高齢者施設への入居申し込みを解説〜手順や必要書類・持ち物など〜

見学や体験入居で入居したい施設が見つかったら、入居申し込みと必要書類の提出をした後、契約を締結します。また、高齢者施設に入居する時には、さまざまな書類や持ち物の準備が必要となります。初めての経験となるため、分からないことや不安に思われる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、高齢者施設への入居申し込みをはじめ、入居までの流れや必要書類・持ち物などを詳しく説明します。ぜひ参考にしてみてください。

#施設入居
この記事の監修

すぎもと ゆりこ

杉本 悠里子

有料老人ホームで介護士として約12年勤務した後、社会福祉士を取得。急性期病院の医療ソーシャルワーカーとして、入退院支援に携わる。現在は、スマートシニア入居相談室の主任相談員として、多数のご相談に応じている。

老人ホーム選びから入居までの流れ

ここでは、老人ホーム選びから入居までの流れを紹介します。

  1. 希望条件の整理

  2. 施設選び

  3. 見学

  4. 体験入居

  5. 申し込み・必要書類の提出

  6. 面談・入居審査

  7. 契約

  8. 入居

1.希望条件の整理

まずは、入居者ご本人とご家族で話し合い、施設に求める希望条件を整理しましょう。希望条件を全て満たす施設を見つけることは難しいため、条件に優先順位をつけることが大切です。「これだけは譲れない」という条件と、「これを満たしていたら嬉しい」という条件に分けることにより、施設選びをスムーズに進められます。

特に、立地・費用・サービス内容については希望を整理しておきましょう。


2.施設選び

条件に優先順位をつけたら、ポータルサイトを活用して施設選びを始めましょう。

ポータルサイトであれば、希望条件にチェックを入れることにより、条件を満たす施設を簡単に検索できます。

はじめに希望条件全てにチェックを入れて検索し、優先順位が低い条件からチェックを外していくのがおすすめです。比較検討する必要があるため、希望施設は複数ピックアップしましょう。

3.見学

候補を数か所ほどに絞った後、施設を訪れて実際に見学することが大切です。

見学では、設備の様子や施設の雰囲気など、パンフレットやホームページではわからない情報を得ることができます。

見学は、2〜3か所訪れることが大切です。突然の訪問には施設職員が対応できない場合もあるため、事前に見学予約をすると良いでしょう。見学案内の時間を確保してもらうことが出来、落ち着いて説明を受けられます。


見学時のチェックポイント

見学時は、以下のようなポイントをチェックしましょう。

  • アクセス・周辺環境

  • 設備の実態

  • 居室の様子

  • スタッフやほかの入居者の雰囲気

  • 食事が口に合うか


4.体験入居

見学で入居したい施設が見つかったら、契約前に体験入居に申し込みましょう。

体験入居とは、短期間お試しで施設に入居し、施設での実際の生活を体験できるものです。初期費用を支払うことなく、ほかの入居者と同じサービスを受けられるため、入居前の不安を軽減できるでしょう。

多くの施設が体験入居を実施しています。納得した状態で契約するためにも、ぜひ体験入居を利用してください。


体験入居時のチェックポイント

体験入居では、見学時にはわからなかった部分を実際に確認できます。具体的には、以下のポイントをチェックするのがおすすめです。

  • 施設全体の雰囲気

  • 介護サービスや生活支援サービスの質

  • スタッフの対応の丁寧さ

  • 居室や設備の使い勝手・快適さ

  • 食事の内容や味付け

  • 音や匂いなどの生活環境

5.申し込み・必要書類の提出

体験入居を経て入居したい施設が決まったら、申し込みと必要書類の提出を行います。申し込みから入居までは、1ヶ月ほどかかることが多いです。施設によって必要な書類は変わりますが、基本的に下記のような書類が必要となります。

  • 入居申込書

  • 戸籍謄本

  • 住民票

  • 印鑑・印鑑証明

  • 所得証明書

  • 健康診断書

  • 介護保険被保険者証

  • 診療情報提供書

書類の中には、すぐに入手できないものもあります。特に、診療情報提供書・健康診断書は医療機関に作成を依頼するため、取得までに2週間以上かかることもあります。余裕を持って準備するようにしましょう。


入居申込書

施設への入居意思を示す書類で、入居者ご本人の氏名や住所、ご家族の情報などを記入します。


戸籍謄本

戸籍の原本が書かれた写しのことです。本籍地や氏名・生年月日・父母や養父母の氏名などが記されています。戸籍謄本は、原則本籍地がある市区町村の役所で受け取る必要がありますが、本籍地が遠方の場合は、郵送での取り寄せも可能です。

