介護医療院とは?費用や入所条件、受けられるサービス内容を紹介

介護医療院とは?

介護医療院とは、わかりやすくいえば要介護者の長期療養と生活支援を目的とした施設のことで、「介護」と「医療」の両方を提供しています。2024年で廃止となった「介護療養型医療施設」に代わる高齢者施設として、医療ニーズの高い要介護者を受け入れていることが特徴です
そもそも医療ケアと介護サービスの両方を必要とする高齢者を対象とした施設は、これまで「介護療養型医療施設」という場所が整備されていました。これは平成5年(1993年)の医療法改正により創設された「療養型病床群」を原型とした施設ですが、いくつかの問題を抱えていたことも事実です。介護療養型医療施設は介護保険法に基づく施設ですが、医療法を根拠とする「療養病床(医療型療養病床)」という施設も、同じく医療と介護を提供していました。
どちらも入居者の状況に大きな差が見られず、医療の必要性が低い患者も混在していたことで、医療費・介護保障費を圧迫していたのです。その一方、通常の介護保険施設に入所する高齢者の中にも、容体急変のリスクを抱える方が存在していました。
このような状態をふまえ、介護保険サービスの一環として「介護」と「医療」の両方に対応する施設として整備されたのが今回紹介する「介護医療院」です。
介護を必要とする高齢者施設の1つ
介護医療院は先述したとおり、介護保険サービスが利用できる公的施設「介護保険施設」の一つです。介護保険施設には次の3種類がありますが、それぞれ次のような違いがあります。
介護医療院 (旧:介護療養型医療施設) | 介護老人保健施設 (通称:老健) | 特別養護老人ホーム (通称:特養) |
要介護高齢者が長期療養・生活するための施設 | 要介護高齢者にリハビリテーションを提供し、在宅復帰・在宅支援を目指す施設 | 要介護高齢者のための生活施設 |
介護医療院は長期療養を目的としており、他の施設と比べて医療スタッフが厚く配置されているため、医療ニーズの高い高齢者も安心して生活できる点が特徴です。
介護医療院の主なサービス内容

介護医療院は「介護」と「医療」の両方を提供していますが、具体的なサービス内容としては次の4つが挙げられます。
● 長期的な医療ケア
● 日常生活の介護支援
● 生活の場としての機能
● 看取りケア
それぞれのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
長期的な医療ケア
介護医療院には医師・看護師などの医療スタッフが配置されているため、一般的な介護施設では難しい長期的な医療ケアを受けられます。たとえば喀痰吸引や経管栄養はもちろん、胸水の治療などを受けることも可能です。そのため病院へ入院するほどの容態ではないものの、純粋な老人ホームでの生活は難しいという高齢者でも安心して生活できます。
日常生活の介護支援
他の介護施設と同じく、介護医療院では入浴・排泄・食事などの介護サービスも受けられます。介護支援の一環として機能訓練・リハビリテーションも受けられるため、心身の状態を維持改善したい場合にもおすすめです。
生活の場としての機能
介護医療院は生活の場としての機能も提供しています。たとえば入居者一人あたりの床面積は8㎡以上を確保し、なおかつプライバシーに配慮した環境が整備されている点が特徴です。多床室の施設であっても、家具・パーテーションなどで間仕切りが設置されているため、一般的な病院よりプライベート空間を確保しやすいでしょう。また、イベントやレクリエーションなども定期的に開催されるため、他者との繋がりを作りやすい点もメリットです。
看取りケア
介護医療院は長期での利用が前提である特性上、亡くなるまで施設で暮らす方も珍しくありません。そのため、終末期医療(看取りケア)が充実していることも特徴です。なお、同じく介護保険施設である特養でも看取りケアは提供されています。しかし、特養はあくまでも介護がメインの施設です。そのため提供される医療サービスは、最低限の範囲に限られます。一方で介護医療院では病院のような医療ケアを受けながら、住み慣れた施設で最後を迎えることも可能です。
介護医療院は医療ニーズにあわせて2つの種類がある
介護医療院には、医療ニーズに合わせて、Ⅰ型とⅡ型の2つのサービスがあります。それぞれの違いについて見ていきましょう。
| Ⅰ型 | Ⅱ型 |
利用目的 | 継続した医療的ケアが必要な方の日常生活の支援 | |
