終活とはいつから始めるべき?メリットややることリストをご紹介!
近年注目されているのが、人生の終わりについて考える「終活」です。終活というと,、どこか後ろ向きなイメージを持っている方も多いかもしれません。
しかし、実はご自身の人生について整理し、老後の暮らしを充実させるためのポジティブな取り組みであることをご存知でしょうか。この記事では、終活とは何か、メリットややるべきことをご紹介します。
また、老後の生活に関わる様々な契約についても解説しています。豊かな暮らしを送るために、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
終活とは
近年、ご自身の人生の終わりについて考える「終活」が注目されています。終活とは、人生の最期について考え、準備を進めることです。具体的には、財産相続について決めるための遺言書を作成したり、家財整理や葬儀・お墓の準備をしたりといった作業を行います。
終活は、少子高齢化の流れを受けて、「高齢者自らが老後の暮らしや亡くなった後について考え準備を進めるべきだ」という考え方が生まれたことにより、注目されるようになりました。
終活というと「死後のための準備」と捉え、怖いイメージを持っている方も多いかもしれません。また、ご家族になるべく負担をかけないように、という理由で終活に取り組まれている方も多いでしょう。しかし、ご自身の生活を整理し、今後の暮らしをより豊かにするために行うものです。最後まで自分らしい人生を送るために必要な活動であることから、ポジティブに取り組むものであると言えます。
終活を行うメリット
終活を行うメリットは以下のとおりです。
将来の不安解消につながり、老後の暮らしが充実する
家族の負担を軽減できる
トラブルを防げる
ここでは、終活を行う3つのメリットについて解説します。
将来の不安解消につながり、老後の暮らしが充実する
終活では、ご自身の生活を整理し、亡くなった後の希望を形に残しておきます。介護や医療に関する意思や、葬式やお墓などについての希望をまとめておくことによって、死後についての不安が解消されることが多いです。
また、これまでの人生を振り返ったり亡くなった後について考えたりするだけでなく、今後の人生をどのように過ごすかについても考えます。これから挑戦してみたいことや、どのように過ごしていきたいかなどを明確にすることによって、時間を有効活用でき、老後の暮らしを充実させることができます。
家族の負担を軽減できる
ご自身で葬儀やお墓について事前に決めたり、荷物を整理したりすることによって、ご家族の負担を軽減できます。終活を行わなければ、遺されたご家族が全てを決める必要があります。エンディングノートにご自身の希望を書いておくことにより、ご家族はそれに沿ってさまざま手続きを進められます。
トラブルを防げる
ご家族が亡くなった後によく発生するトラブルが、遺産相続です。場合により、家族の関係がこじれることもあります。財産の分配や相続方法などについて決めておくことにより、家族間のトラブルを防ぐことができます。
終活はいつから始めるべき?
終活を始めるタイミングは人によって様々ですが、60〜65歳ごろから始める方が多いです。会社を定年退職し、自分の時間が増えることから、将来についてゆっくり考えるために適したタイミングと言えます。
しかし、終活を始めるタイミングに決まりはありません。最近では、20〜30歳代で終活を始める方もいるほどです。
終活を行うためには、エンディングノートの作成や財産の整理など、ある程度の時間がかかります。気力や体力が十分にあり、将来について考える余裕が生まれたタイミングで始め、少しずつ進めていくのがよいでしょう。
終活でやるべきことリスト
終活では、以下のようにやるべきことが様々あります。
エンディングノートを作成する
家財を整理する
財産の整理・相続の準備
葬儀やお墓の準備
介護・医療に関する意思表示
ペットをどうするか
ここでは、終活で具体的にやるべきことについて解説します。
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エンディングノートを作成する
ご自身の思いをまとめるのに役立つのが、エンディングノートです。エンディングノートには、以下のような項目について記載し、家族に伝えておきたい情報や希望などを残します。
ご自身の情報:パスポート・年金手帳・健康保険証といった重要な書類の保管場所、家系図など
