要介護4とは?状態や利用できるサービス、もらえるお金や制度を解説

介護保険制度において要介護度は1〜5の5段階に区分されています。つまり要介護度4は、上から2番目に重い区分ということです。要介護4は日常生活のほとんどの場面で介護を要する状態ですが、要介護3や要介護5と比べてどのような違いがあるのかよく分からないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、要介護4の状態や利用できるサービスについて詳しく紹介します。もらえるお金があるのかや、利用できる負担軽減制度についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

要介護4とは?状態や利用できるサービス、もらえるお金や制度を解説
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要介護4と


要介護4は要介護区分のなかで、2番目に介護度が高く、病気や加齢などで身体機能が低下している状態です。日常生活動作はほとんど自分で行えず、理解力・判断力が低下しており、人によっては寝たきりや意思疎通が困難になる人も多くなります。

身体的に健康でも、認知症の進行があり、徘徊・妄想・異食などの周辺症状が見られ、常時見守りや介護が必要な場合もあります。日常生活の中で常時、介護が必要な状態です。

 

要介護4の具体的な身体の状態

要介護4の方の身体の状態は、例えば以下のような状態です。

 

●     介助がなければ立位・歩行・座位などの動作ができない

●     トイレ・入浴・食事など日常生活動作は自分でできない

●     24時間常に見守りや介護が必要な状態

●     認知症の症状が著明で、徘徊・妄想などの周辺症状が強く出ている

●     理解力・判断力・思考力が低下しているため、意思疎通が難しい

 

厚生労働省が2019年に調査した介護度別の介護時間の構成割合によると、要介護4は「ほとんど終日 44.8%」「半日程度 8.6%・2~3時間 21.7%」「必要な時に手を貸す程度 11.5%」となっており、約半数の人がほとんど終日を介護に費やしているという結果が出ています。

参照:厚生労働省「介護度別介護時間の構成割合」

 

要介護4の認定基準

要介護認定において、1日に必要な介護の時間が「90分以上110分未満」に該当した方が要介護4の認定を受けます。要介護認定は住所地の担当地域包括支援センターや役所で申請し、認定調査や主治医の意見書を基に算出する仕組みです。

要介護認定基準とは

1日に必要な介護の時間のことを「要介護認定等基準時間」といいます。

介護区分別の要介護認定基準時間は次のように定められています。

 

認定区分

要介護認定等基準時間

自立 (非該当)

25分未満

要支援1

25分以上32分未満

要支援2

32分以上50分未満

要介護1

要介護2

50分以上70分未満

要介護3

70分以上90分未満

要介護4

90分以上110分未満

要介護5

110分以上

 

認定調査では、全74項目の基本調査と特記事項・心身の状況の聞き取りや動作確認をして、コンピューターによる一次判定を行い、その後、主治医の意見書・認定調査の特記事項などを加味して要介護判定が決定する仕組みです。

要介護認定基準時間を算出する際は、以下の点から判断されます。

●    直接生活介助:入浴・食事・排泄などの介護

●    間接生活介助:洗濯・掃除などの家事援助など

●    問題行動関連介助:俳諧に対しての探索・不潔行為に対する後始末など

●    機能訓練関連行為:歩行訓練・日常生活訓練などの機能訓練

●    医療関連行為:輸液管理・褥瘡処置などの診療補助など

参照:厚生労働省「用語の説明

上記表に分類されている介護の時間を換算し算出しています。


要介護4の主な原因

さて、要介護4に認定されるに至る原因としては、次の3つが挙げられます。

  1. 脳血管疾患(脳卒中)|23.6%
  2. 認知症|20.2%
  3. 骨折・転倒|15.1%

脳血管疾患(脳卒中)によって身体機能に障害が残ると、たとえ一命は取り留めたとしても介護がなければ生活できない状態になりやすいといえるでしょう。また、初期の認知症は要介護3以下と認定されますが、症状が進行して徘徊・妄想などの周辺症状が強く出てくるようになると、要介護4に引き上げられることもあります。さらに、骨折・転倒をきっかけに心身の状態が急激に悪化し、要介護4の状態になってしまう高齢者も少なくありません。

参考:厚生労働省|介護の状況

要介護4と「要介護3」「要介護5」との違い

要介護4は比較的介護の必要性が高い区分ですが、前後の要介護度と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

介護区分

要介護認定の目安

具体的な状態

要介護3

要介護認定等基準時間が70分以上90分未満

要介護2と比べて基本動作能力や日常活動に必要な能力が著しく低下している

(ほぼ全面的な介護が必要になった状態)

