそケアハウスを利用するといいでしょう。(所得が多い方もケアハウスを利用できますが、相応の負担を求められるため、ケアハウスを利用するメリットが薄まってしまいます)

個室のためプライバシーが確保される

高齢者施設に入居するとなると、他人との共同生活をイメージする方もいるかもしれません。しかしケアハウスでは入居者全員に個室が与えられるため、プライバシーを確保して生活することができます。公的施設である特別養護老人ホームや介護老人保健施設は相部屋(多床型)が多いことを鑑みると、これはケアハウスならではのメリットといえるでしょう。

レクリエーションが豊富

ケアハウスはレクリエーションなどの活動も盛んなため、孤独を感じることもありません。交流スペースでは入居者同士で談話することはもちろん、将棋などを楽しむことも可能です。ただし有料老人ホームのように一日のプログラムなどが決められているわけではないため、比較的自由に暮らせます。自分の気分に合わせて生活を送れることも、ケアハウスならではのメリットの一つです。

介護型であれば退去の必要がない

介護型ケアハウスは要介護度が高い方にも対応しているため、たとえ介護の必要性が高くなったとしても退去する必要はありません。看取りに対応した施設を選べば亡くなるまで同じ施設で暮らすことも可能です。
看取りに対応している高齢者向け施設としては、他に「特別養護老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」が挙げられます。しかし特別養護老人ホームは先述したとおり、要介護3以上にならないと入居できません。介護付き有料老人ホームは要介護度が低い状態でも入居できますが、相応の費用がかかります。要介護度1〜2の段階で入居し、そのまま亡くなるまで安価に暮らせるというポイントは、介護型ケアハウスならではのメリットです。

ケアハウスの注意点

さまざまなメリットのあるケアハウスですが、入居にあたって注意すべき点としては次の2つが挙げられます。

●   入居待ちの可能性がある

●   一般(自立)型の場合は退去の可能性がある

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

入居待ちの可能性がある

ケアハウスはここまで紹介したとおり、非常に多くのメリットがあります。そのため人気が高く、入居待ちが発生している施設も少なくありません。とくに介護型ケアハウスの待機期間は数か月〜1年程度に及ぶこともあります。希望したからといってすぐに入居できるわけではないことは覚えておきましょう。

一般(自立)型の場合は退去の可能性がある

一般型ケアハウスは原則として自立した高齢者を対象としているため、将来的に介護レベルが上がった場合は退去しなければならない可能性もあります。たとえ要介護と認定されたとしても、居宅サービスを受けながら生活することは可能ですが、要介護3以上になると退去を求められる可能性が高いでしょう。
退去を求められた場合、自宅に戻るか、他の介護施設へ転居する必要があります。介護レベルが上がりそうな場合は、あらかじめ退去準備を進めておきましょう。

ケアハウスと他の施設との違い

さて、ここまでもケアハウス以外の高齢者向け施設について言及してきましたが、それぞれ具体的にどのような違いがあるのか、一覧表で比較してみましょう。

比較項目

特徴

主な運営元

入居条件

費用

ケアハウス

家庭での生活は難しい60歳以上の高齢者が対象

費用が安い

地方公共団体や社会福祉法人など

自立型:自立~要支援

介護型:要介護

初期費用:0~30万円

月額費用:9.3~22万円

有料老人ホーム

食事・介護・家事・健康管理サービスなどを提供する高齢者向けの施設

特定施設として介護サービスを提供していることもある

民間企業

(株式会社など)

介護付き:自立~要介護

住宅型:自立~要介護

健康型:自立

介護付きの場合

初期費用:0~630万円

月額費用:15~35.1万円

 

住宅型の場合

初期費用:0~46万円

月額費用:13.4~31.5万円

 

健康型の場合

初期費用:0~1億円

月額費用:10~40万円

グループホーム

認知症の高齢者を対象とした、少人数制ユニット型施設

民間企業

(株式会社、一般社団法人など)