最近では、マイナンバーカードや住民基本台帳カードを持っている方であれば、コンビニでも取得することができます。ただし、本籍地と住民登録している市区町村が異なる場合は、事前に利用登録申請を必要とするところもあるため、注意が必要です。


住民票

住民票は、住民登録している市区町村の役所で、本人確認書類持参のうえ交付申請をすることにより取得できます。また、マイナンバーカードや住民基本台帳カードがあればコンビニでも取得することができます。

本人の代わりにご家族が代理人として申請・取得する場合、同じ世帯の方なら本人確認書類のみで取得できますが、別世帯であれば委任状が必要になります。


印鑑・印鑑証明

印鑑は原則認印で問題ありませんが、実印が必要な場合もあります。また、契約書に実印を押す場合は印鑑証明が必要になります。住民票と同時に取得するのがおすすめです。


所得証明書

所得証明書は、継続した利用費の支払いが可能か確認するために必要となります。多くの施設では、入居前に収入の確認を行い、生活に必要な費用を継続して支払えるかを審査します。資産や年金額といった収入・預貯金額の審査が行われることも多いです。


健康診断書

健康診断書を提出する際は、施設から指定された項目を記載する必要があります。検査料と診断書作成料を含め、1~2万円ほどかかります。健康保険適用外なので、注意が必要です。また、健康診断書の有効期限は90日と定められており、1日でも過ぎた場合は再検査となります。

また、健康診断書は検査から完成まで1〜2週間かかる場合が多いです。余裕を持って診断を受けるようにしましょう。以下、記載を求められることが多い項目について説明します。

  • 血液検査と尿検査

  • 胸部レントゲン

  • 内服薬

  • 感染症の有無

<血液検査と尿検査>

血液検査と尿検査は、およそ24の検査項目があります。一度の採取で全ての検査ができますが、健康診断書によって記載すべき検査内容が異なります。そのため、入居予定の介護施設から受け取った健康診断書を医師に見せ、どのような検査項目が必要なのか伝えるようにしましょう。


<胸部レントゲン>

胸部レントゲンは、CTにより胸部を撮影し、心臓や肺などの循環器・呼吸器に異常がないかを調べます。CTがないと実施できないため、事前に病院が胸部レントゲンに対応しているか調べる必要があります。


<内服している薬について>

健康診断書には、内服薬の情報も記載されています。施設により、薬の内容で入居可否が決まることもあります。例えば、介護老人保健施設は薬代を施設が負担することになっているため、高価な薬を内服する必要がある場合は入居できない可能性もあります。


<感染症の有無>

感染症の有無も、施設への入居可否を決めるポイントです。MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)や結核などの感染症がないか検査します。MRSAのように、結果が出るまで1週間ほどかかるものもあります。


介護保険被保険証

介護保険被保険証は、65歳以上(第1号被保険者)、もしくは40歳以上65歳未満の医療保険加入者で要介護・要支援認定を受けた人(第2号被保険者)に対して、健康被保険者証とは別に市区町村から交付されるものです。介護サービス利用時に必要となるパスポートのようなもので、特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホーム・介護医療院など、介護保険が適用される施設へ入居する場合は提出が必要です。

なお、介護保険被保険証を受け取った方全てが、介護サービスが利用できるわけではないことに注意が必要です。介護サービスの利用には、要介護認定を受ける必要があります。要介護認定には時間がかかるため、余裕を持って申請することが大切です。


診療情報提供書

診療情報提供書は、主治医が他の医療機関宛に作成する紹介状のことです。診療の経過や服薬の内容などが記載されており、施設入居時に提出が求められることが多いです。診療情報提供書の発行は医療保険の対象となるため、自己負担1割の場合は250円で作成することができます。施設によって診療情報提供書に記載する内容を指定しているところもあるため、事前に確認が必要です。


6.面談・入居審査

提出した書類や面談に基づき、入居審査が行われます。面談では、施設の担当者と入居者ご本人・ご家族が面会し、希望条件や身体状況などを確認します。また、入居審査では施設が定める入居条件をクリアしているかチェックされます。


施設の5つの入居条件を理解する

多くの施設では、入居する上で以下の5つの条件を満たす必要があります。

  • 要介護度

  • 年齢

  • 必要な医療行為

  • 収入

  • 身元保証人

要介護度>

施設によって、入居できる介護度の基準が異なります。以下は、老人ホーム別の受入れ介護度の一覧です。

老人ホームの種類
入居対象となる要介護度

特別養護老人ホーム

要介護3以上(原則)