利用対象者 | 要介護1~5の認定を受けている方で、継続的な医療ケアが必要な方 | |
重篤な身体疾患のある方で身体合併症を有する認知症高齢者など | Ⅰ型に比べ状態の安定している方 | |
人員配置 | 介護療養病床に近く手厚い配置 | 介護老人保健施設に近い |
「Ⅰ型」「Ⅱ型」の主な違い
Ⅰ型は、Ⅱ型に比べて身体状況が重度で医療ニーズが高い方が入所する分、人員配置が手厚い特徴があります。また、Ⅰ型には療養機能強化型AとBに分かれ、それぞれで利用料金や職員体制が異なります。
「Ⅰ型」はさらに、療養機能型A・Bに分かれる
Ⅰ型には療養機能強化型AとBに分かれており、どのような特徴があるのかを解説します。
| 療養機能強化型A | 療養機能強化型B |
重症度 | 50%以上 | |
医療処置 | 50%以上 | 30%以上 |
ターミナルケア | 10%以上 | 5%以上 |
リハビリ | 要件あり | |
地域貢献活動 | 要件あり |
療養機能強化型Aは、Ⅰ型の中でも医療ニーズやターミナルケアを受ける方が多い傾向にあります。
強化型Aは、より身体状況が悪い方に対応するために用意されている施設といえるでしょう。
介護医療院の入居条件
介護医療院に入居できるのは、要介護1〜5と認定された65歳以上の高齢者とされています。要支援の方は対象外であることは覚えておきましょう。ただし、介護保険において「特定疾病」とされる次の16疾病に起因して要介護認定を受けている場合には、40歳〜64歳の方であっても入居できます。
- がん(末期)
- 関節リウマチ
- 筋萎縮性側索硬化症
- 後縦靱帯骨化症
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 初老期における認知症
- 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
- 脊髄小脳変性症
- 脊柱管狭窄症
- 早老症
- 多系統萎縮症
- 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
- 脳血管疾患
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性閉塞性肺疾患
- 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
なお、これらの要件を満たしているからといって、必ずしも介護医療院へ入居できるとは限りません。入居するためには、施設側の判定をクリアする必要があることも覚えておきましょう。(介護医療院に入所する流れは記事後半で詳しく解説します)
介護医療院の費用
介護医療院にかかる費用は、Ⅰ型とⅡ型のどちらを利用するのかや、入居者の要介護度によって異なりますが、次の範囲に収まるケースが多いです。
入居一時金 | 月額費用 |
0円 | 6.8~17万円 |
このうち月額費用については、施設サービス費・食費・居住費などに細分化されます。利用費用がどのように決まるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
入居一時金は不要
民間の介護施設へ入所する場合、通常は数十万〜数百万円の入居一時金が必要です。一方、介護医療院へ入居する際は、とくに費用はかかりません。まとまった資金を用意する必要がないため、経済的に困っている方でも入所しやすいことは大きなメリットといえるでしょう。
施設サービス費
「施設サービス費」とは毎月かかる費用の一部で、その名のとおり介護医療院から受けたサービスにかかる費用です。現役並みの所得がある高齢者以外は、利用した介護サービス料の9割を自治体(介護保険者)が要介護者に代わって施設へ支払ってくれます。利用者負担が1割の場合、1日あたりの施設サービス費は次のとおりです。
Ⅰ型介護医療院
要介護度 | 従来型個室 | 多床室 | ユニット型 |
要介護1 | 721円 | 833円 | 850円 |
要介護2 | 832円 | 943円 | 960円 |
要介護3 | 1,070円 | 1,182円 | 1,199円 |
要介護4 | 1,172円 | 1,283円 | 1,300円 |
要介護5 | 1,263円 | 1,375円 | 1,392円 |
Ⅱ型介護医療院
要介護度 | 従来型個室 | 多床室 | ユニット型 |
要介護1 | 675円 | 786円 | 849円 |
