訪問入浴介護サービスとは?利用条件や料金相場を徹底解説!

訪問入浴介護は、専門の事業者が、自宅浴槽での入浴が困難な要介護者に対して、浴槽を自宅に持ち込み入浴の介護を行うサービスです。


本記事では、訪問入浴介護サービスの利点や利用の流れ、トラブル例について解説します。本記事をお読みいただければ、訪問入浴介護に関する理解が深まりますので、是非とも最後までお読みください。

訪問入浴介護サービスとは?利用条件や料金相場を徹底解説!


訪問入浴介護サービスとは?

訪問入浴介護サービスとは、要介護者が自宅で安全かつ快適に入浴できるように支援するサービスです。


専門の介護スタッフが専用の浴槽を持ち込み、利用者の自宅で入浴のサポートを行います。このサービスは、身体的な理由や環境的な制約で自宅の浴槽を利用することが難しい方にとって非常に有益です。


訪問入浴介護は、介護保険の適用対象となるため、利用者は一定の条件を満たすことでサービスを受けることができます。具体的には、要介護認定を受けている方が対象となり、医師の指示やケアマネージャーの計画に基づいて提供されます。


訪問入浴介護の利用条件

訪問入浴介護サービスを利用するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。まず、要介護認定を受けていることが前提です。要介護認定は、市区町村の介護保険課で申請し、介護度が1から5のいずれかに該当する場合に認定されます。


※要支援(1〜2)の方には「自宅に浴室がない」「感染症」などの理由で訪問入浴介護を受けられる「介護予防訪問入浴介護」というものがあります。


次に、訪問入浴介護が必要とされる具体的な理由があることが重要です。例えば、自宅の浴槽での入浴が困難である場合や、身体的な理由で入浴が難しい場合などが該当します。また、医師の診断書や介護支援専門員(ケアマネージャー)の意見書が必要となることもあります。


さらに、訪問入浴介護サービスを提供する事業者が、利用者の住居に訪問可能なエリア内にあることも条件の一つです。事業者によっては、サービス提供エリアが限られている場合があるため、事前に確認が必要です。


訪問入浴介護サービスの流れ

訪問入浴介護サービスは、要介護者が自宅で安全かつ快適に入浴できるように設計されています。以下に、訪問入浴介護サービスの一般的な流れを説明します。


ステップ1: 健康チェック
まず、訪問入浴介護のスタッフが到着すると、利用者の健康状態を確認します。血圧や体温、脈拍などを測定し、入浴が可能かどうかを判断します。このステップは、利用者の安全を確保するために非常に重要です。


ステップ2: 準備・脱衣
次に、スタッフが専用の浴槽を設置し、入浴の準備を行います。浴槽は折りたたみ式で、狭いスペースでも設置可能です。準備が整ったら、利用者を脱衣させ、浴槽に移動させます。この際、プライバシーに配慮しながら丁寧に対応します。


ステップ3: 入浴
入浴中は、スタッフが利用者をサポートし、洗髪や体洗いを行います。温度管理や水量の調整も行い、快適な入浴環境を提供します。また、入浴中も利用者の健康状態を常にチェックし、安全を確保します。


ステップ4: 着衣・健康チェック
入浴が終わったら、利用者を浴槽から出し、タオルで体を拭いて着衣させます。その後、再度健康チェックを行い、異常がないか確認します。


ステップ5: 片付け
最後に、使用した浴槽や道具を片付け、元の状態に戻します。スタッフは、利用者の自宅を清潔に保つために、片付けも丁寧に行います。


訪問入浴介護の料金

訪問入浴介護サービスの料金は、地域や事業者によって異なりますが、一般的には1回あたりの利用料金が設定されています。


基本的な料金は、介護保険の適用を受けることで大幅に軽減されることが多いです。具体的には、介護保険を利用する場合、自己負担額は1割から3割程度となります。


例えば、訪問入浴介護の1回の利用料金が約1万円とすると、介護保険適用後の自己負担額は1,000円から3,000円程度になります。ただし、要介護度やサービス内容によって料金が変動することもありますので、事前に事業者に確認することが重要です。


また、訪問入浴介護サービスには、基本料金の他に追加料金が発生する場合もあります。例えば、特別な設備や器具の使用、特別なケアが必要な場合などです。これらの追加料金についても、事前に確認しておくと安心です。


訪問入浴の所要時間

訪問入浴介護サービスの所要時間は、一般的に1回の訪問で約60分から90分程度です。この時間には、利用者の健康チェック、入浴の準備、実際の入浴、着衣、そして片付けまでの全ての工程が含まれます。


