「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違い8つを比較

近年急増している「サービス付き高齢者向け住宅」と、手厚いサービスが受けられる「有料老人ホーム」のどちらを選ぶべきか迷っていませんか?この記事では「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」双方の入居条件や利用料金、サービス、違いについて解説します。それぞれのメリット・デメリットや、おすすめの人も紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違い8つを比較
#サ高住#施設サービス#費用#選び方#有料老人ホーム

「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違いを比較

 

 
サービス付き高齢者向け住宅
有料老人ホーム
介護付き
住宅型
健康型
入居条件
60歳以上    自立・要支援~要介護者
主に65歳以上 自立~要介護度5
主に60歳以上 自立・要支援度1~要介護度5
主に60歳以上 健康で自立している方
契約方式
建物賃貸借契約
利用権方式
入居前費用
0~22.1万円
0~630万円
0~46.0万円
0~1億円
月額利用料
11.3~23.9万円
15.0~35.1万円
13.4~31.5万円
10.0~40.0万円
生活支援サービス
あり
介護保険サービス
利用した分だけ発生
介護度に応じて定額
利用した分だけ発生
居室の広さ
個室 原則25㎡~ (※条件を満たせば18㎡~でも可)
個室 13㎡~
食事内容
自炊(施設により食事サービスのオプションあり)
食事提供あり
生活自由度
高い
低い
高い

 

「サービス付き高齢者向け住宅」の特徴


高齢者住宅は多様化しており、近年急増しているのが民間運営の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。特徴を紹介します。

自由度が高く、健康なうちから入居が可能

「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は、高齢者向けにバリアフリー仕様になっている住宅で、マンションと同じような感覚で入居できる施設です。「安否確認」や「生活相談」といったサービスが提供されるため、高齢者が安心して暮らせる環境が整っているのが特徴です。
サ高住は、基本的に介護度が低く、自立した方から軽介護度の方が入居することを想定した施設です。そのため生活の自由度が高いことが特徴で、マンションやアパートのように賃貸契約を結んで入居するのと大差はありません。まだ自立した生活はできるけれど、将来の生活に不安を抱える方や、バリアフリー仕様で安全な環境で暮らしたいという方に適しています。介護が必要になった場合でも、訪問介護やデイサービスといった外部の介護サービスを利用できます。

一般型、介護型の2種類がある

サ高住には、「一般型」と「介護型」の2種類があり、それぞれ付帯しているサービス内容や特徴は異なります。

一般型サ高住

サ高住の大半を占めるのが、一般型のサ高住です。一般型サ高住は、自立した方の入居を想定した高齢者向けの住宅で、必ず「安否確認」と「生活相談」のサービスが提供されます。また食事提供などのオプションサービスを利用できる施設が多くあります。
介護が必要になった場合は、外部の介護事業者と契約することで介護サービスを受けることも可能です。

介護型サ高住

介護型サ高住は、介護保険法により定められた基準を満たし、行政から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けて運営しているサ高住のことをいいます。特定施設入居者生活介護は、一般的に「特定施設」と略称で呼ばれています。
特定施設では、入居者が可能な限り自立した日常生活を送れるように、施設内で介護サービスが受けられます。ケアプランの作成や食事・入浴・排泄などの介助、日常生活における身体的介助、機能訓練が提供されるため、日常的に介護が必要な方にも対応できるサ高住です。
ただし介護型サ高住の割合は非常に少ないため、入居の難易度は高いといえます。

 


サービス付き高齢者向け住宅を探す

 

「有料老人ホーム」の特徴


有料老人ホームは、手厚いサービスが受けられることから高い人気を誇っています。有料老人ホームの特徴を見ていきましょう。

生活サービスを提供する民間施設

有料老人ホームは高齢者が安心して暮らせるように、生活サービスを提供する施設です。「食事の提供」や「入浴、排せつまたは食事の介護」「洗濯・掃除などの家事または健康管理」のうち、1つ以上が提供されます。有料老人ホームも民間施設ですが、後述する「介護付き有料老人ホーム」の場合、介護保険が適用されます。
社会福祉法人や自治体が運営する公的施設は、要介護度が高い方や所得の低い方を支援するための施設であるため、入居条件が限定されています。一方、民間施設の場合は、高齢者の多種多様なニーズに応えられるように幅広いサービスが展開されています。自立から軽介護度の方でも入居でき、住み替えなども比較的自由に行えます。健康状態やライフスタイル、必要なサービスなどのニーズに合わせて最適な施設を選びやすいことも特徴です。