要支援2~要介護

初期費用:0~15.4万円

月額費用:12.4~19.7万円

サービス付き高齢者向け住宅

高齢者向けのバリアフリー賃貸住宅

民間企業(株式会社など)

自立

初期費用:0~22.1万円

月額費用:11.3~23.9万円

それぞれの施設ごとに、ケアハウスと比較した特徴について見ていきましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との違い

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は介護施設ではなく、あくまでも高齢者向けのバリアフリー賃貸住宅です。一般的なアパートなどと同じく、所得に応じた料金軽減などはありません。施設の立地条件や提供サービスにもよりますが、月額費用の相場は11.3〜23.9万円程度と、ケアハウスと比べると高水準といえます。
また、サ高住は原則として自立した高齢者のみを対象としています。一般型ケアハウスと同じく、外部の居宅サービス事業者を活用することは可能ですが、あまりに介護の必要性が高まった場合は退去しなければなりません。

 


グループホームとの違い

ケアハウスとグループホームは、どちらも高齢者向けの施設ですが、その目的や提供されるサービスにはいくつかの違いがあります。

まず、ケアハウスは主に自立した生活が難しくなった高齢者が、低料金で生活支援や介護サービスを受けられる施設です。ケアハウスでは、食事の提供や洗濯、掃除などの日常生活のサポートが行われ、必要に応じて介護サービスも受けられます。基本的には自立した生活を送ることが前提となっており、介護度が比較的低い高齢者が対象です。

一方、グループホームは認知症の高齢者を対象とした施設で、少人数のユニットで家庭的な環境の中で生活します。グループホームでは、認知症の進行を遅らせるためのケアや、日常生活の支援が行われます。スタッフが24時間体制で常駐し、個別のケアプランに基づいて支援を行うため、認知症の症状が進行している高齢者でも安心して生活できる環境が整っています。

 

​ 

有料老人ホームとの違い

ケアハウスと有料老人ホームは、どちらも高齢者向けの施設ですが、その目的や提供されるサービスには大きな違いがあります。まず、ケアハウスは主に自立した生活が可能な高齢者を対象としており、低料金で食事や洗濯などの日常生活のサポートを提供します。ケアハウスは、家庭での生活が困難になった高齢者が安心して暮らせる環境を提供することを目的としています。

 

一方、有料老人ホームは、より広範な介護サービスを提供する施設です。入居者の健康状態や介護の必要性に応じて、24時間体制での介護や医療サポートが行われます。有料老人ホームは、介護が必要な高齢者が安心して生活できるように設計されており、ケアハウスよりも高額な費用がかかることが一般的です。


ケアハウスに入居するまでの流れ


さて、ケアハウスに入居するまでの流れは、おおむね次のとおりです。

  1. 情報収集・施設選び
  2. 資料請求・問い合わせ
  3. 施設見学
  4. 申し込み・書類提出
  5. 面談・入居審査
  6. 入居契約の締結
  7. 引っ越し・入居

それぞれのステップごと、詳しく見ていきましょう。

1.情報収集・施設選び

まずは情報収集をして、候補となる施設を選びましょう。一般型なのか介護型なのか、周辺環境は整っているか、希望するサービスは受けられるかといった条件で、3施設程度ピックアップしてみてください。

2.資料請求・問い合わせ

いくつか候補先を選んだら、資料請求をしたり、パンフレットなどがもらえないか問い合わせたりしてみてください。ケアハウスによっては、ホームページから資料をダウンロードできることもあります。

3.施設見学

パンフレットやホームページを見ているだけでは、実際の施設の雰囲気までは分かりません。そのため候補先の施設へ見学に行くことも検討してみてください。設備や入居者の様子、スタッフの対応状況などをチェックすれば、安心して生活できる施設なのかどうかが分かります。施設によっては1週間程度の体験入居を実施しているため、ぜひ利用してみてください。

4.申し込み・書類提出

入居先を決めたら、必要書類を用意して申し込みましょう。申し込み書は各施設ごとに用意されているため、ホームページからダウンロードしたり、見学時に施設でもらったりしてください。