養護老人ホーム

自立

軽費老人ホーム

自立〜要介護(介護型ケアハウスは要介護1以上)

介護付き有料老人ホーム

自立〜要介護

住宅型有料老人ホーム

自立〜要介護

健康型有料老人ホーム

自立


<年齢>

介護サービスを受けることが前提の施設の場合、介護保険法に従い「65歳以上」が入居の対象となります。介護を前提としない住宅型有料老人ホームや健康型有料老人ホームでは、「60歳もしくは65歳以上」と定めていることが多いです。

しかし、40歳以上65歳未満で特定の疾病により介護が必要であると認定された場合、入居できるケースもあります。


<必要な医療行為>

疾病などにより医療行為や医療的ケアが必要となる場合、それが施設で行えるか判断が必要となります。看護師のみが行えるもの、研修を受けた介護福祉士であれば実施できるもの、介護福祉士全員が行えるものなど、内容に応じて実施できる職種が異なります。

胃ろうやカテーテル、痰の吸引など、何らかの医療行為や医療的ケアが必要な場合は、施設で実施できることが入居の条件になります。


<収入>

収入や年金額、預貯金額から、利用料の継続した支払いが可能か確認が行われます。また、生活保護を受給している場合でも相談可能な施設はあります。公的施設の場合は支援制度もあるので、事前に確認しましょう。


<身元保証人>

多くの老人ホームが、契約時に身元保証人を必要とします。身元保証人は、費用が払えなくなった際の保証や退去手続きの対応、緊急時の連絡先などの役割を担います。

しかし、何らかの事情で保証人を立てられない方の場合、保証会社や成年後見制度を利用するか、保証人が不要の老人ホームを探す必要があります。


7.契約

面談・入居審査が通ったら、最後に契約を締結します。


入居契約に関する書類

高齢者施設の入居契約時には、通常の賃貸契約と同様に以下のような書類を扱います。

  • 入居申込書

  • 入居契約書

  • 重要事項説明書

  • 管理規定

申込書や契約書の雛形、重要事項説明書・管理規定については、契約前に見ることも可能です。特に、重要事項説明書や管理規定は、事前に内容を確認する必要があります。施設やサービスについて十分に理解したうえで、契約に進みましょう。


<入居申込書>

施設への入居意思を示す書類で、入居者ご本人の氏名や住所、ご家族の情報などを記入します。一般的には、入居申込書を提出した後に重要事項説明を受け、契約書に署名・押印をして契約成立となります。


<入居契約書>

入居条件などを確認し、署名・押印することにより入居契約を結ぶ書類です。契約前に内容を確認し、トラブルを防ぐためにも不明点や疑問点があれば解消しておくことが大切です。


<重要事項説明書>

重要事項説明書とは、契約にあたって大切な事項を消費者(ここでは入居対象者のこと)に説明する「重要事項説明」の際に用いられる書類のことです。老人ホームの重要事項説明書は、有料老人ホームやケアハウス・サービス付き高齢者向け住宅など、種類を問わずあらゆる施設において作成が義務付けられています。

重要事項説明書には、施設の運営会社の情報や設備・提供サービス・人員体制・料金体系など、その施設に関するあらゆる情報が記載されています。契約書の中でも、特に重要なポイントが分かりやすくまとめられています。重要事項説明書の内容をしっかり確認することにより、契約内容や施設についての詳細を把握できるでしょう。


<管理規定>

管理規定は、施設の運営規定や利用上の注意点などが記された書類です。提供しているサービスや利用方法、入居後のルール、管理費や生活費などの基本的な費用以外に必要になる料金など、施設での生活に関する詳細な事項が記入されています。重要事項説明書と併せて、契約前によく読んでおく必要があります。


老人ホームの契約方式

老人ホームの契約方式には、以下の3つがあります。

  • 利用権方式

  • 建物賃貸借方式

  • 終身建物賃貸借方式

<利用権方式>

利用権方式とは、居室や共用スペースなどの居住部分を利用するための料金と、サービスを利用するための料金が一体となった契約形態のことで、入居者が亡くなるまで居住部分とサービスを利用できる権利を保持できる契約方式です。入居者が亡くなった時点で契約が終了します。有料老人ホームで多く採用されている契約方式です。