 

​ 

介護付き、住宅型、健康型の3種類ある

有料老人ホームは以下のとおり、3種類に分けられます。

●     介護付き有料老人ホーム

●     住宅型有料老人ホーム

●     健康型有料老人ホーム

それぞれの特徴を見ていきましょう。

介護付き有料老人ホーム

有料老人ホームのなかで「介護付き」とされるのは、行政から「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の指定を受けた施設のみです。介護付き有料老人ホームは、介護が必要な高齢者を対象としており、洗濯や掃除などの生活支援サービスをはじめ、食事・入浴・排泄などの介助、機能訓練、レクリエーションなどのサービスが受けられます。
人員体制が充実しており、機能訓練指導員や介護支援専門員も常駐するなど、手厚い介護サービスを提供しているのが特徴です。上述したとおり、提供される介護サービスには介護保険が適用されるため、要介護度が高くても、必要な介護を受けながら安心して生活できます。
なお、介護付き有料老人ホームはさらに細分化され、要介護認定を受けている方のみを対象とする介護専用型、入居時に自立していることを条件とする自立型、自立の方と要支援・要介護の方のどちらも受け入れる混合型があります。

 


介護付き有料老人ホームを探す 

 

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事・洗濯などの生活支援サービスを提供する施設です。自立して生活できる高齢者や、介護を必要とする方まで幅広く受け入れているのが特徴です。
介護付き有料老人ホームとは異なり、介護サービスは必要に応じて外部の事業者を利用することになります。デイサービスや訪問介護事業所などが併設されていることも多く、必要なサービスをニーズに応じて組み合わせて利用できます。

 

住宅型有料老人ホームを探す 

 

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、自立した生活のできる健康な高齢者を対象とした施設で、家事や生活の支援といったサービスも提供しています。健康型有料老人ホームのなかには、フィットネスや温泉といった充実した設備が整った施設も多数あります。ただし介護や医療の提供はしていないため、介護度が高くなったり認知症の症状が現れたりすると、退去が必要となる可能性があります。有料老人ホームのうち、健康型有料老人ホームは非常に少ないことも特徴です。

 

​ 

「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違い8つ


「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」の違いについて、以下の8つの項目に分けて詳しく解説します。

  1. 入居条件
  2. 提供サービス
  3. 人員体制
  4. 設備
  5. 費用
  6. 契約方式
  7. 暮らし方・1日のスケジュール
  8. その他

違い1:入居条件

【サービス付き高齢者向け住宅】


一般型
介護型
年齢
60歳以上
介護度
自立~介護度の低い方まで
自立~要介護5まで

サ高住は基本的に自立の方向けの施設のため、施設によって身の回りのことは自力でできる、認知症でないといった条件を設けている場合もあります。ただし介護型のサ高住(特定施設)であれば、介護サービスも手厚く提供され、認知症の方も入居できるケースは多いです。

 

【有料老人ホーム】

 

介護付き

住宅型

健康型

年齢

主に65歳以上

主に65歳以上

主に60歳以上

介護度

介護専用型:要介護認定を受けている方

自立型:自立した方

混合型:自立~要支援・要介護の方のどちらも受け入れる

自立〜要介護5の方

健康で自立した方

有料老人ホームは、「介護付き」「住宅型」「健康型」によってもそれぞれ入居条件が異なります。

40歳〜65歳未満の方でも「特定疾病」が発症した場合は要介護・要支援の申請ができるため、条件の年齢に満たなくても入居できることがあります。

 


違い2:提供サービス

 

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

●      安否確認

●      生活相談

●      介護サービス(食事・入浴・排せつ)