一人では手すりがあっても立ち上がれない

一人では杖があっても自力歩行できない

スプーンを使っても口元まで食事を運べない

要介護4

要介護認定等基準時間が90分以上110分未満

要介護3に加え、さらに動作能力が低下している

思考力・理解力も著しく低下している

ほとんどの日常生活動作(トイレ・入浴・食事など)が自力で行えない

介助がなければ座れない

認知症の症状(徘徊・妄想など)が強い

要介護5

要介護認定等基準時間が110分以上

要介護4よりさらに動作能力が低下している

(介護がなければ日常生活はほぼ不可能)

食べ物を飲み込めない

自力での寝返りも難しい

コミュニケーション・意思疎通が難しい

区分ごとの違いについて、さらに詳しく見ていきましょう。

要介護3との違い

要介護3は、日常生活の大半に介護が必要な状態です。身体機能が低下しており、理解力・判断力なども低下しています。認知症の人も増え、常に見守りや介護が必要になります。

要介護4は、要介護3より認定基準時間が20分ほど長く、より介護にかかる時間が長い状態です。自身で行える動作が少なくなっており寝たきりの人も増え、認知症が進行していることが多いため、1日のなかで介護を要する時間が増えます。

どちらも特別養護老人ホームの利用条件を満たしていますが、要介護4.5の方を優先的に受け入れる施設もあるため、要介護3に比べ要介護4は有利になります。また、福祉用具レンタルにおいて、自動排泄処理装置の排便対応型も利用可能です。

 

要介護5との違い

要介護5は、日常生活全般に介護を必要とする状態です。24時間寝たきりの方も多く、全介助となります。理解力・判断力は低下しているか、困難な状態で意思疎通が難しい方も多い傾向です。


どちらも重度の介護区分ですが、要介護4は要介護5に比べ、身体や精神状態が良好で介護にかかる時間が短い点が大きな違いとなります。

 要介護4で利用できるサービス

要介護4では多くの介護サービスが利用できるようになります。

要介護4では、区分支給限度額が増え様々なサービスを利用できます。また、特別養護老人ホームのなかには、要介護4.5を優先して入所をすすめる施設もあるため、施設入所が有利になる場合もあります。


居宅サービス

要介護4で利用できる居宅サービスは以下になります。居宅介護サービスを利用すると、要介護4になっても住み慣れた自宅で生活を継続できます。

サービスの種類

利用できるサービス

訪問型サービス

訪問介護(夜間対応型含む)

訪問看護

訪問入浴

訪問リハビリ

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

居宅療養管理指導

通所型サービス

通所介護(デイサービス)

通所リハビリ(デイケア)

地域密着型通所介護(デイサービス)

認知症対応型通所介護(認知症デイ)

療養通所介護

短期入所型サービス

短期入所生活介護(ショートステイ)

短期入所療養介護(療養型ショートステイ)

複合型サービス

小規模多機能型居宅介護

看護小規模多機能型居宅介護

 

 

施設サービス

在宅介護が難しくなってきた場合は、生活の場を介護施設に移す選択肢もあります。利用できる介護施設は以下の通りです。

在宅介護が難しくなってきた場合は、生活の場を介護施設に移す選択肢もあります。利用できる介護施設は以下の通りです。

 

サービスの種類

利用できるサービス

公的施設サービス

特別養護老人ホーム

介護老人保健施設

軽費老人ホーム

養護老人ホーム

介護療養型医療施設

介護医療院

民間施設サービス

有料老人ホーム

サービス付き高齢者向け住宅

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

※介護度の低い方や自立した生活が可能な方を対象とした施設もあり、要介護4では利用できない場合もあります。

 

 

レンタルできる福祉用具

要介護4でレンタルできる福祉用具は以下の11品目です。


●     車いす(付属品含む)  

●     特殊寝台(付属品含む) 

●     床ずれ防止用具     

●     体位変換

●     手すり         

●     スロープ 

●     歩行器         

●     歩行補助つえ

●     認知症老人徘徊感知機器 

●     移動用リフト(つり具の部分を除く) 

●     自動排泄処理装置(便の処理も含む)

 

購入できる福祉用具

レンタルの他にも、特定福祉用具販売として購入できる商品もあります。特に、排泄や入浴時に使用する福祉用具は直接肌に触れるため、レンタルに向きません。購入可能な品目は以下の通りです。

 