<建物賃貸借方式・終身建物賃貸借方式>

建物賃貸借方式は、借地借家法という法律で整備されており、居住部分とサービスが別々になった契約形態のことです。月額費用を払うことにより、入居者が亡くなっても居住権が継続します。終身建物賃貸借方式は、建物賃貸借方式のうち入居者が亡くなった時点で契約が終了する契約方式のことです。

建物賃貸借方式や終身建物賃貸借方式は、月額費用を払うことによって居住権が継続するため、想定入居期間に基づく、入居一時金の前払いが不要という特徴があります。


8.入居

無事に契約を締結したら、いよいよ入居です。住み慣れた環境を離れても快適に暮らせるよう、しっかりと準備をすることが大切です。


入居する際の持ち物

老人ホームに入居する際の基本的な持ち物は、以下の通りです。

  • 衣類:普段着、パジャマ、下着、衣類ケース、ハンガーなど

  • :室内履き、外履き

  • 洗面用具・口腔ケア用品:歯ブラシ、コップ、洗顔料、タオル、入れ歯ケースなど

  • 消耗品:おむつ、ティッシュペーパーなど

  • 入浴用品:石鹸、シャンプー、リンス、タオルなど

  • 常備薬・お薬手帳・必要な医療器具・介護用具など

そのほか、揃えておくと便利な持ち物は以下の通りです。

  • :居室に鏡がない場合は、手鏡を用意すると身支度の際に便利です。

  • 娯楽になるもの(本や雑誌など):ご本人が持っていきたいと思うものがあれば、持参するのがおすすめです。

  • おしゃれ着:自由に外出できる方の場合は、自由時間に外出する際に着る服を用意しておくと便利です。

持ち物は引越し業者に頼むことがおすすめ

荷物が多い場合、引越し業者に運搬を依頼することもおすすめです。施設への搬入時に施設の壁や床に傷をつけてしまうと、賠償問題につながる可能性もあります。引越し業者を利用することにより、安心して荷物を運ぶことができます。

最近では、老人ホームへの引っ越しプランを用意している業者もあります。オプションにより、荷造りや荷解き・入居後の荷物整理・不用品の処分代行などを依頼できるところもあるので、ぜひ利用してみてください。


老人ホームの入居申し込み・契約時にチェックすべきポイント

老人ホームの入居申し込みや契約時には、契約書や重要事項説明書の内容に沿って、担当者から説明を受けます。その際は、以下のようなポイントをチェックしましょう。

  • 費用

  • 契約内容

  • サービス・運営方針

費用

契約前に、再度初期費用や月額利用料をチェックすることが大切です。

特にトラブルになりやすいのは、以下のポイントです。

  • 上乗せ介護費が加算されるか

  • 入居一時金の初期償却や償却率

  • クーリングオフが適用されるか

  • 原状回復費が発生する条件や負担内容

上乗せ介護費は、介護保険で規定されている以上の手厚い介護サービスを提供している場合に、施設が入居者から徴収できる費用のことです。上乗せ介護費がかかるということは、その分人員体制が手厚いことを意味します。しかし、毎月の費用負担が増えるため、上乗せ介護費の有無は事前に確認しましょう。

また、入居一時金の初期償却や償却率も重要です。想定入居期間より前に退去した際、入居一時金の一部が返還されます。その返還額に関わってくるため、必ず確認しましょう。

入居一時金については、クーリングオフが適用されるかもポイントです。契約から3ヶ月以内に契約解除した場合、入居一時金の一部(入居日数分の家賃やサービス利用料などを差し引いた分)が返還されます。契約書に「短期解約特例」と記載されているかをチェックしましょう。

また、入居中に居室を傷つけてしまった際、入居者側が原状回復費を支払わなければならない可能性が高いです。契約書に原状回復費の発生条件や負担内容が記載されているため、事前に確認が必要です。

不明な点は、納得いくまで質問しましょう。

契約内容

費用以外に、契約内容についての確認が欠かせません。具体的には、退去要件をチェックしましょう。

基本的に、施設から強制的に退去を求められることはありません。しかし、施設入居中に長期の入院が必要になったり、体調が悪化して施設側で対応できない身体状況になった場合は、退去を勧められることもあります。退去が必要になった場合は、別の施設に住み替える必要があります。

入居後のトラブルを防ぐために、退去要件については必ず確認しましょう。

サービス・運営方針

サービスや運営方針については、以下のようなポイントが重要です。

  • 対応している医療ケアの内容

  • 医療機関との連携の有無

  • 損害賠償責任保険の加入状況

  • 事故やトラブルが発生した際の対処方法

入居者の体調が悪化したり、病気を患って医療ケアが必要になったりした際に備え、対応している医療ケアの内容や医療機関との連携の有無について確認しておきましょう。

また、事故やトラブルが発生した際に備え、損害賠償責任保険の加入状況やトラブルへの対処方法についてもチェックが必要です。トラブルの対処方法については、事例が公開されている場合もあります。

老人ホームの入居申し込みについてよくある質問

最後に、老人ホームの入居申し込みについてよくある質問と回答を紹介します。

  • Q.家族が代わりに入居契約をすることはできる?