●      食事の提供

●      洗濯・掃除などの家事

●      健康管理

【サービス付き高齢者向け住宅】

サ高住では安否確認と生活相談のサービスが義務付けられているため、必ずこれらのサービスが提供されます。安否確認はサ高住のスタッフが居室を定期的に訪ね、何らかの異変があれば対応してくれるサービスです。生活相談では、治療や介護についてはもちろん、生活や心身の不安などの相談にも乗ってくれます。入居者や離れて暮らす家族も安心です。
介護サービスに関しては、介護型サ高住であれば提供されますが、一般型サ高住の場合は、必要に応じて外部のサービスを利用することになります。

【有料老人ホーム】

有料老人ホームは「介護付き」「住宅型」「健康型」ごとに提供サービスは異なりますが、どの施設も掃除や買い物などの生活サポートは充実しています。また介護付き有料老人ホームであれば24時間介護スタッフが常駐しており、日中は看護師も配置されるため、介護や医療サービスを受けられます。
住宅型や健康型の場合は、娯楽施設があったりイベントが開催されたりと、楽しく過ごせるようなサービス提供が多いことが特徴です。

違い3:人員体制

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

●      一般型:日中は施設にスタッフが常駐

●      介護型:特定施設の人員体制に基づく

●      介護付き:特定施設の人員体制に基づく

●      住宅型・健康型:法令上の人員基準なし

【サービス付き高齢者向け住宅】

一般型サ高住では安否確認や生活相談サービスは義務づけられていることから、これらのサービス提供のため人員基準も定められています。以下のいずれかの職種あるいは有資格者が、日中は常駐しなければなりません。

●     社会福祉法人・医療法人・指定居宅サービス事業所などの職員

●     医師

●     看護師

●     介護福祉士

●     社会福祉士

●     介護支援専門員

●     介護職員初任者研修課程修了者

(夜間は緊急通報システムの設置を行って対応することが求められています。)

なお、法改正によって現在では、事前に入居者の承諾を得て条件を満たすことで、日中のスタッフ常駐も不要となっています。
介護型サ高住の場合は、一般型の人員体制とは異なり、特定施設入居者生活介護で定められた人員基準となります。

●     管理者:1人

●     生活相談員:要介護者等100人につき生活相談員1人

●     看護・介護職員:要支援者10人につき介護職員1、要介護者3人につき介護職員1人

●     機能訓練指導員:1人以上

●     計画作成担当者:介護支援専門員1人以上

 

【有料老人ホーム】

介護付き有料老人ホームの場合、介護型サ高住と同じく特定施設入居者生活介護で定められた人員基準となります。

住宅型の場合は、厚生労働省の指針において、施設長などの管理者が必ず1人、生活相談員・栄養士・調理師が最低1人は配置することが示されています。一方で介護スタッフや看護師の人員体制に決まりはなく、施設によって多かったり少なかったりすることもあるため注意が必要です。
健康型も住宅型と同じく、法令上の基準はありません。また自立度が高いため、住宅型と比べて人員体制が少ないことが一般的です。

違い4:設備

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

居室面積:25㎡以上(条件付で18㎡以上)

居室内にキッチン・トイレ・浴室・洗面・収納設備がある

 

居室面積:13㎡以上

施設によって提供サービスに合わせた設備が整っている

【サービス付き高齢者向け住宅】

サ高住の居室には、キッチン・トイレ・浴室・洗面・収納設備を設置してるのが一般的ですが、施設によってはキッチンと浴室が共用となる場合があります。
居室の広さは25㎡以上が基本ですが、キッチン・浴室が居室にない場合は18㎡以上と定められています。

【有料老人ホーム】

有料老人ホームの場合、「介護付」「住居型」「健康型」ともに居室の設備基準はなく、トイレや浴室、キッチンがあるケースや、共有スペースにあるケースなど施設によって異なります。ただし居室の広さは、3タイプとも13㎡以上(夫婦二人の場合は26㎡以上)と決められています。
また介護やリハビリ設備に力を入れていたり、豪華な娯楽施設を設けていたりと施設によって設備に差があるため、自身の希望や健康状態、ライフスタイルに合わせて必要なサービスや設備のある施設を選ぶ必要があります。