まず、訪問スタッフが到着すると、最初に利用者の健康状態を確認します。これには、血圧や体温の測定が含まれ、約10分程度かかります。その後、入浴の準備と脱衣が行われ、これに約15分から20分が必要です。


次に、実際の入浴が行われます。入浴自体は約20分から30分程度かかりますが、利用者の体調や希望に応じて時間が調整されることもあります。入浴後は、再度健康チェックを行い、着衣を手伝います。この工程には約15分程度かかります。


最後に、使用した浴槽や道具の片付けが行われ、これに約10分から15分が必要です。全体の流れをスムーズに進めるためには、訪問スタッフの経験とスキルが重要です。


訪問入浴のメリット・デメリット


訪問入浴介護サービスには、多くのメリットといくつかのデメリットがあります。以下にそれぞれを詳しく見ていきましょう。


訪問入浴のメリット

1. 自宅での安心感

要介護者が慣れ親しんだ自宅で入浴できるため、精神的な安心感があります。特に認知症の方にとっては、環境の変化が少ないことが大きな利点です。


2. 専門スタッフによるサポート

専門の介護スタッフが入浴をサポートするため、安全かつ快適に入浴ができます。スタッフは健康チェックも行うため、体調の変化にも迅速に対応できます。


3. 家族の負担軽減

家族が介護にかかる時間や労力を軽減できるため、家族のストレスも軽減されます。特に入浴介助は体力を要するため、専門スタッフに任せることで安心です。


4. 衛生管理

専門の設備と技術を持つスタッフが入浴を行うため、衛生面でも安心です。感染症のリスクを減少させることができます。


訪問入浴のデメリット


1. 費用がかかる

訪問入浴介護サービスは、他の介護サービスに比べて費用が高くなることがあります。特に頻繁に利用する場合、経済的な負担が増える可能性があります。


2. プライバシーの問題

自宅に他人が入ることに抵抗を感じる方もいます。特に入浴というプライベートな時間に他人が関与することに対して、心理的な抵抗がある場合があります。


3. スケジュールの調整

サービス提供者とのスケジュール調整が必要となるため、希望する時間に利用できないことがあります。特に人気のある時間帯は予約が取りにくいこともあります。


訪問入浴介護サービスは、要介護者とその家族にとって多くの利点を提供しますが、同時にいくつかの課題も存在します。これらを理解した上で、最適な利用方法を検討することが重要です。


訪問入浴で起こるトラブル

訪問入浴介護サービスは非常に便利で多くの利用者に喜ばれていますが、時にはトラブルが発生することもあります。ここでは、代表的なトラブル例をいくつか紹介します。


利用者の入浴拒否

訪問入浴介護サービスを利用する際、利用者が入浴を拒否することがあります。これは、特に認知症を患っている方や精神的な不安を抱えている方に多く見られる現象です。入浴拒否の原因はさまざまで、体調不良や気分の変動、入浴自体への恐怖心などが考えられます。


このような場合、介護スタッフは無理に入浴を強要せず、利用者の気持ちに寄り添いながら対応することが重要です。


例えば、入浴の前にリラックスできる環境を整えたり、利用者が安心できるように声かけを行ったりすることで、入浴への抵抗感を和らげることができます。また、家族やケアマネージャーと連携し、利用者の状態や気持ちを共有することも大切です。


看護師は医療行為は不可

訪問入浴介護サービスにおいて、看護師が同行することは一般的ですが、注意が必要なのは看護師が医療行為を行うことはできないという点です。


訪問入浴介護の主な目的は、要介護者が安全かつ快適に入浴できるようサポートすることにあります。そのため、看護師は利用者の健康状態をチェックし、入浴中の体調変化に対応する役割を担っています。


しかし、訪問入浴介護の現場では、医療行為とみなされる処置や治療は行えません。例えば、点滴の交換や注射、褥瘡(じょくそう)の処置などは医療行為に該当し、訪問入浴介護の範囲外となります。これらの医療行為が必要な場合は、別途訪問看護サービスを利用する必要があります。


まとめ

訪問入浴介護サービスは、自宅での入浴が困難な要介護者にとって非常に有益なサービスです。専門のスタッフが自宅に訪問し、浴槽を持ち込んで安全かつ快適な入浴を提供します。利用条件や料金、サービスの流れを理解することで、よりスムーズにサービスを利用することができます。


訪問入浴介護のメリットとしては、要介護者が自宅で安心して入浴できること、家族の負担が軽減されることが挙げられます。一方で、デメリットとしては、サービスの利用に際しての費用や、利用者の入浴拒否などのトラブルが発生する可能性もあります。


本記事を通じて、訪問入浴介護サービスに関する理解が深まり、適切な利用ができるようになることを願っています。訪問入浴介護を検討している方は、ぜひ一度専門の事業者に相談してみてください。

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