●     腰掛便座         

●     自動排泄処理装置の交換可能部

●     排泄予測支援機器

●     簡易浴槽、移動用リフトつり具の部分

●     入浴補助用具(入浴用いす・浴槽用手すり・入浴台・入浴内すのこ・浴槽内すのこ・入浴用介助ベルト)

ここまでの福祉用具貸与・特定福祉用具販売の費用は、介護保険の自己負担割合(1~3割)の負担で利用できます。

特定福祉用具販売は、1年間で10万円が上限です。4月から翌年3月まで1年とし、翌年4月を迎えると再度10万円まで利用できます。購入した代金は一旦支払い、申請を行うことで自己負担割合(1~3割)分を差し引いた金額が返金されます。(償還払い)

 

介護リフォーム(住宅改修)

在宅生活を継続するために、介護保険を利用して不便な箇所の住宅改修を行うことができます。住宅改修の内容は以下の通りです。

 

●     手すりの取り付け

●     段差の解消

●     滑り防止や移動を円滑にするため床や通路面の材料変更

●     扉を引戸へ取替

●     洋式便器へ取替や位置・向きの変更

●     上記の各工事に付帯して必要と認められる工事

住宅改修費の支給上限は20万円です。利用は一人1回が基本ですが、20万円までであれば、複数回に分けて利用できます。また、介護度が3段階以上上がった場合や引っ越しをした際は、再度20万円まで利用可能です。

介護保険を利用した住宅改修の場合、支払いは負担割合によって1〜3割で利用できます。また、償還払いと受領委任払のどちらかを選ぶことができます。

参照:福祉用具・住宅改修|厚生労働省

 

要介護4でもらえるお金はある?


要介護4は比較的重度の介護区分ですが、介護用具購入・介護予防住宅改修に対する一部の補助以外に、直接的に給付金がもらえる制度はありません。そもそも公的介護保険は、利用者に対して現物(介護サービス)を提供する制度であるためです。
直接お金をもらえるわけではありませんが、介護サービスを1〜3割の自己負担で受けられるため、自己負担が大きく軽減されている点は知っておきましょう。ただし1〜3割の自己負担で受けられるサービス量については、要介護区分ごとに上限が定められています。

要介護4の区分支給限度額

要介護4の区分支給限度額は30,938単位あり、1ヶ月間で309,380円分の介護保険サービスを受けることができます。

介護度別の区分支給限度額は以下の通りです。

 

介護区分

区分支給限度額

要支援1

5,032単位

要支援2

10,531単位

要介護1

16,765単位

要介護2

19,705単位

要介護3

27,048単位

要介護4

30,938単位

要介護5

36,217単位

 

要介護4で区分支給限度額まで介護保険サービスを利用した場合、自己負担額は以下の通りです。

 

要介護区分

介護負担割合

自己負担額

要介護4

1割負担

30,938円

2割負担
61,876円
3割負担
92,184円

 

区分支給限度額を超えてサービスを利用した場合は、超過分が全額自己負担となるため注意が必要です。

 

要介護4の方に必要な介護費用例

要介護4の方が、介護サービスを利用したときに必要な費用例はを紹介します。要介護4の場合は、区分支給限度が多く設定されているため介護サービスを柔軟に利用できます。

 

在宅介護の場合

➀平日デイサービスを中心に、入浴・食事などのサービスを利用する場合

介護サービス

(1週間の利用内容)

サービス単位×回数

(ひと月の合計)

合計金額

1ヶ月の合計金額

デイサービス|通常規模

(週5日:6~7時間)

897単位×20回

17,940円

27,560円


訪問介護|朝・晩

(週2日:身体介護60分)

396単位×16回
6,336円

訪問看護

(週1日:60分)

821単位×4回
3,284円

※自己負担額1割 ※加算などは含まない

②月1度ショートステイ利用した場合

 

介護サービス

(1週間の利用内容)

サービス単位×回数

合計金額

1ヶ月の合計金額

ショートステイ|老健

(7日間:基本型多床室)

991単位×7回

6,937円

25,231円

デイサービス|通常規模(週5日:6~7時間)
897単位×15回
13,455円

訪問介護|朝・晩

(週2日:身体介護60分)

396単位×6回
2,376円

訪問看護

(週1日:60分)

821単位×3回
2,463円

※自己負担額1割 ※加算等含まずない

※ショートステイ時に必要な居室費・食費は含まない

※ショートステイを1週間利用のため、その他サービスは3週間分で計算

 