  • Q.保証人・身元引受人の条件は?

  • Q.保証人・身元引受人なしで老人ホームに入居できる?

  • Q.入居審査に落ちることはある?

Q.家族が代わりに入居契約をすることはできる?

家族が代理で入居契約をすることはできますか?

ご本人の代わりに家族が入居契約できるかについては、ご本人の判断能力の有無によって異なります。ご本人に十分な判断能力があり、字を書くのが難しいという場合は、ご本人の了承のうえでご家族が契約書を代筆することが可能です。ご本人に十分な判断能力があるものの、さまざまな事情からご家族名義で契約をしたいという場合は、「第三者のためにする契約」となります。第三者のためにする契約とは、契約当事者の一方が、当事者以外の第三者に対してサービスの提供等を行う契約です。この場合、ご家族と施設間の契約になり、施設はご本人に介護サービス等を提供する債務者となります。ご本人に十分な判断能力がない場合は、ご家族がご本人名義で代わりに契約することはできません。成年後見人を選任してもらった後、成年後見人が代わりに契約する必要があります。


Q.保証人・身元引受人の条件は?

保証人・身元引受人になることができる人に条件はありますか?

保証人や身元引受人は、誰でもなれるわけではありません。条件は施設によって異なりますが、保証人契約時に収入や資産を証明する書類の提出が求められるケースが多く見られます。保証人は、入居者に経済的問題が発生した際に保証する役割を担うためです。また、保証人を親族と定めている施設や、高齢ではないことを条件としている施設もあります。細かい条件は施設によって異なるため、事前に確認が必要です。

Q.保証人・身元引受人なしで老人ホームに入居できる?

保証人や身元引受人を頼むのが難しい場合でも老人ホームに入居できるのでしょうか?

保証人や身元引受人がいないからといって、老人ホームに入居できないわけではありません。中には、保証人を必要としない施設や、成年後見人制度を利用できる施設もあります。施設の選択肢は限られますが、「保証人不要」を掲げている老人ホームや、成年後見人制度を利用できる施設を探すのも1つの方法です。また、保証人の役割を代行してくれる保証会社を利用するという方法もあります。費用はかかりますが、保証人が必要な施設に入居したい場合は、利用を検討してみてもよいかもしれません。

保証人不要・相談可の施設を探す

Q.入居審査に落ちることはある?

老人ホームの入居審査に落ちることはあるのでしょうか?

入居審査に落ちてしまう可能性もあります。審査に落ちてしまう理由としては、「入居条件を満たしていない」「費用の支払いに不安がある」「保証人や身元引受人がいない」などが挙げられます。また、施設側が入居者に必要な介護サービスや医療ケアに対応しておらず、入居できないこともあるでしょう。特に、入居者が認知症を患っている場合は、認知症に対応している施設でなければ入居できません。事前に入居者の体調や持病、介護度などを施設に相談し、対応しているかをチェックすることが大切です。

まとめ

老人ホームへの入居申し込みについて理解しておきたいポイントは、以下のとおりです。

  • 申し込みや契約時にはさまざまな書類の提出が必要になる

  • 契約前の入居審査では、施設が定める入居条件をクリアしているかがチェックされる

  • 契約前は、特に重要事項説明書の内容を理解することがポイント

  • 申し込み時や契約時は、特に費用や契約内容、サービス・運営方針についてチェックする

  • 不明な点は、納得できるまで担当者に質問することが大切

今回は、老人ホームをはじめとした高齢者施設に入居するために必要な、申し込み方法や必要書類・持ち物などを解説しました。通常の賃貸契約と異なる点もあるため、事前に理解しておくことが大切です。また、必要書類の中には準備に時間がかかるものもあります。余裕のあるスケジュールで準備を進めてください。入居したい施設での暮らしをスムーズに始められるよう、必要な書類や持ち物を理解し、安心して新生活をスタートするための参考となれば幸いです。

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