要介護2 | 771円 | 883円 | 951円 |
要介護3 | 981円 | 1,092円 | 1,173円 |
要介護4 | 1,069円 | 1,181円 | 1,267円 |
要介護5 | 675円 | 786円 | 849円 |
なお、地域によって若干の差があるため、実際にかかる金額は入居を検討する自治体ごとに確認してみてください。また、施設サービス費は基本的に定額ですが、特別な対応を受けた場合には加算費用が請求されることも覚えておきましょう。主な加算対象は次のとおりです。
加算項目 | 概要 | 加算額 |
初期加算 | 入所日から30日以内の期間 | 30円/日 |
栄養マネジメント強化加算 | 管理栄養士が継続的に入所者ごとの栄養管理を実施した場合 | 11円/日 |
緊急時施設診療費 | 入所者の病状が重篤になり、緊急的治療管理を実施した場合 | 518円/日 (1か月に1回3日が限度) |
食費・居住費
次に介護保険以外の費用をみていきましょう。介護保険外の費用には、主に食費や居住費があります。居住費は多床室や個室により費用が異なります。
【食費】
| 1日の基準額 |
食費 | 1,445円 |
【居住費】
居室タイプ | 1日の基準額 |
ユニット型個室 | 2,006円 |
従来型個室 | 1,668円 |
多床室 | 377円 |
上記の金額は、全国で定められている基準額です。非課税世帯の場合、預金額の要件を満たしていると、介護保険負担限度額認定証を受け取ることができます。介護保険負担限度額認定証には、食費や居住費の減免された金額が記載されており、額面通りの支払いとなります。そのため、月々2〜5万円程の減免を受けることができ、費用負担が少なくなります。ただし、介護保険負担限度額認定証は自己申請のため、管轄の役所で申請が必要です。
介護保険負担限度額認定証は、介護保健施設の特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護医療院・介護療養型医療施設の入居やショートステイで利用可能な減免制度です。
介護医療院の設備基準
続いて設備基準について確認していきましょう。介護医療院の施設基準には、次のようなものがあります。
| 基準の詳細 |
診察室 | 指定基準 |
居室 | 定員4名以下で1名あたり床面積8㎡以上。転換する場合は、大規模改修まで6.4㎡以上 |
浴室 | 身体的に不自由な方も入浴しやすい状態や設備 |
食堂 | 利用者1名につき1㎡以上 |
機能訓練室 | 40㎡以上のスペースを確保 |
談話室 | 談話が楽しめるスペースを確保 |
レクリエーションルーム | 十分なスペースの確保 |
医療設備 | エックス線・処置室・臨床検査室・調剤室 |
廊下 | 1.8m以上。中廊下の場合は2.7m以上。※転換の場合、廊下幅1.2m以上。中廊下の場合1.6m以上。(中廊下とは、廊下の両側に居室がある設計の廊下を指します) |
その他 | 洗面所・トイレ・サービスステーション・洗面所・洗濯室・汚物処理室・調理室 |
一般的な介護施設と違い、医療設備が設置されていることが特徴です。
出典:厚生労働省「介護医療院とは?」
介護医療院の人員体制
介護医療院は、医師・看護師など医療職種の配置が手厚いのが特徴です。Ⅰ型とⅡ型により、人員の配置が変わります。それぞれの違いについて確認してみましょう。
職種 | Ⅰ型 | Ⅱ型 |
医師 | 入居者48名に対して1人以上 (48:1) | 入居者100名に対して1人以上 (100:1) |
薬剤師 | 入居者150名に対して1人以上 (150:1) | 入居者300名に対して1人以上 (300:1) |
看護職員 | 入居者6名に対して1人以上 (6:1) | |
介護職員 | 入居者5名に対して1人以上 (5:1) | 入居者6名に対して1人以上 (6:1) |
ケアマネジャー | 100名に対して1人以上 (100:1) | |
栄養士 | 必要な数 | |
調理スタッフ | 必要な数 | |
リハビリ職員 | 必要な数 | |
事務員 | 必要な数 | |
医師の当直 | あり | なし |
上記のように、Ⅰ型とⅡ型では人員配置が異なります。特に、医師や薬剤師については2倍以上の違いがあるため、注意が必要です。
介護医療院では、日常生活上の必要な介護支援をはじめ、医師や看護師の人員配置基準が手厚いことから、充実した医療的ケアを受けることができます。また、リハビリもできるため、身体能力の維持や向上を期待できるでしょう。