違い5:費用

 

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

入居時の費用

0~22.1万円

●      介護付き:0~630万円

●      住宅型:0~46万円

●      健康型:0~1億円

月額利用料

11.3~23.9万円

●      介護付き:15.0~35.1万円

●      住宅型:13.4~31.5万円

●      健康型:10~40万円

サ高住と有料老人ホームへの入居には、入居時にかかる費用と入居後に毎月かかる費用がそれぞれ発生します。

入居時の費用

【サービス付き高齢者向け住宅】

サ高住の入居時にかかる費用は、主に家賃相当額の2〜3か月分の敷金です。有料老人ホームよりも初期費用が大きく抑えられる点がメリットです。また家賃の一部を前払いして、月額の費用を抑えるプランもあります。
ただし介護型のなかには、入居時に数千万円もの費用が発生する施設もあります。

【有料老人ホーム】

有料老人ホームの入居には、入居一時金が必要です。入居期間を想定し、その期間にかかる家賃やサービス料などをまとめて前払いします。
手厚い介護が受けられる介護付き有料老人ホームだと、費用は高額になる傾向ですが、入居一時金が0円の施設もあります。ただしこの場合は、月額の利用料が高くなるため、短期間の入居を予定している場合や初期費用を抑えたい方に適しています。

月額利用料

【サービス付き高齢者向け住宅】

サ高住の月額利用料には、家賃や管理費、水光熱費、洗濯などの生活支援サービスなどが含まれています。介護サービスを利用する場合は、その分の利用料が別途かかります。

【有料老人ホーム】

有料老人ホームの介護サービス費については、介護付きであれば要介護度に応じた費用を定額で支払い、住宅型の場合は利用した分だけ支払います。住宅型で介護サービスを利用しなければ月々の利用料を抑えられますが、利用すればするほど負担が大きくなります。

 


違い6:契約方式

 

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

契約方式

●      建物賃貸借方式

●      終身建物賃貸借方式

●      利用権方式

サ高住に入居する際、基本的に「建物賃貸借方式」で契約を結びます。建物賃貸借方式は居室を借りるだけの契約のため、食事や家事の提供や介護サービスなどを利用したい場合は、別の契約を結ぶ必要があります。
有料老人ホームの場合は、居住部分とその他のサービスが一緒に提供されるため、「利用権方式」を結ぶケースが一般的です。

それぞれの契約方式の詳細は、以下のとおりです。

 

●     建物賃貸借方式

建物賃貸借方式は、マンションなどの賃貸物件と契約を結ぶのと同じような契約で、家賃に相当する額を毎月支払う方式です。入居の際に家賃2〜3か月分の敷金が発生するケースが多く、更新時は更新料がかかりません。なお、食事や介護といった住居部分以外のサービスは別の契約が必要です。
また万が一入居者が死亡した場合、遺族に相続という形で契約を引き継ぎできることが認められています。そのため、入居者が亡くなった場合でも配偶者が契約を相続し、生活し続けることも可能です。

●     終身建物賃貸借方式

終身建物賃貸借方式は、建物賃貸方式の契約内容とおおむね同じですが、契約者本人が亡くなるまでの契約である点に違いがあります。死亡した場合は契約が終了となり、遺族に引き継がれません。
ただし夫婦二人で入居している場合であれば、契約者が亡くなっても配偶者は入居を続けられます。

●     利用権方式

利用権方式は、施設を利用する権利を取得するための契約で、居室部分だけでなく共用設備や生活・介護サービスの利用にかかる費用が含まれています。入居の際に入居一時金の支払いが発生します。

 


違い7:暮らし方・1日のスケジュール

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

外出・外泊など自由

基本的に1日のスケジュールが決まっているケースが多い

暮らし方の自由度については、有料老人ホームよりもサ高住のほうが高いです。サ高住はマンションに暮らすのと同じような感覚で、外出や外泊など自由に行えます。
有料老人ホームに関しては、食事や入浴、レクリエーションなど1日のスケジュールが決まっていることが多いです。また外出・外泊する際や、家族が面会に来る際も施設に届け出る必要がある場合もあります。そのため自由な暮らしを求めるなら、サ高住が候補にあがるでしょう。