5.面談・入居審査

入居申し込み後、ケアハウスの担当者と面談し、入居審査が行われます。この時に必要な主な書類は次のとおりです。

●   健康診断書

●   住民票

●   身元保証書

面談では本人の健康状態や生活状況などだけでなく、本当に本人に入居意思があるのかどうかもチェックされます。家族の意思で強制的に入所させることはできないため注意してください。

6.入居契約の締結

審査内容に問題がなければ、契約を締結します。なお、ケアハウスは入居者の所得によって費用が変動するため、前年の収入状況が分かる書類を用意しなければなりません。主な必要書類は次のとおりです。

●   市県民税所得・課税証明書

●   遺族年金・障害年金などの額が分かるもの

●   確定申告書の控え(申告している方のみ)

なお、介護型ケアハウスに入居する場合、要介護認定区分によって介護サービス費が変動するため、介護保険資格者証も提出します。

7.引っ越し・入居

契約を締結し、必要に応じて初期費用を振り込んだら、施設へ引っ越します。持参すべき持ち物は次のとおりです。

●   衣類・下着

●   タオル・洗面用具

●   衛生用品(施設側で用意されていることもあります)

●   食器(湯吞みなど)

●   趣味用品(本など)

テレビなど大型家電の持ち込み可否は施設によって異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

 

 

ケアハウスを検討している人におすすめの介護施設

ケアハウスは費用が安価なため人気が高く、入居待ちが発生していることも少なくありません。そのため一刻も早く高齢者向け施設へ入居したいと考えている場合には、ケアハウス以外の選択肢を検討する必要もあります。もし入居までのスピードを優先するなら、次のいずれかの施設を選ぶといいでしょう。

●   住宅型有料老人ホーム

●   サービス付き高齢者住宅

それぞれの施設がおすすめな理由について、詳しく紹介します。

住宅型有料老人ホーム

自宅での生活に不安を感じており、ケアハウスのように生活全般をサポートしてもらいたい場合には、住宅型有料老人ホームを選ぶといいでしょう。住宅型有料老人ホームはケアハウスよりは費用がかかりますが、全般的なサービス内容が充実しており、入居者同士のコミュニケーションも活発なため、ケアハウスと同じような生活を送れます。また、住宅型有料老人ホームは施設数が多く選択肢が豊富なため、申し込み後すぐに入居しやすいこともメリットです。
なお、住宅型有料老人ホームも基本的に自立した高齢者を対象としていますが、居宅サービスを受けることで、要支援・要介護と認定された後も生活し続けられます。

サービス付き高齢者住

万が一の場合に備えた見守り・安否確認サービスのみを希望する場合は、サービス付き高齢者住宅を選ぶといいでしょう。ケアハウスや住宅型有料老人ホームのようなレクリエーションはありませんが、入居後の自由度が高い点はメリットです。食事サービスも提供しているサ高住を選べば、ケアハウスでの生活とほとんど変わりはありません。
また、サ高住も自立した高齢者を対象としていますが、外部の事業者から居宅サービスを受けることも可能です。

 

まとめ

ケアハウスは公的な高齢者向け施設であるため安価に利用でき、所得に応じた負担軽減措置があることが特徴です。経済的な問題で有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への入居が難しいものの、自宅での暮らしには不安があるという場合には、ぜひケアハウスへの入居を検討してみてください。
ただし安価であるため入居希望者が多く、すぐに入居できない点はデメリットだといえます。すぐに施設へ入居したい場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への入居を優先するといいでしょう。スマートシニアでは条件を絞って各種高齢者向け施設を検索できるため、ぜひ活用してみてください。

 


この記事を読んだ方によく読まれています

お気に入り未登録
お気に入り未登録
お気に入り未登録
お気に入り未登録

カテゴリー

公式SNSアカウント更新中!

老人ホーム選びや介護に役立つ 情報をお届けします!