また、介護療養型医療施設では実施が少ないレクリエーションや行事・イベントなども行われており、療養が必要な方でも、生活面に目を向けたサービスを提供しています。
介護医療院のメリット
介護医療院の最大の特徴は、日常的な介護支援と医療的ケアが同時に受けられることです。また、他の介護保険施設と同じく、有料老人ホームと比べて安価な費用で利用できます。
さらに理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションが受けられるため、身体機能の維持や向上が期待できるでしょう。他にもレクリエーションや行事・イベントなども実施されるため、楽しみを持って生活できます。
介護医療院では、ほとんどの施設で一般的な病院が併設してあるため、万が一の場合でも入院に繋がりやすいという特徴もあります。病状の悪化が心配な方でも、安心して入居が出来るでしょう。
介護医療院のデメリット
介護医療院は、介護保健施設の中で費用は高めの施設と言えます。理由として医師や看護師の配置が手厚いことから、その分の保険単位が高くなるためです。費用負担が心配な方は、所得に応じた減免制度があるため、管轄の高齢者や介護の窓口で介護保険負担限度額認定証の申請を行いましょう。
また、介護医療院はあくまでも療養を想定した方が利用する施設です。そのため、療養が必要なくなった方には、退去の促しをする場合があります。退去に関しては、利用している施設のケアマネジャーや相談員に、退居先について相談するとよいでしょう。
介護医療院に入所する際の流れ
介護医療院に入所するまでの流れは、おおむね次のとおりです。
- 要介護認定を受ける
- ケアマネジャーに相談する
- 施設探し・見学をする
- 入所申込・書類提出をする
- 面談と入所判定を受ける
- 契約、入所する
それぞれのステップごと、どのような手続きが必要なのか詳しく見ていきましょう。
1.要介護認定を受ける
介護医療院に入所するためには、まず要介護認定を受けなければなりません。要介護認定は市区町村の役所へ申請するため、自治体のホームページで窓口を確認してみてください。(窓口の名称は各自治体で統一されておらず、「介護保険課」「高齢者支援課」などさまざまです)
もしいきなり役所へ問い合わせるのは気が引けるという場合には、近くの「地域包括支援センター」へ相談するといいでしょう。地域包括支援センターとは、すべての市町村に設置されている高齢者に関わる悩み事の総合窓口のことです。
要介護認定の申請後、役所の担当者が申請者のもとを訪れ、心身の状態などをチェックします。要介護と認定され、「認定結果通知書」「認定結果が記載された被保険者証」が届いたら、次のステップへ進みましょう。
2.ケアマネジャーに相談する
要介護認定を受けたら、担当ケアマネジャーに相談し、介護医療院へ入所したい旨を伝えます。ケアマネジャーとは要介護者からの相談に基づき、ケアプランを作成する有資格者のことです。要介護者の心身の状態によっては、適切な介護保険施設を紹介する役割も担っています。なお、入院中の場合には医療ソーシャルワーカーに相談することも可能です。
3.施設探し・見学をする
ケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーへの相談と並行し、具体的な施設探しも始めましょう。介護医療院へ入居できる可能性が高そうだと判断された場合、ケアマネジャーから近隣の施設を紹介してもらえるケースが多いです。
4.入所申込・書類提出をする
入居したい介護医療院が見つかったら入所を申し込み、必要書類を用意します。施設によって少し違いがありますが、主な必要書類は次のとおりです。
● 利用申込書
● ADL表(日常生活の様子を、ケアマネジャーなどが記入)
● 診療情報提供書(かかりつけ医が作成。3か月以内などの条件があるケースが多い)
● 介護保険被保険者証一式のコピー
ケアマネジャーやかかりつけ医に作成してもらう書類もあるため、スケジュールには余裕を持って準備していきましょう。
5.面談と入所判定を受ける
申し込み後に施設担当者との面談が実施され、書類・面談内容に基づいて介護医療院への入所が可能かどうか判定されます。なお、入所可能と判定された場合も、施設の空き状況によっては入所までに時間がかかるケースもあるため注意してください。
6.契約、入所する