違い8:その他

サ高住と有料老人ホームの、その他の違いについては以下のとおりです。

 

サービス付き高齢者向け住宅

有料老人ホーム

食事

自炊

食事提供あり

レクリエーション・イベント

少ない

多い

退去の可能性

有り

施設により異なる

サ高住はこれまでの暮らしとあまり大差なく、安心した生活につながります。ただし要介護度が高くなったり認知症になったりすると、退去の可能性があります。
有料老人ホームは、提供されるサービスが充実しており、施設のスタッフや他の入居者との接点も多数あります。また介護付きであれば介護度が高くても入居できますが、施設によって介護度が変わったり、長期入院となったりした場合は、退去を求められるケースもあります。

「サービス付き高齢者向け住宅」と「有料老人ホーム」のメリット・デメリット

サ高住と有料老人ホームの違いを把握できたところで、ここからはそれぞれのメリット・デメリットについて紹介します。

「サービス付き高齢者向け住宅」のメリット・デメリット

サ高住のメリット・デメリットをまとめました。

メリット

デメリット

●      介護度が低くても入居できる

●      生活の自由度が高い

●      安否確認・生活相談のサービスがあるため安心

●      介護度が高いと入居が難しい

●      一般型の場合、介護サービスは外部の事業者を利用する必要がある

●      介護型は数が少ない

メリット

サ高住のメリットは、以下のとおりです。

●     介護度が低くても入居できる

●     生活の自由度が高い

●     安否確認・生活相談のサービスがあるため安心

サ高住のメリットは、自立した方から介護度が低い方でも入居が可能で、生活の自由度が高いことです。キッチンや浴室付きの物件が多く、決められたスケジュールに縛られることはありません。体調に問題なければ外出・外泊なども自由に行えるため、これまで通りの生活と大きな差は出ないでしょう。さらに不安なことや悩みがあれば専門のスタッフに相談できるほか、バリアフリー環境が整っており安否確認も行ってもらえるため、安心できる環境で暮らせることも大きなメリットです。

デメリット

サ高住のデメリットは以下のとおりです。

●     介護度が高いと入居が難しい

●     一般型の場合、介護サービスは外部の事業者を利用する必要がある

サ高住では、もしも介護が必要となった場合、訪問介護や通所介護などの外部の事業者を契約すれば介護サービスを受けられます。ただしその分の費用が別途かかるため、月額の負担が大きくなる可能性があります。また介護度が高くなり訪問介護や通所介護で対応できない場合は、退去しなければならないこともあるため注意が必要です。
介護度が高くても入居できる介護型がありますが、こちらは数が少ないため入居が難しい可能性があります。

「有料老人ホーム」のメリット・デメリット

続いて、「有料老人ホーム」のメリット・デメリットも見ていきましょう。

メリット

デメリット

●      介護度が高くても入居できる

●      サービス内容や設備、レクリエーションが充実している

●      介護型の場合、介護保険が適用される

●      施設数が多い

●      費用は高額な傾向にある

●      行動に制限がある

●      施設数が多く選ぶのが困難

メリット

「有料老人ホーム」のメリットは以下のとおりです。

●     介護度が高くても入居できる

●     サービス内容や設備、イベントが充実している

●     介護型の場合、介護保険が適用される

●     施設数が多い

有料老人ホームの主なメリットは、高齢者のニーズに対応している充実のサービスです。どのタイプでも掃除や買い物代行などの生活サポートが受けられるうえに、介護付きであれば、介護・医療サービスを受けられるため、介護度の高い方や持病のある方でも安心です。またレクリエーションも充実している施設が多く、他の入居者と交流が持てることもメリットです。自立した方が多い住宅型や健康型であれば、娯楽施設が備わっている施設も多数あります。

