老人ホームの費用相場は?施設別の平均料金や負担を減らす方法を解説!

老人ホームには「入居一時金」と「月額利用料」という2つの大きな費用がかかります。費用は施設によって大きく異なるため、経済的な不安を感じる方も多いでしょう。本記事では、老人ホームの費用や月額利用料の具体例、費用を抑えるポイント、費用が払えない時の対処法など、入居前に知っておきたい情報を紹介します。老人ホームをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。

老人ホームにかかる費用とは?

老人ホームに入居する際に、気になるのは費用ではないでしょうか?老人ホームでは大きく分けて「入居一時金(入居金)」と「月額利用料」2つの費用が必要です。費用は施設によって大きく異なるため、詳しく見ていきましょう。

入居一時金(入居金)200文字

入居一時金とは、老人ホームへ入居の際に支払う費用です。施設によって数百万円から数千万円と大きく異なります。入居一時金は、月額利用料の一部にあてられるため、月々の費用が減額されることが一般的です。

入居一時金は、施設によって設定された期間で徐々に償却されていきます。償却期間内に退去になった場合、まだ償却されていない一時金の残りが返金されるため安心です。

ただし、施設によっては入居時に一時金の一部を「初期償却」として消費する場合があり、この部分は返金されません。短期間での退去や終身での入居が難しい場合は損をするリスクがあるため注意が必要です。

月額利用料

月額利用料は、老人ホームの生活にかかる費用を毎月支払う形式です。費用の内容には、居室の使用料・食費・日常の生活支援や介護サービスの利用料などが含まれます。月額利用料の具体的な金額は、以下の通りです。

費用項目

詳細

施設介護サービス費用

施設で提供される介護サービスに対する費用。介護保険適用サービスのため、利用者は費用の一部(1~3割)を自己負担。

居住費

公的施設では基準費用に基づき基準額が定められており、1日あたり377円(従来型個室)から2,006円(ユニット型個室)。民間施設では立地や設備に応じて金額が異なる。

食費

公的施設の基準費用は、日額1,445円(2024年2月時点)。民間施設では施設ごとに異なる。

管理費

管理費・水道光熱費・事務費・レクリエーション費などが含まれる。施設によって徴収項目は異なる。

サービス加算

特別なサービスや設備、人員配置などに対する加算料金。具体的なサービス内容や加算項目は施設によって異なる。

上乗せ介護費

介護付有料老人ホームなど特定施設で発生する料金。基準を超えるサービスや設備にかかる費用。

医療費

通院費や薬代など、介護保険適用外の医療費用。持病の有無や必要な医療ケアによって費用は異なる。

日常生活費

生活用品・嗜好品・理美容代・レクリエーション費用など、日々の生活で発生する費用。

施設ごとに費用が異なるため、直接確認することが大切です。

老人ホームの月額費用例

老人ホームの月額費用は、施設の種類や提供されるサービス、入居者の介護度によって大きく異なるため、イメージがつかないかもしれません。いくつかの例をあげて具体的に月額費用を紹介します。

要介護3で特養を利用した場合の月額費用例300文字

特別養護老人ホーム(特養)で必要な月額費用は、居住費・食費・介護サービス費に分けられます。居住費としては、部屋のタイプにもよりますが、一般的に2.6~6万円程度です。食費は日額1,445円を基準に計算すると、約4.3万円必要になります。介護サービス費用は、介護保険の自己負担分は約3万円(1割の場合)が目安です。

計算すると総額9.9~13.9万円になり、さらに医療費や理美容代、日用品費などを含めると、12~16万円程度が月額費用の目安になります。ただし、個室費用を増額している施設もあり、総額で20万円以上になる場合もあるため、注意が必要です。

特別養護老人ホームでは、入居一時金や紙オムツなどの費用は必要ありません。

要支援2でサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を利用した場合の月額費用例300文字

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の利用で発生する月額費用には、家賃・食費・管理費・水道光熱費などがあります。また、利用者の状況によっては、介護サービス費が必要です。

家賃は立地や設備により差はありますが、6~10万円程度になります。食費は施設によって異なりますが、5万円程度です。他にも管理費として2~3万円、介護サービス費は利用するサービスに応じて変動しますが、要支援2では比較的軽度なため、1~2万円程度とします。合計すると約14~20万円必要です。

さらに、使用した分の水道光熱費・福祉用具のレンタル・紙パンツなどの消耗品・お薬代などがかかることも覚えておきましょう。サービス付き高齢者向け住宅では、入居時に家賃の2~3ヶ月分の敷金が必要な場合もあります。

認知症の方がグループホームを利用した場合の月額費用例300文字

認知症の方がグループホームを利用する場合、月額費用には居住費・食費・介護サービス費用などがかかります。居住費は施設によって異なりますが、約5.5万円必要です。食費は約4万円、介護サービス費は介護度によって異なりますが、1割負担の場合で約2.5万円かかります。