連絡先:亡くなった際に連絡して欲しい親戚や友人の連絡先
資産:銀行口座の情報、保有している不動産・有価証券、人と貸し借りしているお金など
相続:遺言書の保管場所、相続財産、相続人、相続割合など
葬儀・お墓:希望する葬儀の形式、喪主をお願いする人、希望するお墓や埋葬方法、葬儀やお墓にかける予算など
身の回り:残してほしい荷物・データ、処分して欲しい荷物・データ
介護・医療:かかりつけの医者の情報、ターミナルケアや延命治療についての希望など
なお、エンディングノートは遺言書と異なり法的な効力を持ちません。しかし、エンディングノートを作成しておくことによって、ご家族は記載内容を参考にでき、必要な手続きをスムーズに行うことができます。
家財を整理する
家財を整理しないまま亡くなると、ご家族が代わりに整理する必要があります。家財整理は身体的な負担が大きく時間もかかるため、あらかじめご自身で整理しておくと良いでしょう。
具体的には、不用品を処分して家の中を整理したり、不用品を買い取ってもらったりしましょう。家具家電や美術品など、売れそうなものは捨てずに取っておき、リサイクルショップに買取を依頼します。家財整理は、専門業者に依頼することもできます。専門業者に頼む場合は、不用品の処分から買取までを一括して依頼できる場合も多いです。依頼費はかかりますが、家財整理の負担を軽減できるためおすすめです。
参考:おかたづけ・遺品整理をワンストップで解決 | はじめての遺品整理リリーフ
参考:不用品回収相談所|あなたにピッタリな不用品回収業者1社をご紹介
財産の整理・相続の準備
遺族が抱えるトラブルとして多いのが、親御さんが加入していた保険や契約などの解約、名義変更にまつわるものです。加入している保険がわからない、口座の通帳や印鑑が見つからない、IDやパスワードがわからないなど、手続きを行う際に必要な情報や書類が見つからずに手続きが進まないケースが多く見られます。
亡くなった後は、年金や健康保険の資格喪失、生命保険の申請、クレジットカードの解約、公共料金の名義変更など、様々な手続きが必要です。その際に困ることがないよう、財産や重要書類を整理し、その保管場所を明らかにしておきましょう。
また、自動車や建物・土地などの資産は、保有することによって毎年固定資産税が発生します。親族内で引き取り手がいない場合は、売却して換金することがおすすめです。売却手続きには時間がかかることもあるため、余裕を持って取り組みましょう。
さらに、遺言書も作成すると良いでしょう。遺言書がある場合、遺言書の内容に従って相続割合が決定されます。遺言書がない場合は、相続人の間で協議して相続割合を決定しますが、その際にトラブルが発生することが少なくありません。親族内でトラブルが発生しないよう、遺言書を作成しておきましょう。
関連ガイド(外部サイト)
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葬儀やお墓の準備
葬儀の形式やお墓の場所などをあらかじめ決めることによって、ご家族の負担を軽減できるだけでなく、ご自身が希望する形で終わりを迎えることができます。葬儀には様々な形式があるため、ご希望のプランや演出、呼んでほしい人、遺影に使って欲しい写真などを決めておきましょう。生前にご自身で契約できるものもあります。生前契約を利用する場合は、そのことを知らずにご家族が葬儀を行わないよう、事前にご家族に伝えておきましょう。
また、お墓にも複数の種類があり、最近では、先祖代々利用するお墓である家族墓以外にも、合同墓・納骨堂・自然葬といったお墓の種類が注目されています。ご自身の希望や立地・費用・設備などを考えて、納得のいくお墓を選びましょう。
さらに、葬儀やお墓の用意にはお金がかかります。ご家族の金銭的負担を減らすためにも、資金を確保しておくことが大切です。銀行口座に入れておくと、一連の相続手続きが終わるまで凍結され、預金が引き出せなくなってしまうため、現金で用意すると良いでしょう。
介護・医療に関する意思表示
介護や医療に関する希望も整理しておきましょう。介護が必要になった際に、在宅介護を受けながら自宅で過ごしたいのか、介護サービスを提供している施設に入居するのかなどの意思や、延命治療の必要が生じた時に治療を受けるのか、終末期はどこで過ごしたいのかなど、ご家族と話し合っておくことが大切です。万が一の際にも、ご本人の希望を尊重した選択ができます。