入所契約を締結したら、後は入所準備をして入所日を待ちます。歯磨きセットや爪切りなどの日用品は自分で持ち込む必要があるため、一通り用意しておきましょう。テレビなどの持ち込み可否については施設ごとにルールが異なるため、あらかじめ確認してみてください。(施設側がテレビを用意していることもあります)
介護医療院と他の介護施設との違い
介護医療院とその他の施設について違いを確認しておきましょう。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは要介護3以上の方が入居でき、日常的な介護支援を提供する施設です。特別養護老人ホームの中には看取りケアを行っている施設もあります。しかし、多くの施設では看護師の勤務が日中のみのため、夜間に吸引などの医療的ケアが必要な方は対応ができません。レクリエーションや行事・イベントに関して力を入れている施設が多く、楽しみを持って生活できるでしょう。
近年、創設された特別養護老人ホームではユニット型個室が主流となっているため、居室料金が高くなる傾向にあります。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、病院と在宅の中間施設でリハビリに特化した介護施設です。基本的にリハビリを行って在宅に帰ることを目的に運営しています。介護医療院でもリハビリは実施されますが、介護老人保健施設の方が集中したリハビリが提供されています。
介護医療院の位置付けとして、病院と介護老人保健施設の中間施設と考えると良いでしょう。
有料老人ホーム
有料老人ホームは施設ごとに様々な特徴があります。他の施設に比べても自由度が高く、レクリエーションや行事に力をいれている施設が多くあります。介護医療院でもレクリエーションを行いますが、有料老人ホームと比べると頻度は少ない場合が多いでしょう。
また、有料老人ホームでは、入居一時金が高額な場合もあります。さらに、月々の費用が介護保険施設に比べ高くなる場合がほとんどです。費用面と自由度を求めるなら、有料老人ホームがおすすめです。しかし、医療的ケアに対応できない施設もあるため、各施設に確認しましょう。
医療ケア対応ができる、介護医療院以外の施設
介護医療院は医療・介護の両方を受けられることが魅力ですが、先述したとおり入居するためには判定を通過する必要があります。病院の医療ソーシャルワーカー、担当ケアマネジャーなどの協力を得ながら申請準備を進めたとしても、必ずしも入居できるとは限りません。しかし介護医療院へ入居できなかった場合、そのまま自宅での生活を続けることに不安を感じる方もいるでしょう。そのような場合は、ぜひ民間の介護施設である「介護付き有料老人ホーム」への入居を検討してみてください。
「介護付き有料老人ホーム」は有料老人ホームのうち、行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている施設のことです。介護付き有料老人ホームに入居すれば、介護保険の適用を受けながら介護サービスを受けられます。介護医療院と同じく、施設サービス費は要介護度に応じて月額固定であるため、介護の必要性が高い方でも安心して生活できることがポイントです。
まとめ
介護医療院は「介護」と「医療」の両方を提供しており、容態が急変するリスクを抱えた要介護の高齢者でも安心して生活できることが最大の特徴です。看取りにも対応しているため、亡くなるまで同じ施設で暮らし続ける方も珍しくありません。公的施設であるため比較的費用負担が少ない点もメリットといえるでしょう。所得状況によっては減免措置を受けることも可能です。
ただし必ずしも入所判定を通過するとは限らず、心身の状態によっては入居を断られるケースもあります。もし自宅での生活を続けることが不安な場合には、ぜひ民間施設である介護付き有料老人ホームの利用も検討してみてください。
スマートシニアではエリアや費用、提供サービスなどの条件を絞って、希望にあう介護付き有料老人ホームを検索することが可能です。医療体制が手厚い介護付き有料老人ホームも掲載しているため、ぜひ一度検索してみてください。
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介護福祉士として10年以上現場経験があり、現在は介護老人保険施設の相談員として従事。介護資格取得スクールの講師やWEBライターとしても活動中。家族の声を元にした介護ブログを通じ、2019年3月、NHKの介護番組に出演経験もある。