➀特別養護老人ホームを利用した場合

施設介護の場合

介護サービス費

(自己負担割合1割)

食費

居住費

ユニット型(個室)

1ヶ月の合計金額

25,860円

(862円/日)

43,350円

(1,445円/日)

60,180円

(2,006円/日)

129,390円

※加算等含まない ※その他消耗品などの費用あり

参照:厚生労働省「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」

 

②介護老人保健施設(基本型)

介護サービス費

(自己負担割合1割)

食費

居住費

従来型個室

(多床室)

1ヶ月の合計金額

従来型個室

(多床室)

26,220円

(874円/日)

43,350円

(1,445円/日)

50,040円

  (11,310円)

119,610円

 (80,880円)

※加算等含まない ※その他消耗品などの費用あり

参照:厚生労働省「介護老人保健施設」

 

③介護付き有料老人ホーム

民間の介護施設は、料金設定が事業所によって異なり概算が難しいので大体の費用内容を載せています。

入居一時金

介護サービス費

(自己負担割合1割)

家賃

管理費

食費

その他

0~数千万円

22,140円

施設により異なる

数千円~数万円

数万円程度

上乗せサービス費

横出しサービス費

など

※加算等含まない ※その他消耗品などの費用あり

介護付き有料老人ホームの場合、1ヶ月の支払いは20~30万程度になる施設が多い傾向です。

参照:厚生労働省「介護報酬の算定の構造」 介護保険サービスコード表

 

要介護4で受けられる助成制度

要介護4になると様々な助成を受けられる場合があります。自治体により名称やサービス、申請方法が異なる場合がありますが、重度の介護度となる要介護4では、様々な助成制度が設けられています。

紙おむつ代の助成

各自治体で実施されており、利用方法は様々です。例えば以下の通りです。

 

●     介護用品と引きかることができる給付券を発行している(大阪市)

●     紙おむつを現物支給している(世田谷区)

居住している自治体ホームページや役所に確認し、助成内容や利用方法を確認してみてください。

その他に、医療費控除として紙おむつ代を申請できる場合があります。

条件は以下の通りです。

 

●     傷病によりおおむね6ヶ月以上寝たきり状態である

●     医師の治療を受けている

●     治療上おむつが必要である

上記にすべて該当している場合、治療を受けている医師より「おむつ使用証明書」を発行してもらいます。おむつ使用証明書を確定申告時に添付、または提出することで1年間購入した紙おむつ費用を医療費控除として申請可能です。

参照:国税庁「寝たきりの者のおむつ代」

 

高額介護サービス費

公的介護サービスを利用し、1ヶ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えた場合、超えた分が払い戻されるサービスです。

負担上限額は所得状況によって区分が定められており、利用者によって負担額が異なります。以下の表を参考にしてみてください。

 

設定区分

対象者

負担の上限(月額)

第1段階

生活保護を受給しているなど

15,000円(個人)

第2段階

市町村民税世帯非課税

公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下

24,600円(世帯)

15,000円(個人)

第3段階

市町村民税世帯非課税で第1段階及び第2段階に該当しない

24,600円(世帯)

第4段階

①市区町村民税課税世帯~課税所得380万円(年収770万円)未満

②課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(年収約1,160万円)未満

③課税所得690万円(年収1,160万円)以上

①44,400円(世帯)

②93,000円(世帯)

③140,100円(世帯)

障害者控除

納税者自身・同一生計の配偶者・扶養親族が所得税法上の「障害者」の場合、所得の一部を控除できます。これが障害者控除です。要介護と認定されただけで障害者となるわけではありませんが、確定申告時に「障害者控除対象者認定書」を提出すれば、要介護4の高齢者も障害者として所得控除の対象となることは知っておきましょう。

 

要介護4で入居できる介護施設

要介護4と認定された場合、手厚い身体介護が必要であるため、基本的には介護施設(高齢者向け施設)へ入居するケースが多いです。しかし一口に介護施設といっても、実はさまざまな種類が存在します。要介護4で入居できる介護施設の概要や入居金・月額利用料について比べてみましょう。