合計すると約12万円となりますが、さらに医療費・お薬代・水道光熱費・理美容代・紙パンツなどの日用品費などが必要です。ほかにも、施設で提供するオプションサービス(例えば、送迎や外出支援など)を利用すると、その分の費用が加算されます。また、入居一時金が必要になる施設もあるため、入居を希望する際は費用について確認しておきましょう。

老人ホームの月額費用の支払い方法

老人ホームでは主に、「一時金方式」「一部前払い・一部月払い方式」「月払い方式」の3つの支払い方式があります。高齢者施設で生活を考える際、料金の支払い方式を理解することは非常に重要です。各方式の特徴を詳しく見ていきましょう。

一時金方式は、家賃やサービス費用などを入居時に一括で前払いする方式です。一括で支払ったあとの月額利用料が減額されるため、月々の負担が軽減します。しかし、大きな初期費用が必要となるため、入居者や家族の経済状況によっては、選択肢から外れることもあるでしょう。

一部前払い・一部月払い方式は、家賃やサービス費用の一部を入居時に前払いし、残りを月々支払う方式です。一時金方式と月払い方式の中間に位置づけられ、初期費用を抑えつつも、月々の支払いを安定させられるメリットがあります。特に、一時金での全額支払いが難しいが、ある程度の前払いは可能な場合におすすめです。

月払い方式は、家賃やサービス費用を毎月支払う方式です。大きな初期費用が不要になることで、入居時のハードルを下げられます。しかし、月々まとまった費用の支払いが続くため、将来的な経済状況に不安を感じることもあるでしょう。

老人ホームにかかる費用を抑えるポイント

老人ホームを利用すると、毎月の支払いが発生します。利用者や家族の経済状況によっては負担になることもあるでしょう。ここでは、費用を抑えるポイントを紹介します。

初期償却の割合と入居期間を比較する200文字

老人ホームの選択肢を検討する際は、初期費用(入居一時金)の償却率と予想される入居期間を慎重に比較検討することが肝心です。初期償却率が高い施設では、短期間で退去した場合、多額の費用が戻らない可能性があるため、予定している入居期間とのバランスを考え、最適な選択をしましょう。

なお、公的施設や一部の民間施設では入居一時金が不要です。そのため、入居一時金が不要な施設を選択するのもひとつのポイントです。

介護保険サービスを利用する200文字

介護保険制度を利用して、老人ホームで必要となる介護サービスの費用を抑えることも重要なポイントです。要介護認定を受けた場合、要介護度に応じて介護保険からサービス利用にかかる費用の一部が補助されます。自己負担額を減らすためにも、どのようなサービスが利用可能か、どの程度の補助が受けられるかを確認し、上手に活用すると良いでしょう。

介護保険サービスは多くのサービスを展開しているため、担当のケアマネジャーと相談しながら、必要なサービスを選択してください。ただし、公的施設やグループホームではサービスの選択が困難です。その分、施設内で様々な職種の職員が包括的にケアが実践されています。

老人ホームの費用が払えない時の対処法

老人ホームの費用が払えなくなった場合の対処法はいくつかあります。まずは経済状況を正確に把握し、適切な対応をとることが重要です。

施設との相談

老人ホームの管理者や相談窓口の担当者と直接話し合いすることが大切です。支払いプランの見直しや支払いを待ってもらえるかどうかを確認しましょう。施設側も入居者の状況を理解し、柔軟に対応してくれる場合があります。相談しないで滞納が続くと、悪質と捉えられ強制退去になる可能性もあるため注意が必要です。

公的支援の活用

市区町村の生活支援や介護保険窓口、地域包括支援センターに相談し、公的支援制度の利用が可能か確認しましょう。生活保護法や介護保険制度など、高齢者の生活支援に関する様々な公的制度を利用することで解決できる場合があります。

専門家に相談

ケアマネジャーや社会福祉士などの専門家に相談することも大切です。専門家は、老人ホームの生活に関するアドバイスや、費用負担を軽減するための具体的な提案をしてくれます。また、適切な公的支援制度の案内や手続きのサポートも受けられるでしょう。

家族に相談

家族に相談して、費用を負担できるか確認してみましょう。家族間で情報を共有し、資金計画を再検討することで、新たな対処法が見つかるかもしれません。また、家族が協力して介護負担を分担できると、老人ホーム以外の選択肢も検討できるようになります。

まとめ

老人ホームの費用は、施設の種類・サービス内容・入居者の介護度によって大きく異なります。入居前に、各施設の費用体系をしっかりと比較検討し、自身の経済状況に合った施設を選ぶことが重要です。

費用を抑えるためには、初期償却率と入居期間のバランス、介護保険サービスの活用、公的支援制度の利用などが有効です。また、費用が払えなくなった場合の対処法も事前に確認しておくと安心です。

本記事を参考に、自分に合った老人ホームを見つけて、快適な老後生活を送ってください。


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