ペットをどうするか
一人暮らしでペットを飼っている場合は、亡くなった後ペットをどうするか決める必要があります。飼い主が亡くなった後、ご家族がペットを引き取って育てるケースが多いです。しかし、引き取り手が見つからない場合、ペットは保健所に引き取られることになります。そのため、ご自身が元気なうちにペットをどうするか考えておきましょう。
ご自身で引き取り手を見つけられない場合、以下のような方法があります。
NPO法人に依頼する
ペット信託や遺言書を作成する
NPO法人の中には、里親探しをサポートする団体も存在します。また、里親が見つかるまでペットを預かる団体もあり、安心して利用できます。
また、ペット信託を利用したり遺言書を作成したりして、亡くなった後、動物愛護団体や第三者に飼育を依頼する方法もあります。亡くなった後は、契約の締結や費用の支払いなどができないため、生前に信託契約を締結したり、遺言書を作成したりすることが必要です。
なお、民法ではペットに財産を相続させることはできない点にも注意が必要です。
老後の生活に関わる契約
最後に、老後の生活と密接に関わる様々な契約について解説します。
財産管理委任契約
任意後見契約
見守り契約
死後事務委任契約
民事信託
財産管理委任契約
財産管理委任契約とは、財産管理や様々な事務手続きに関する委任契約のことです。具体的には、預金の引き出しや支払い、役所での申請といった手続きを、ご自身が選んだ方に代行してもらえます。判断能力は十分にあるものの、身体的な理由で外出が難しい場合に役立ちます。
財産管理委任契約は、口頭でも成立しますが、後々トラブルにならないよう、公正証書を作成することが望ましいです。
任意後見契約
任意後見契約とは、判断能力が不十分な方に代わって、後見人が財産管理や契約などの手続きを行う契約のことです。任意後見では、ご本人の判断能力が十分なうちに、希望する人物を後見人として選任できます。
任意後見契約を締結するためには、口頭ではなく公正証書の作成が必要です。
なお、認知症や知的障がいなどの影響で判断能力が不十分になってから後見人を立てる場合は、任意後見ではなく法定後見となります。法定後見では、後見人の選定はご本人ではなく家庭裁判所が行います。ご自身が信頼できる人に依頼したい場合は、前もって任意後見制度を利用する必要があるため、注意しましょう。
見守り契約
見守り契約とは、任意後見が始まるまでの間に、支援者とご本人で連絡をとったり面談を実施したりして、任意後見をスタートする時期を判断するための契約です。任意後見は、判断能力が十分なうちに準備を進めるものですが、実際にスタートするのはご本人の判断能力が衰えてからです。見守り契約を利用することによって、健康状態や生活状況などを踏まえて、適切なタイミングで任意後見をスタートすることができます。
また、見守り契約では支援者と定期的に連絡を取ったり面談を行ったりするため、身体状況や日常生活の様子に異常がないかを見守ってもらえるのもメリットです。
死後事務委任契約
死後事務委任契約とは、亡くなった後に発生する手続きや事務などを第三者に委任できる契約です。遺体の引き取りや行政への申告、葬儀や納骨に関する手続き、生前利用していた契約の解除など、様々な手続きを代行してもらえます。ご家族に負担をかけたくない方や、身寄りがない方に適した契約です。友人など、戸籍上のつながりがない方と契約したり、専門家と契約したりすることもできます。
民事信託
民事信託とは、自分の財産をご家族や親族に委託して、管理・運用や処分を行うことです。事前に民事信託契約を締結しておくことにより、将来判断能力が衰えたとしても、適切に財産管理を行えます。また、生前から遺産相続について詳細に決められるため、柔軟に財産を管理できる点もメリットです。
まとめ
参考:老後にシェアハウスがおすすめ?手順や入居時の注意点を解説! | シェアハウス検索サイト『シェアシェア』」
参考:老後にシェアハウスが人気な意外な理由とは?手順やメリットを解説! | シェアハウスチンタイ
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有料老人ホームで介護士として約12年勤務した後、社会福祉士を取得。急性期病院の医療ソーシャルワーカーとして、入退院支援に携わる。現在は、スマートシニア入居相談室の主任相談員として、多数のご相談に応じている。