デメリット

「有料老人ホーム」のデメリットは以下のとおりです。

●     費用は高額な傾向にある

●     行動に制限がある

●     施設数が多く選ぶのが困難

サービスや設備が充実している分、費用は高額になりやすくまとまった一時金が必要になることがデメリットです。また食事や入浴、レクリエーションの時間がある程度決まっているため、行動は制限されやすいといえます。
高齢者ニーズに対応したさまざまな施設が多数ありますが、種類が豊富であるがゆえに「各施設の特徴を調べて選ぶのが大変」といった悩みも出やすいでしょう。

 

サービス付き高齢者向け住宅がおすすめな人

ここまで、各施設の特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。これらを踏まえ、サ高住がおすすめの人は、以下のような人が当てはまります。

 

●     それほど介護を必要としていない

●     自由な暮らしを求めている

●     一人だけ・夫婦だけの生活に不安がある

●     初期費用を抑えたい

 

自分の意思で自由な暮らしがしたいと考える人にとっては、サ高住が向いています。サ高住に住み替えることで、自宅での不便さや感じていた不安を取り除き、日常生活に必要なサービスやサポートを自分の意思で選択できます。そのため安全に暮らしつつ、プライベートを充実させたいという元気な高齢者から指示を得ています。またサ高住の多くは入居一時金がかからないため、初期費用を抑えたい方も住み替えしやすいでしょう。

 

サービス付き高齢者向け住宅を探す

 

有料老人ホームがおすすめな人

続いて有料老人ホームがおすすめな人について、介護付き・住宅型・健康型に分けてそれぞれ紹介します。

【介護付き】

●     要介護度が高く、手厚い介護が常時必要

●     持病があり医療行為が必要

自宅での生活が困難になるなど手厚い介護が必要な方は、介護付きがおすすめです。掃除・洗濯・買い物などの生活支援に加え、介護度や認知症の有無などに応じて、食事・入浴・排泄の介助や機能訓練などが提供されます。また医療行為なども受けられるため、持病のある方でも安心です。

 

【住宅型】

●     常時介護は必要ないが、自宅での生活が困難になった

●     必要なときに必要なケアを受けたい

●     入居者同士の交流を楽しみたい

手厚い介護をあまり必要とせず、デイサービスなどを利用している場合は、住宅型がおすすめです。自分の状態に合わせて必要な介護サービスを自由に組み合わせることができ、介護サービスを利用しない場合はその分の費用を抑えられます。

 

【健康型】

●     健康で自立した生活ができ介護が不要

●     アクティブな老後を送りたい

●     経済的に余裕がある

介護が不要でアクティブな暮らしがしたい方は、健康型がおすすめです。フィットネスやプールなど健康促進のための設備や、カラオケや⿇雀卓といった娯楽施設など、楽しい生活を送れる施設が充実しています。設備によって金額は変わりますが、他の施設よりも費用は高額となるため、経済的に余裕がある方に適しています。

 

有料老人ホームを探す

 

まとめ

元気な高齢者から人気で近年増えている「サービス付き高齢者向け住宅」と、ニーズに応じて施設を選べる「有料老人ホーム」について、特徴や違いを紹介しました。
それぞれメリット・デメリットが存在するため、入居に適している人は異なります。また同じ種別の老人ホームでも、施設によって提供しているオプションサービスや、人員体制などにも違いあるため、なかなか選べないという方もいるはずです。その場合は、老人ホーム選びのプロに相談してみるのもおすすめです。
スマートシニアでは介護・福祉の国家資格を持ったコンシェルジュが、老人ホームの施設選びから紹介まで、無料で相談を受け付けています。ぜひお気軽にお問い合わせください。


この記事の監修

とぐち まさき

渡口 将生

介護福祉士として10年以上現場経験があり、現在は介護老人保険施設の相談員として従事。介護資格取得スクールの講師やWEBライターとしても活動中。家族の声を元にした介護ブログを通じ、2019年3月、NHKの介護番組に出演経験もある。

この記事を読んだ方によく読まれています

お気に入り未登録
お気に入り未登録
お気に入り未登録
お気に入り未登録

カテゴリー

公式SNSアカウント更新中!

老人ホーム選びや介護に役立つ 情報をお届けします!