種類
運営種別
入居金相場
月額利用料相場
概要
介護付き有料老人ホーム
民間施設
0~630万円
15~35.1万円
施設として介護サービスを提供
介護の必要性が高い高齢者も入居でき、看取りケア(終末期介護)にも対応できる
住宅型有料老人ホーム
0~46万円
13.4~31.5万円
原則として自立した高齢者を対象としているものの、最近は要介護度の高い方を受け入れている施設もある
施設としては介護サービスを提供していないため、外部の居宅サービス事業者を利用する
グループホーム
0~15.4万円
12.4~19.7万円
認知症の高齢者を対象とした少人数制ユニット型施設
認知症が進行して要介護4と認定されているものの、身体機能が維持されている場合に選択肢になる
特別養護老人ホーム
(特養)
公的施設
0円
4.9~15.0万円
要介護3以上の方のための公的施設
24時間体制で介護サービスを提供
民間施設より安価なため人気が高く入居待ちが発生しているケースが多い
ケアハウス
(軽費老人ホームC型)
0~30万円
9.3~22.0万円
「介護型」では手厚い介護サービスを受けられる
介護老人保健施設
(老健)
0円
6.7~16.2万円
リハビリテーションを目的とした介護施設
看護師が24時間常駐している
3〜6か月程度での退所を想定
介護医療院
0円
6.8~17.0万円
医療的ケアと介護サービスの両方を提供
看取り・医療的なターミナルケアにも対応
医師・薬剤師も在籍

 

上記のようにさまざまな施設があるため、入居者や家族の希望にあう施設を選ぶようにしましょう。

 

要介護4で在宅生活はできる?

要介護4だからといって、在宅生活ができないわけではありません。

様々な介護保険サービスや社会資源などを利用することで、介護される側・する側の負担を減らすことができます。担当のケアマネジャーと相談して、以下のような点を検討していくと良いでしょう。

 

ショートステイを利用する

ショートステイを利用することで、家族や介護者のレスパイト(負担軽減)ができます。介護施設を利用することで、家族は一時的に介護から離れることができ、介護生活の疲れをリセットできるでしょう。施設に預けることに抵抗がある方もいますが、介護する側が体力的・精神的に疲れていては共倒れになってしまうケースも少なくありません。「在宅介護を継続するために必要なこと」と割り切ることも必要です。

在宅サービスを充実させる

介護保険の居宅サービスは種類も多く、様々な状況に合わせて利用できます。身体状態・住環境・経済面などはそれぞれ異なるため、自分たちにとって一番良い選択・組み合わせでサービスを利用して負担の少ない介護生活を検討すると良いでしょう。

家族の協力が最も重要

在宅生活の継続に重要なのは、家族の協力です。要介護4は、1日通して介護が必要な場合も多く、介護者が一人で対応していると限界を迎えるのも早いでしょう。兄弟や親戚など、多くの人に協力してもらい、一人で抱え込まない事が大切です。

 

要介護4の方には「介護付き有料老人ホーム」がおすすめ

ここまで紹介したポイントをふまえると、要介護4と認定された場合には、いずれかの介護施設へ入居したほうが安心でしょう。施設に入居するとなると、費用が安く終身利用が可能な特別養護老人ホームへの入居を希望する方が多いかもしれませんが、人気が高いためすぐに入所できるとは限りません。特養への入居待ちの間、自宅で介護することも不可能ではありませんが、親族へ負担がかかることも事実です。

このような場合は、ぜひ「介護付き有料老人ホーム」も選択肢に含めてみてください。介護付き有料老人ホームは民間施設であるため、特養よりは費用が高いものの、施設数が多いため比較的すぐに入所できます。特養の入居待ちの間だけ暮らすことも可能ですし、そのまま終身利用する方も多いです。介護付き有料老人ホームについては下記記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。


まとめ

要介護4は比較的重度の介護区分で、介助がなければ立位・歩行・座位なども難しく、トイレ・入浴・食事なども一人では行えません。居宅サービスやショートステイを活用しながら在宅生活を続けることも可能ですが、24時間体制の介護が必要な点を考えると、介護施設に入居したほうが安心でしょう。
要介護4の高齢者を受け入れている施設はさまざまですが、基本的には終身利用が可能な「特別養護老人ホーム」か「介護付き有料老人ホーム」が選択肢です。ただし、どちらの施設にも空きがない場合には、近隣の「住宅型有料老人ホーム」が受け入れてくれるケースもあります。スマートシニアでは費用やエリアを絞ってこれら施設を検索できるため、ぜひ活用してみてください。

 


この記事の監修

とぐち まさき

渡口 将生

介護福祉士として10年以上現場経験があり、現在は介護老人保険施設の相談員として従事。介護資格取得スクールの講師やWEBライターとしても活動中。家族の声を元にした介護ブログを通じ、2019年3月、NHKの介護番組に出演経験もある。

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